太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 スタッフブログ

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 成果の発表をする筆者

2018年、認定NPO法人 富士山測候所を活用する会は、WNI気象文化創造センターから気象文化大賞」(テーマ:富士山頂から地球環境問題の最先端を発信する)を受賞しました。

その成果報告会が6月8日(土)の午後、ウェザーニュース(Weathernews Inc.: WNI)の所有する先代の南極観測船「SHIRASE」の士官開催され、この4月に発足した富士山環境研究センターから、私が参加して成果を報告して参りました。

WNI気象文化創造センターの理事、気象文化大賞選考委員の皆さまを前にしたプレゼンでは、
を紹介して、感謝の意を示しました。  
ブログ用スライド

私事ですが、私は第48次日本南極地域観測隊員として、2008年、「SHIRARE」(当時は「しらせ」)の最後の航海に乗船しておりました。こういった形で再び乗船する機会をいただくとは思ってもいませんでした。

しらせ
 往年の南極観測船「しらせ」(WNI気象文化センターHPのより)

なんとか大役を務めさせていただきました。が、これはこの1年間の成果です。早く、新生「富士山環境研究センター」から、自分の成果を出したいものです。

 指定された時間は3分間。短い時間と、表紙を含めて3枚のスライドで、富士山において本NPOができること、やってきたことをどのように語るべきか、往路の電車の中まで鴨川学術科学委員長と相談しておりました。

(富士山環境研究センター 第一研究部 特任研究員 源 泰拓)


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 小野澤玲奈アナ(当時)と筆者(左)

私達のNPO法人は研究者・教育関係者・企業等が集まっている団体であり、旧富士山測候所を用いた研究インフラを希望者に提供することをミッションとしていますが、今年から新たに「富士山環境センター」を立ち上げました。蓄積されたリソース・知見を活かし、自ら研究・教育をする団体にステップアップし、さらに社会に貢献して行こうというものです。

われわれのように公的補助なしで運営を行う団体にとっては、いかにしてその活動を世間に知っていただくかということは、組織の維持・活性化をはかるうえで極めて重要です。われわれもSNSやブログなどでも日々の活動をフォローして発信することを心がけていますが、メディアに取り上げていただく取材記事は、それとは比較にならないインパクトをもっているため、取材には全面的に協力させていただいています。

しかしながら、取材の場所が活動の最前線の標高4千㍍近い富士山頂となれば、物事は簡単ではありません。不順な天候、撮影機材の運搬、高山病など、多くの課題を抱えているため事前に入念な打ち合わせが必要となります。通常の取材と比べ何倍も手がかかる取材をしてくださったメディアの方々には、感謝してもしきれない思いです。

これまで受けた取材の中でも特に印象に残っているのが、2017年夏、富士山頂で撮影された静岡第一テレビ『News Every しずおか』の特集番組です。このときに取材にあたられたのが小野澤玲奈アナウンサー(当時)でした。

小野澤さんは、今年の3月一杯まで静岡第一テレビで8年間アナウンサーをしておられました。彼女は用意された原稿を読みニュースを伝えていくアナウンサーとは一線を画すところがあり、いかに発信すべきかをゼロから作り上げるディレクターでもあり、ジャーナリストでもあります。

この番組の取材依頼のアポをしてきた小野澤さんは、研究グループの科学的背景も勉強したいということで、グループの取りまとめをしているわたしが静岡に出張している合間に出張先まで訪ねてこられ、なんと90分間ものレクチャーを受けました。

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出張先での取材。リケジョでもある小野澤さんからは鋭い質問が(画質が悪いのは研究仲間のカメラ設定ミスのためお許しを)

その後すぐに、小野澤さんは休日を使って富士宮新7合目までの登山練習と高所順応を自ら行ったそうです。当日は取材クルーとともに山頂に出向き、山頂で2日間取材をして下さいました。

