太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 スタッフブログ


氏名: 井出 里香 Rika Ide
所属: 東京都立大塚病院 Tokyo Metropolitan Ohtsuka Hospital

共同研究者氏名・所属:

五島 史行(日野市立病院)

Fumiyuki Goto  (Hino Municipal Hospital)

堀井 昌子(神奈川県予防医学協会)

Masako Horii  (Kanagawa Health Service Association, Clinic Center)

上小牧 憲寛(国際医療福祉大学)

Norihiro Kamikomaki  (International University of Health and Welfare)

   

研究テーマ:

富士山頂における歩行バランスの評価

Estimation of walking balance in Mt. Fuji (3776m)

研究結果:

急性高山病(Acute Mountain Sickness, 以下AMSと略す)には、めまい・ふらつきなどの症状もあり、高所では身体のバランスを崩して滑落事故へつながることがある。AMSの症状が出る前から身体動揺が出現するとの報告もあり、今回、富士山頂(標高3776m)で歩行バランスを評価できる加速度センサー(8チャンネル小型無線モーションレコーダー, MicroStone社)を用いて歩行バランスの評価を行なった。被験者7名中3名は、平地と比較して富士山頂で歩行バランスの揺れが著明に増大した。この3名はAMS スコア4、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)70%前後と他の被験者と比べてAMSの症状は明らかであった。また全被験者において下りの歩行バランスの揺れは増大した。これは、下りで滑落事故が多いという事実を裏付ける要因の1つと考えられる。本機器は小型、軽量であるので、今後、実際の登山コースでの歩行バランスの評価への応用を検討している。





英文:



Dizziness and body sway are symptoms ofacute mountain sickness (=AMS). These symptoms are connected with slip downaccident at high altitudes. Previous reports have suggested that body swayappear before the onset of AMS.

We investigated the ability of gyrosensor(MicroStone Inc.) as the measurement of useful to evaluate walking balance inMt. Fuji (3776m). 3 subjects of 7 subjects more increased the sway of walkingbalance in Mt. Fuji than ground level. They showed obvious symptoms of AMS andAMS score 4, SpO2 were around 70%. All the subjects increased the sway ofwalking balance of descend. It suggested that this result is one of the reasonswhich slip down accidents are high frequency in descending. This instrument issmall and light (weight), it is possible to apply to estimate the walkingbalance in mountain course.


研究成果の公表:

平成24年登山医学会総会で発表予定

(参考)プロジェクト計画:
富士山頂における身体動揺の簡易測定の有用性について

急性高山病(Acute Mountain Sickness, 以下AMSと略す)には、めまい、ふらつきなどの症状もあり、高所では身体のバランスを崩して滑落事故へつながることがあります。 AMSの症状が出る前から身体動揺が出現するという報告もあり、富士山頂(標高3776m)において早期の身体動揺を評価できるパラメーターとしてジャイロセンサーによる簡易測定の有用性について重心動揺計と比較検討する。同時にAMS症状スコアリングおよび経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)、心拍数を測定し、AMSとの関連についても評価する。





氏名: 向井人史・須永温子・野尻幸宏/ Mukai Hitoshi・Atsuko Sunaga・Yukihiro Nojiri
所属: 独立行政法人 国立環境研究所 地球環境センター 炭素循環研究室

National Institute of Environmental Studies(NIES)、Center of Global Environmental Research (CGER)

共同研究者氏名・所属:

技術提供:紀本電子工業

研究支援:NPO富士山測候所を活用する会

   

研究テーマ:

富士山頂における無人の継続的二酸化炭素濃度測定

unattached CO2 measurement on the summit of Mt. Fuji

研究結果:

2009年より、NIESが開発した遠隔地用自立電源型自動二酸化炭素濃度測定システムを用い、富士山頂にて大気中二酸化炭素濃度の無人の長期通年観測を行っている。電源自立型の衛星通信システムを備えた耐低温性の小型の装置であり、観測データを衛星通信で毎日定時測定後につくばの環境研究所にメールで送信している。

2010年8月末から2011年7月中旬までの測定データを回収すること、装置を交換しメンテナンスを行なうこと、そして、陸電供給がない測候所閉所期間の冬期10ヶ月の間の観測用電力を確保する100個の低温用鉛蓄電池を充電することを、夏期開所期間の重要な作業として行なった。今年度は、昨年導入した自動で100個の電池を充電する充電装置に改良を重ね、放電への切り替えのためのつなぎ替え作業を行なわなくても済むようにスイッチ回路を作成し設置した。(写真1,2)

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写真1、CO2測定システム                 写真2、充放電切替え装置と自動充電器




夏期観測期間中は通常の1回/日から4回/日の測定に切り替え、得られたより多くのデータを収集し今後の解析に利用する。また、今年度は簡易型のCO2濃度測定機を御殿場事務所と太郎坊に設置し、富士山頂の濃度変動との関連性を比較した。汚染の少ない昼間の御殿場濃度は山頂と同程度になることがあるが、逆に低い場合や高い場合も存在することが分かる。山頂の日内濃度変化は御殿場に比べてはるかに小さく数ppm以下であった。(図1)

