太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 スタッフブログ

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 記事が掲載された日本気象学会の会員誌「天気」(2018年5月号)

最近発行された日本気象学会の会員誌「天気」(2018年5月号)の「情報の広場」に”『野中到・千代子資料館』をホームページにオープン”と題した土器屋由紀子理事の記事が掲載されました。

「野中到・千代子資料館」をホームページにオープン

土器屋 由紀子

まだ成層圏の存在すらわかっていなかった19世紀後半,「天気は上空から変わるのなら日本一の高山・富士山頂で観測を行えば予報ができる」と考えた野中到氏(1867~1955)は,私財を投じて山頂に気象観測のための小屋を建てて越冬観測を計画した.自ら手伝うために夫を追って登山した千代子夫人(1871~1923)との82日間の滞頂観測(1895年10~12月)は,「富士山頂」(橋本英吉,1948年)など多くの小説にも取り上げられており,その後,気象庁の富士山測候所設置の基礎となった.

筆者らは2005年に「NPO法人富士山測候所を活用する会」(理事長:畠山史郎)を結成し,気象庁より測候所の一部を借り受け,夏季に研究・教育のために開放する活動を10年以上続けている.この間,東京のNPO事務所には富士山測候所の歴史に関する問い合わせも来るようになり,必要に応じて調べていたところ,昨年(2017),到氏の孫にあたる野中 勝氏の知己を得て,その遺品などの寄贈,写真提供などを受けた.その中には「富士山巓の観象臺」への勧誘冊子(1900年)もあるが,欧米の高山研究施設(墺国ヅンブリック山,北米ワシントン山など)への言及や,気象以外の研究分野も含まれる高所研究施設としての構想は,驚くべき先見の明と言えよう.

また,この交流を通じて,歴史資料の大切さを痛感した.できる限り出典を明らかにして,広く閲覧に供するため,野中 到・千代子夫妻の記録や遺品の写真などを,遺族や関係者の許可を得てホームページ上に公開をはじめた.http://npo.fuji3776.net/museum/nonaka.html

現在のところコンテンツは以下の通りであるが,今後,情報が入り次第追加を予定している.

  • 廣瀬洋一氏の贈り物 :山岳気象研究の草分け,廣瀬 潔氏の長男洋一氏が2009年に NPOに寄贈された書籍などで,野中 到との関係も記されている.
  • 野中 勝邸訪問(2017年11月26日)
  • 「富士山」:(深田久弥編著,1940年,青木書店)廣瀬洋一氏寄贈.著作権者の了解を得られたものからアップしている.
  • 富士山巓の 観象臺
  • 野中千代子は気象学会の会員だった!?
  • 野中 到の著書:地学雑誌,気象集誌などから許可を得てダウンロードした pdf
  • 野中 到・千代子がモデルになった小説など
ご意見や新しい情報など歓迎する.

ー「天気」(2018年5月号)の「情報の広場」 

ウェブサイト(掲載記事のPDFダウンロード)
http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2018/2018_05_0058.pdf

なお、「天気」のウェブサイトはどなたでも無料でアクセスできますので、より多くの方に多くの記事をお読みいただけるよう、「天気」編集の方からもご連絡がありました。こちらからは、記事検索→2018年(Vol.65)→No.5とクリックすると、掲載された天気Vol65,No.5の記事一覧が表示されます。
http://www.metsoc.jp/tenki/

このNPOのスタッフブログは富士山測候所の歴史に関する情報も収集しています。
みなさまのご意見、コメント、ご質問などのご投稿ををお待ちします。

(広報委員会)

開所3日目になり、本日早朝登山中の鴨川先生から8合目付近の写真が届きました。
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8合目付近から(鴨川先生撮影)

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雲海が見られます(8合目付近から、鴨川先生撮影)

山頂に上った鴨川先生からは、まず「馬の背が荒れてコンクリートがめくれている」とのメールが来ました。昨年9月以降の登山者や早い雪解けで、去年の整備したものが流れてしまったのが原因と思われていますが、このままでは物資の輸送が滞るだけではなく、登山者にとっても危険で、山頂班も心配しています。早急の対策が必要です。

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1号庁舎外側で作業が始まっています(山頂班提供)



今日は雲海がありましたが、昨日は御殿場5合目からは雲一つない山頂が望めました。
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7月2日御殿場口5合目の駐車場から(事務局増田さん撮影)

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太郎坊では大量の荷物の積み込みがありました。(7月2日、事務局増田さん撮影)

(広報委員会)




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  測候所の屋根をカラフルに彩る標高3776㍍の布団干し

川原、横山両班長、増本、澤田両班員の4名が本日9時30分に山頂に到着、大胡田電気主任技術者が商用電源を投入して通電を開始。今年の富士山測候所は、無事開所を迎えました。

一昨日の6月29日、例年よりも22日も早く気象庁が関東甲信地方の梅雨明けを宣言。いつも開所の頃は雨と相場が決まっていて、太郎坊まで行ったが土砂降りの雨でその日の登山を中止、開所が一日遅れとなったこともありました。4年前に7月1日に早期開設をするようになってから、梅雨明け後に開所を迎えるのはもちろん初めてのことです。まるで、この日を待っていたかのような開所日和となりました。

山頂から第一報の写真が届きました。
山頂は微風快晴、開所日和とのことです。まずは、先日悪天候のためできなかった布団干し。標高3776㍍の屋根の上に布団を並べて干している様子は、あまり見たことがない珍しい光景です。

一方、ブルの出発基地である標高1400㍍の太郎坊では、午後からは、明日の荷上げに備えて、大量の機材の計量とブルへの荷積みが行われています。

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 太郎坊ももちろん梅雨明け

いよいよこれから12年目になる2018年の山頂の研究教育活動が始まります。山頂を利用できるのは8月末までの60日間弱の限られた期間ですが、それぞれ最大限に活用して所期の成果を上げていただきたいと願っています。

なお、今年は先日大きい落石などがあった測候所手前の最後の急勾配斜面・馬の背のコンディションはあまり良くないそうです。この落石は、ブルの伊倉さんが早朝から頑張って撤去して下さったので上ることができたとのことです。

気流の状態が悪くてヘリコプターが使えない富士山では、大きい物品の運搬はすべてブルに頼っています。NPOの研究・教育活動も偏にこのような影のサポーターのおかげで実行されてます。

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夏期観測2018については、詳しくはホームページの夏季観測公式サイトをご覧ください。
https://npofuji3776.jimdo.com/
研究テーマやハイライト研究についてはニュースリリースも併せてご覧ください。
http://npo.fuji3776.net/document/20180627news.pdf

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  馬の背の最近の様子(2018年6月26日、岩崎洋山頂班長撮影)

開所後の写真は今後、このブログやフェイスブック、インスタなどに入れますのでご注目を!!

(広報委員会)

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