このときの取材クルーは、小野澤さんの想いを活かしきるディレクター、アスリート並の体力を持つカメラマン、そして当日は照明を担当されていたマルチな技術力のあるスタッフで構成。撮影中もこれらのスタッフから容赦ない質問が飛び交い、わたしにも「最高の取材をしよう」というスタッフの方々の意気込みがひしひしと伝わってきました。

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 NPOが山頂に設置しているライブカメラに写っていた取材シーン

山頂にもかかわらずギリギリまでこだわり抜いた撮影。取材直後の編集作業においても、わたしはたまたま当時バリ島に滞在して国際学会の真っ最中でしたが、確認のための国際電話が何度もかかってきました。

出来上がった映像は、静岡県民なら誰もが知っている夕方のニュース番組『News Every しずおか』の中で特集番組として放映されました。当初1回の予定であったこの特集は、1回では伝えたいことが伝えきれなかったとのことで2日に分けて放送されました。その練りに練られた内容は、いまでもわれわれの富士山頂での研究を伝えてくれる貴重な映像資料ともいえるものです。

小野澤さんが静岡第一テレビのアナウンサーとしての最後の日、その思いがブログの記事として書かれておりました。その中に「富士山頂での最先端の研究を取材したこと」をとり上げてくださり、感謝の気持ちを伝えたく今回の筆をとった次第です。

4月から報道部の記者に異動。報道をゼロからスタートさせ完走させてしまう小野澤さんならば、水を得た魚のようにさらに本領を発揮され、社会を変えていく発信をしていくに違いありません。

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 レクチャー後の研究仲間とランチを食べにいったら偶然!?小野澤さんとお店でばったり; 当時の小野澤アナウンサーブログには、番組放映前だったためこの写真は掲載できなかったとのことで、ここにて掲載(を許していただきたいと思います)。

学術科学委員長・鴨川仁

2019年の富士山頂の研究のキックオフミーティングが6月2日(日)、10時から東京理科大学1号館134号室で行なわれました。

作成したプリント30枚が不足してしまったり、準備不足の突貫工事の感がぬぐえない集まりでしたが、即製のスライドに「熱意」で味付けをした説明を、鴨川・学術科学委員長が行い、参加者からは昨年同様、各自自分の仕事の実現を目指した、質問があり、短い時間ですが、充実した集まりになりました。なおこの集まりは録画されており、後日個人情報などをのぞいて編集し、会員限定ページなどに公開を考えています。遠方で今回参加できなかった方や、初めての方に見て頂ければと思います。

いよいよ今年の山頂研究のキックオフです!

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 スライドを使って説明する鴨川仁・学術科学委員長

 午後にはまず総会があり、今回は不在の会長に替わって理事長の挨拶、前年度経過、今年度計画に続き、第4期の契約更新を行った今後5年間の旧測候所利用を目指した「中期計画」の報告など盛りだくさんの議題でした。最後に理事長より報告があり、組織の若返りを目的に、事務局長が三浦和彦・東京理科大教授から鴨川仁・静岡県立大学特任准教授へとバトンタッチが行われました。なお、三浦先生は副理事長になられました。

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 第14回通常総会で説明する畠山史郎理事長

15時からは、恒例の特別講演会でした。今年は先日ブログでも紹介しましたが、ブラタモリでおなじみの小山真人先生で、超多忙なスケジュールを調整してのご講演、分かりやすく楽しい話をしてくださり、今まで、表面だけを見ていた富士火山がこんなに素晴らしい魅力に満ちた内部構造を持つということを再発見しました。

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小山真人静岡大学教授の特別講演

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 講演会では熱心な質問や討論が


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           割引で販売して頂いたご著書も完売しました

 ただ、折角のお話なのに、こちらの準備不足で聴衆が少なかったことが残念でした。広報活動の不手際を深く反省しています。
 しかし、講演を聞いた幸運な人たちにとっては心に残る「富士火山」像で、山梨大の鳥養映子名誉教授の今後の観測につながる具体的な質問もあり、この特別講演会の成果が将来生かされることを期待しています。


(広報委員会)





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