太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 スタッフブログ

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 富士山測候所のNPOの業務日報

富士山頂での気象観測は、1932年(昭和7年)に西安河原でスタートし、1936年に「中央気象台富士山頂観測所」が正式名称となり、山頂剣が峰に新庁舎を建設し移転して以来、2004年(平成16年)富士山測候所が無人化するまでの72年間は、気象庁の職員が常駐して「有人で行われていました。

この有人観測時代に山頂で働いていた職員が日々の生活をつづった「カンテラ日記-富士山測候所の50年」(ちくま少年図書館90、社会の本、1985)の著者・中島博氏によると
昭和7年から現在まで、日夜休むことのない気象観測が50年間続けられ、多くの人々がこの仕事に従事した。山頂に勤務した人が毎日の出来事や感想をつづった日誌がある。これを「カンテラ日誌」という。この日誌の昭和12年から現在までのものが、ほぼ完全に保存されている。
・・・・・
長い年月、多くの人びとが書き残したもので、中には読みにくいもの、わかりにくいものなどがあり、これらの記録には手を加えた。また富士山測候所の仕事とか生活の変遷が分かるように、解説をつけたので本の標題は『カンテラ日記』とした

ー「はじめに」より
とあります。

著書には「首都圏空襲(1944年11月24日)」、「地方都市も(1945年7月10日)」、「被弾(同年7月30日)」と戦争中の測候所や、「米兵登山(1945年9月19日)」、「英旅客機墜落(1966年3月5日)」のなどの記事もあり、非常に面白く貴重な記録です。現在残っているのは中島氏の上記の著書だけで、最近、その原典が失われてしまったことは誠に残念です。

気象庁は、業務日報でないことと、個人情報が含まれること、移転に際して場所がないなどの理由で廃棄されたと聞きましたが、いま、気象庁だけでなく、日本の官公庁の資料のアーカイブに関する定見のなさはとても先進国と思われないお粗末さで、目を覆うものがあります。

ひるがえって、いまは富士山測候所は本NPOが2007年以降12年間にわたって気象庁から借り受けていますが、夏季約2ヶ月間の利用にあたっては有人管理体制が義務付けられており、山頂班3名が常駐し管理運営にあたっています。

山頂班は、「業務日報」に当日の業務内容、トラブル、問題点、特記事項などを記載し、翌朝までにはクラウドを利用したグループウェアを使って報告。御殿場基地班(御殿場市内)、事務局(東京都千代田区)、そして本NPOの運営委員(理事)等、運営に関わる地上の関係者が山頂で起きている日々の情報を共有しているのです。

この記録は、現在は電子化されたままでもアーカイブ化されています。これからも夏の2ヶ月間だけとはいえ標高4千㍍級の富士山頂の有人管理の貴重な記録として、業務日報を次代に残していくことは我々の責務であると、今回の記事を読んで改めて考え直させられました。

(広報委員会)

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2020年11/27(金)14:00より
「ELTRESが切り開いた新時代の富士山火山噴火監視」
鴨川事務局長がオンライン講演しました。

   ELTRES™ とは??
IoTネットワークにご利用いただける新しいLPWA(Low Power Wide Area)の無線通信規格です。
長距離安定通信、高速移動体通信、低消費電力という3つの大きな特徴を活かして、
様々なセンサーで取得した情報を広範囲に効率よく収集することができ、
新たなユースケースにもご利用いただけます。
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鴨川事務局長(静岡県立大学)と加藤理事(東京都立大学)の
ELTRESを使用した富士山測候所での研究について講演しました。

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講演中の鴨川事務局長。

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自己紹介から始まり、
富士山測候所の活用意義、運営危機状況、
また
富士山頂という同じフィールドで
研究が
学問の垣根を越えて活動している団体、当NPOについてわかりやすく説明しました。

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ここからが
今回の講演の主題、

ELTRESを使用した富士山測候所での研究を説明。


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富士山に登らなくても
昨年、富士山頂に設置した高精度ライブカメラの映像を
自宅から見ることが可能に!!

