太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 スタッフブログ

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6月7日読売新聞鹿児島版。「自然災害に挑む日本の先端科学 富士山頂における雷研究」と題して鴨川仁・東京学芸大学准教授への取材記事が掲載された。

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これはいつも山頂で共同研究をしている音羽電機工業さんの広告入りの記事ですが、 鴨川先生のインタビューは「富士山頂で雷の研究をされていますが、どのような研究ですか」に始まり、「これまでにどういうことがわかったのですか」「地震観測・津波観測にも取り組んでいますが雷とどう関係があるのですか」など、突っ込んだ科学的な内容になっています。

いまや全国区となった富士山測候所を活用する会。
草の根の広報活動は場所も時間を選びません。全国、全世界、いつでもどこでも、富士山測候所を活用した研究の意義を訴え続けます。

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音羽電機工業さんと云えば、雷写真コンテストを行っています。夏の雷撮影なら富士山頂が絶好の場所?皆さんも富士山頂で100万円ゲットをしてみませんか。




認定NPO法人富士山測候所を活用する会は、ご存知の通り、研究者、教育関係者などに旧測候所を研究、教育の場として提供するために設立されており、すでに10年を超える実績を残しています。

今年の山頂の観測活動への参加グループ数は、活動開始当初の3倍を超えるところまできており、その活動は年々拡大し、活発になってきています。「インフラを提供すること」が活動の目的であったNPO法人から、「自ら研究・教育も行う機関」へと変身を遂げようとしています。

教育機関としての実例を示しますと、2017年度は成蹊中学・高校宮下敦教諭(現・成蹊大学理工学部教授)と地学部生徒との山頂・成蹊高校インタラクティブレクチャー、社会に向けた環境科学の最前線レクチャーYouTube動画配信など着々と実績をあげており、今年もこれらの企画は予定されています。

立教新座中学校・高校の古田豊先生(現ガリレオ工房)の長年に渡る教材開発は、2015年度笹川科学研究奨励賞など実績は外部においても評価されています。

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 2017年度成果報告会での古田先生の成果発表。データ解析した高校生5人も発表に参加

先日、日本地球惑星連合2018年大会(JpGU2018)の前日となる5月19 日に、全国の高校有志から構成される高高度発光放電現象(スプライト、エルブス、巨大ジェットなど)の研究会が、高知工科大学東京教室で開催されました。10年以上にも渡るこの研究会は、数多くの卒業生を輩出しており、開催場所が東京であったためOB・OGの参加もあり、大いに盛り上がりました。

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 静岡県立磐田南高校の斎須さんの発表。次の日のJpGU高校生ポスター発表に向けた発表でした

そのOBの一人として、富士山でのスプライト成果を元にJpGU2017で高校生によるポスター発表優秀賞を受賞した橋本恵一さん(当時静岡県立磐田南高校生。現在東京大学1年生)も参加していました。
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 研究会での橋本さんの後輩へ向けたスピーチ

その話とは別に、東京理科大学三浦和彦教授(本NPO事務局長)のJST高校生受け入れプログラムに参加し、太郎坊データでの研究成果を日本大気電気学会で発表し、国際地学オリンピックにおいても銀メダルを受賞した海城高校生の越田勇気さんも橋本さんと同じ東京大学で肩を並べて勉学に励んでいます。

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 越田さんの日本大気電気学会での発表


このように本NPOは、高等学校とは異なる新たな教育機関としての役割も果たし始めたことを示していると思います。

もうひとつご紹介したいことがあります。上記研究会には磐田南高校からもう一人、OGの伊藤有羽さんが参加していました。

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 研究会では伊藤さんも後輩へ向けてスピーチ

彼女は高校時代にエルブスの縞構造などをテーマに研究し、 JpGUにて発表しています。 また、スプライトのハローのテーマでは海外の学会でも発表し、それをきっかけに今はカナダのブリティシュ・ コロンビア大学で学んでいます。

今は大学生最後の夏休み、大好きな富士山の近くで何かがしたいと、地元の富士に戻り、お洒落な宿泊施設「ふじロッジ」の運営を始めたとのこと。

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 ふじロッジは、もともと会社の保養所だった建物を使ってオープンした民泊

彼女は、今年も何回か富士山に登るとのこと。学芸大スプライトサブチームは、 彼女がテーマとしていたエルブスのリングの縞模様を観測するプロ ジェクトを今年度から始めることもあり、彼女も観測に参加を希望しています。

こういったところの縁ができるのも「富士山」を介した人と人との繋がりと、そして、共に成長できる教育機関の一面も有するようになった「富士山測候所を活用する会」の魅力ではないでしょうか。次々と若い世代が育っていきます。
(学術科学委員長・鴨川仁)







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6月最初の日曜日は昨年に続いて、NPOにとっては忙しい一日となりました。14時からNPO法人の定時総会、15時から特別講演会があるこの日の午前中に、今年の夏の観測に参加するグループのキックオフ・ミーティングを設定しているからです。

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10時から始まるミーティングには京都や静岡からの方々を含め40名を超える夏期観測参加予定者が集まり、熱気にあふれていました。

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初めて顔を合わせるメンバーもいることから、鴨川学術科学委員長の司会で、各自の自己紹介に始まり、パワーポインを使って「2018年7月1日から8月31日までの62日間」の注意事項やらお願い事項の説明がありました。

観測日程に始まり、利用手続き、生活一般、御殿場基地(今年はまだ決まっていないのですが)、必要な連絡先、など細かい注意も含めて、1時間を超える説明でしたが、みなさん、ノートをとりながら熱心に聞き、具体的な質問もありました。


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例年のことながら、今年は特に厳しい財政事情の話もあり、PRのための写真撮影依頼、フォトコンテストなどへの協力依頼もありました。

NPOのホームページには「夏期観測2018公式サイト」のバナーも設置され、この日のミーティング資料も早速UPしてあります。そして6月4日からは関係者による山頂参加メーリングリストの運用も始まりました。

この日をもって今年の夏期観測も始まりです!過去11年、無事故で来られた「安全第一」を旨に、良い成果に向けて頑張りましょう!


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