測候所の開所中はボトルサンプリングによる大気採取も行い、測定装置により得られたデータとの比較を行った。
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図1、 御殿場と山頂でのCO2濃度比較








英文:


Since 2009, National Institute for Environmental Studies (NIES) has operatedunattached year round atmospheric carbon dioxide (CO2) measurementon the top of Mt. Fuji. We developed a CO2 observation system forthis purpose that is designed especially for remote, cold severe environments whereno constant energy supply is available. It is a small stand-alone power systemwith cold-endurance batteries, and a satellite data communication system isequipped to send data to NIES everyday.

This summer in 2011, we collected data from August, 2010 up to themiddle of July in 2011, changed the measurement devices for maintenance, andcharged 100 Pb batteries. 100 Pb batteries provide electric power to theobservation system for 10 months when the land line is not available duringwinter season.  Last year, we developedan automatic battery charge system and installed it. This year, we improved itby adding switching circuits in order to avoid manual switching operation thatrequires reconnection of hundreds of line cables. 


While the observatory is open, the measurement was increased from once a day to 4 times a day. Moreover, as a new experiment, another simple CO2 measurement instrument was placed at NPO Gotenba office and Tarobo to see the CO2 trend there and compare with CO2 data at Mt. Fuji.  Variation of CO2 concentration in Gotenba was very large, and mostly it showed higher CO2 concentration than at top of Mt. Fuji, even in noontime when the air is mixed vertically, suggesting that emissions from local sources must influenced the CO2 concentration at the ground level.

 

研究成果の公表:

論文などでの発表を予定

NOAAの年会で一部ポスター発表

NHK おはよう日本

朝日新聞夕刊(9/28)で一部発表など

(参考)プロジェクト計画:
富士山頂における無人の継続的二酸化炭素濃度測定
2009年より、NIESが開発した遠隔地用自立電源型自動二酸化炭素濃度測定システムを用い、富士山頂にて大気中二酸化炭素濃度の長期観測を行っている。電源自立型の衛星通信システムを備えた耐低温性の小型の装置である。観測されたデータは毎日定時測定後につくばのNIESにe-mailで送信されている。2010年の夏季より2年目の無人の越冬観測に突入したが、通信やメンテナンスの方法など更に改善が期待される部分を残している。観測を継続しながらデータの分析を行うと同時に、長期的観測を見越したシステムつくりを進めていく。測候所の開所中はボトルサンプリングによる大気採取も行い、測定装置により得られたデータとの比較を行う。





氏名: 兼保直樹 Naoki KANEYASU
所属: 産業技術総合研究所 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology

共同研究者氏名・所属:

村山昌平

産業技術総合研究所 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology

   

研究テーマ:

同位体を用いた炭素系粒子の発生源分別

Source identification of carbonaceous atmospheric constituents by use of carbon isotopes

研究結果:

自由対流圏高度にある富士山頂において日中の境界層内起源および深夜~未明の自由対流圏の気団を捉え、取得した大気サンプルから分析した13Cおよび14Cの変動、他のエアロゾル微量成分との相関、エアロゾル光吸収係数の波長依存性の測定、および他の連続観測データを併せて、黒色炭素の発生源を日本起源、アジア大陸起源(主として中国)、およびバイオマス燃焼起源に分別を目指す。

今年度はCO2中の13Cおよび14Cの変動を得るため、8月22~24日にかけて山頂に滞在し、昼夜別に8セットのフラスコ・サンプルを取得した。2009年に同様にフラスコ・サンプリングを行った際は1号庁舎のインレットを用いたが、室内隔壁からインレット先端までの距離が短く、分析値に室内空気の汚染の疑いがあったため、今年度は採取地点を変え、約5m程度テフロンチューブを伸ばして吸気した。

現在、サンプルは分析中である。





英文:

The objective of this study is to make a source apportionment of air masses at the summit of Mt. Fuji in summer using carbon isotopes such as 13C and 14C. Nighttime and daytime flask samples of air for the analysis of carbon isotopes of CO2 were collected during Aug.22-24, 2011. The analysis of flask samples are under way at present.



研究成果の公表:

 2012年気象学会または大気環境学会での発表を考慮中。

(参考)プロジェクト計画:
同位体を用いた炭素系粒子の発生源分別
自由対流圏高度にある富士山頂において日中の境界層内起源および深夜~未明の自由対流圏の気団を捉え、取得した大気サンプルから分析した?13Cおよび14Cの変動、他のエアロゾル微量成分との相関、エアロゾル光吸収係数の波長依存性の測定、および他の連続観測データを併せて、黒色炭素の発生源を日本起源、アジア大陸起源(主として中国)、およびバイオマス燃焼起源に分別する。





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