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冬になると電力供給ができずに困っていたところ
非常に低電力なELTRES(単1の電池6本で運用)を活用することで
過酷な環境の富士山頂からでも

通年、火山性ガスのデータを送り続ける事が出来たことを実証!!

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2019年8月に
ELTRESを使って富士山頂で地磁気測定をしたところ
データがしっかり取れたことや、


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(今年は富士山頂はコロナ禍で実験ができなかったので)
2020年10月には
太郎坊での地磁気観測に成功したことも
紹介しました。


最後に
ELTRESが地球科学計測にもたらす貢献度が大きいと
話しました。

わかりやすい説明かつ内容盛り沢山で
来年度以降の研究が、益々楽しみとなる講演でした。

(広報委員会)





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2021年2月28日 13時00分~15時30分
「静岡で知っておきたい地震と火山と防災」
主催:静岡県立大学グローバル地域センター、共催:東海大学海洋研究所
オンライン配信されました。

この講座で、長尾理事と鴨川専務理事が講演しました。
講 演 1 「自然災害と感染症の複合災害にどう備える?」
  東海大学海洋研究所 教授 長尾年恭

講 演 2 「静岡で気をつけるべき自然災害」
  グローバル地域センター 特任准教授 鴨川仁

対 談 「台所にあるモノが、家族の危機を救う!」
  イラストレーター/防災士 草野かおる
  出版プロデュース/編集者 山田洋子

全体討論  コーディネーター 
  グローバル地域センター 特任准教授 楠城一嘉

聴講は、静岡県在中・在勤でなくても
OKとのことで参加申し込みをして聞いてみました。


とても役に立つ情報満載の講演を聞くことが出来ました。

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本NPOの会員でもある
お馴染みの楠城先生の名司会で
長尾理事、鴨川理事の講演が行われました。

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長尾理事の講演は、地震予知の話。

ミュンヘンの保険会社の査定において
日本で飛びぬけてリスクの高いのは
東京と横浜である現実・・・。

地震の複合災害
ブラックアウト(10割停電)と関連して・・
火力発電所は自力だけでは発電を復帰できない。

仮にブラックアウトしてしまった場合、
東京電力管内では火力発電所を再稼働させるため、
小規模の水力発電所→大きな水力発電所→火力発電所と
順次稼働させて発電量を増やしていかないと
火力発電所は単独では稼働できない。

上記の理由から
ブラックアウトから復旧するためだけでも
東京電力管内では数日間は掛かる・・・
(※ 発電所の被害がない場合を想定。)

・・など「案外知られていない」知識が一杯。

防災関係者の方は
映画「シン・ゴジラ」を是非の防災映画としてみて欲しい!!
(官邸やトップの初動の混乱は、まさにリアルで役に立つ!!」)
など、話題満載の講演でした。

最後に・・・
地震や津波について正しい知識を持って欲しいとのことでした。


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コロナ禍においての避難についてなどのお話もされました。



続いて、鴨川理事の講演。
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①津波について
津波予報のやり方と限界、家庭津波観測網から駿河湾が抜けていること、など。

②火山噴火について
宝永火山と宝永地震、地磁気連続観測を太郎坊で昨年始めたことなど。

③極端気象について
原因の一つが積乱雲(雷雲)で、近年雷も増えていることなど・・、

盛りだくさんのお話の上に、
尾池和夫先生を中心とした「地震火山予報士」の設立へ向けての動画もあり、
内容の濃い講演でした。

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鴨川理事の講演の中にはNPOの活動も含まれていました。

後半は
イラストレーター草野かおる氏と編集者山田洋子氏の対談。

災害時の冷蔵庫の中身の利用や、携帯トイレの使い方など
聞いていると多くのの部分が、
富士山頂での研究者たちの生活と
あまり変わらないような気もしました。

若しかしたら、
富士山測候所で研究すると、
非常時に強くなるかもしれないですね。

コロナ感染対策を加味した災害時の対応は、
今年の富士山頂の観測にも応用できるのではないかと思いました。

日曜日の午後の講演で健闘された長尾理事と鴨川事務局長お疲れ様でした。


(広報委員会)





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