太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ


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環境省「環境研究総合推進費」のHPより

当NPO 大河内副理事長より

「大気中マイクロプラスチック研究で
令和3年度 環境総合推進費に採択されました。
富士山頂での本格的な観測を進めます!!」

とても嬉しいご報告を頂きました!!


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↑画像をクリックすると大きく表示されます。




 環境研究総合推進費とは?

 環境研究総合推進費は、気候変動問題への対応、循環型社会の実現、自然環境との共生、環境リスク管理等による安全の確保など、持続可能な社会構築のための環境政策の推進にとって不可欠な科学的知見の集積及び技術開発の促進を目的として、環境分野のほぼ全領域にわたる研究開発を実施しています。  
                      環境省HPより



採択された研究課題名は
「大気中マイクロプラスチックの実態解明と健康影響評価」です!!

おめでとうございます!

(広報委員会)


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昭和30年(1955年)中央気象台長(現:気象庁長官)からの表彰状。


2020年夏のクラウドファンディングにおいて、
一定額のご寄付を頂いた方には
“サイエンスカフェにご招待”というリターンがありました。

色々なサイエンスカフェが展開された中で、
鴨川事務局長の「富士登山安全の最前線」も開催されました。

そのカフェに参加されていた
静岡大学・村越真教授より
ご尊父・村越望様のお話を伺いました。

なんと
富士山測候所勤務のご経験があるとのこと!!

さらに、
南極観測第一次越冬隊にも参加され、
その後何度か越冬を経験し、
南極観測第十五次越冬隊では
越冬隊長も務められたとのことです!!

村越 望 様の遺品より
貴重な表彰状の写真をご提供頂きました。

この表彰状は
村越 望 様が富士山測候所勤務の後、
大島測候所に勤務されていた頃のもので
年末の悪天候を押して登山し肺炎で
苦しんでいた※強力(ごうりき)のために
医薬品を届けたという救命活動に対するものでした。

 ※ 強力とは?
 富士登山の際に、道案内や荷物を運んだりする山のスペシャリストのこと

先日これらの貴重な遺品の画像を頂けるとのことで
「芙蓉日記の会」の世話人は
村越先生と連絡を取り合うためにzoomで会議をしました。

その内容を「芙蓉日記の会」会員に伝えたところ、
『日本百名山』の英訳者で
Martin Hoodさん(スイス在住英国人)から楽しいメールがきました。

「村越望氏と南極・昭和基地のお話はとても魅力的です!!」
と、富士山本宮浅間大社南極の石の写真のおまけつきです。

南極の石
Martin Hood さんが10年以上前に撮影された富士宮市浅間大社の境内の南極の石の写真

Martin Hood さんは、「極地」に絡んで、
グリーランド氷冠の探検隊に関する本の
編集の真っ最中とのことです。

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白瀬中尉が南極点に到達した1912年に、
スイスの4人の研究者はグリーンランドの氷冠に到達しました。
その中にはスイス科学山岳会のメンバーも含まれていました。

Alfred de Quervain
Alfred de Quervain(1879-1927)グリーンランドにて

このグリーンランド探検の隊長だったAlfred de Quervainが
「ユングフラウヨッホ高所研究ステーション(HFSJG)」
の設立当時の有力な協力者だったということです。

本NPOも山岳研究施設として
「ユングフラウヨッホ高所研究ステーション」
とは
長いお付き合いがあります。

2006年11月22日に
「富士山プロジェクト’山岳極地高所研究拠点’の実現に向けて」
(平成18年度科学研究費補助金による集会)では、
Erwin Fleuckiger教授による「ユングフラウヨッホ高所研究ステーション」の講演がありました。

また
2010年のACP(ACPM)の第1回集会(インターラーケン)からは、
HFSJGと関連研究のあるJohannes Staehelin 教授から 応援メッセージを頂いたり、
ACPM2017でも、関連データが紹介されました。

HFSJGはその運営を含めて本NPOの「お手本」となっている施設です。
思いがけないつながりが出てきました。

「芙蓉日記の会」は、
この出会いによってまた新たに広がり始めそうです。

野中到・千代子夫妻のお孫さんが言われるように
出会いは、「富士の裾野のように広がって、驚いています。」
まさにその通りでした。

コロナ禍にもかかわらず
南極やグリーンランドなどの極地の研究の歴史を通して
極地の観測所間の繋がりは、国際的にも広がり始めています。

ところで、
「芙蓉日記の会」の貴重な資料が増えるのは大変有難いのですが、
分類や解読、HPへの入力など、仕分けや解読など
現在の比較的高年齢の世話人(「野中至(到)・千代子資料館」HP担当)
にとっては嬉しい悲鳴です。

若い歴史好きの方、
古い内外の文書を読んでみたい方、
入会したいと思われないでしょうか?

是非ご連絡(資料館のページから、NPO事務所へ)頂けると有難いです。

(広報委員会+芙蓉日記の会)


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瀬口貴文さん(当時 防衛大学校
指導教官の岩崎杉紀先生より写真を送って頂きました。

2019年11月の気象学会秋季大会のブログでご紹介した
瀬口貴文さんについて、
指導教官の岩崎杉紀先生から素晴らしい連絡を頂きました。

 ”今年の3月に博士を取った学生君の学位論
文の情報を送ります。
防大では学位を出せないので、学位授与機構
英語名称は大変長いです…で審査され、学位を授与されております。
お知らせするのを忘れておりました。”
(2020年11月26日に岩崎先生から頂いたメールより)


瀬口さんの凄さが
下記の岩崎先生からのメールからもわかります!!
 
  
 彼は、ペンシルベニア州立大学で修士号を取得し、博士から私が面倒を見ました。つまり、D1からテーマを変え、実質2年半くらいで成果をまとめなければならなかったです。さらに、通常の大学院での審査と異なり、学位授与機構での審査は、私たちは審査員の選考に一切関われず、審査の場にさえ立ち会えません。審査はけっこう厳しいものがありました。

さらに、、通常の防大の博士の学生は、卒業後の5-6月頃に審査があります。しかし、彼の審査は3月でしたが、これでも通常より早く審査されています。防衛大学のこの年の博士の学生の中では、いわゆる早期審査は彼だけでした。



瀬口さんの博士
論文のタイトルは下記の通りです。

 Seguchi, T., The Analyses of Jumping Cirrus with Ground-based
 Observations, Doctoral dissertation, National Institution for Academic
 Degrees and Quality Enhancement of Higher Education (2020).

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嬉しいことに論文の最後に、当NPOへ謝辞が入っております。


 The observation at Mt. Fuji was performed at the Mt. Fuji Weather
 Station, which is currently managed by the Mount Fuji Research Station
 (MFRS), a nonprofit organization certified by the government of Japan.
 They helped to support our work, including the installation and
 maintenance of the cameras.


富士山測候所の研究に精力的に参加された瀬口さんが、
このような形で論文を纏められて博士号を取得されたことは、
NPOにとっても、
コロナ禍で観測が出来ない憂鬱を
吹き飛ばすような
大変嬉しいニュースが舞い込んで来ました!


NPOのウェブサイトの「論文のページ」の構成についても
「博士取得者」のページを加えることを検討中です。

今後、
瀬口さんの様に
「富士山測候所」発の博士が多数続くことを期待しております。

(広報委員会)


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