太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

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          報知新聞・1896年(明治29年) 3月6日「富士山巓の概況」
資料は、当時の新聞コピーで、野中至が冬の富士山の状況を調べるために1896年(明治28年)1月、2月という厳冬期に富士山に登った記録を伝える新聞記事コピーです。日本山岳会の『覆刻 解題』に書くために40年ほど前に国会図書館で調べたもので、国会図書館では当時の新聞はマイクロフィルムになっていて、それをどこに何が書いてあるのか、わからない、という状態のなかで探し出して該当箇所のコピーを頼む、という汗みどろの作業の結果のものです。
新田次郎の小説『芙蓉の人』では、至のこの冬富士調査を「この事実を報道した新聞はなかった」とされていますが、実際には実態に即応して新聞が状況報告をしているのです。『芙蓉の人』は文芸作品であって、フィクションがありますから、それを歴史資料(史料)として扱うのは適当ではないという一つの典型的な例です。
今後、至の事績を調べる人が、わたしの40年前の苦労しなくてもいいように、このコピーを事務所で保管していただきたい、誰もが見られる状態にしておいていただきたい、というのがわたしの願いです。
(大森久雄氏談)
芙蓉日記の会もコロナ禍でなかなか集まる機会がとれなかったのですが、11月20日(土)NPOの新しい事務所に初めて3人が集まり、Zoom遠隔で3人が加わり、あわせて6人で久しぶりに打ち合わせ。少人数でしたが、実りの多い集まりになりました。

実は、昨年新たに発見された資料の情報を野中様からいただいていたのですが、その翻字などにも時間がかかり、この日まで公開は延び延びになっていました。今回の打合せでその公開方法を含め初めてホームページに掲載することを決め、先日11月21日に公開したものです。



この資料は中央気象台長から野中至に宛てた1896年(明治29年)9月4日付けの文書です。当時、野中は山頂安河原で通称「野中小屋」という木造建物を建てその耐久性などを実験していたそうですが、中央気象台が第2次極年観測にあたり、この建物を借用させてもらいたいという内容の文書で、当時の中央気象台の動きを裏付ける大変貴重な資料とも言えます。

野中至は気象台長からの申し出に対し返信をしたのですが、今回見つかったのはその返信の「本書」ではなく、自筆の返信の控え文書や「野中小屋」の略式平面図のメモで、今回はこれらを一括して新たにホームページで公開しました。

気第199号ABC

公開にあたっては、資料カードの書き方も上の図のように統一することにしました。
  • A:原本の画像(一切触らない)
  • B:翻字, 原本Aと同じ体裁 (縦書きのまま主筆は赤色) にしたもので漢字は旧漢字のまま
  • C:資料名, 読みなど、(横書き、主筆は赤色) とし, 漢字は新漢字に変換
しかし、今回の集まりのもう一つの収穫は、何と言っても冒頭の写真にある資料です。研究会の長老・大森久雄氏(NPO会員) が「汗みどろ」になって探し当てたという野中至の厳冬期の登山の様子を伝えるいまから125年前の新聞記事のコピーで、百枚以上もあります。

芙蓉日記の会はこの貴重な資料をデジタル化して整備するとともに、NPOの事務局内に原本も保管する場所を確保し、大森氏の言われるように「野中至(到)・千代子に関することなら、本NPOに聞けば正しいことがわかる」ようにすることを目指したいと思っております。
(芙蓉日記の会)







芙蓉日記の会は認定NPO法人富士山測候所を活用する会の中の同好会です。2019年に発足し
を運営しています。

認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは
2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かかるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)のです。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

無題
2021年2月21日放送、NHK Eテレ サイエンスZERO のWebより

2021年12月26日(日)23時半~
2022年1月8日(土)11時~

NHK Eテレ「サイエンスZERO “科学する心”を伝えたい」
~超巨大雷スーパーボルト!謎の“対消滅”を追え~

が2回、再放送されます。

この番組には、鴨川事務局長が出演しています。


 「超巨大雷スーパーボルト!謎の“対消滅”を追え」

超巨大雷「スーパーボルト」が引き起こす驚天動地のサイエンスに迫る。冬の日本海は、小型核兵器にも迫るパワーを持つ冬の雷が発生する世界的ホットスポット。その雷雲の中で、原子が次々と別の原子に変身!さらに、物質がこの宇宙から忽然と消え去る「対消滅」という超常現象が起きていることが発見された。一体、何が起きているのか?市民も協力した大観測プロジェクトに密着!4Kハイスピード撮影で物理学最大級のナゾに迫る。
   番組HPより

無題
NHK Eテレ サイエンスZERO の公式Twitterより


鴨川事務局長は
冬季雷の解説、高校生スプライトコミュニティーの解説

年末年始、見ることができます。
お見逃しなく

(広報委員会)



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また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
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しかしながら、資金面に関しては、
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そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
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今回のブログは、富士山環境研究センターの源特任研究員がお届けします。

コロナ禍でさまざまな学会・研究集会がオンライン開催になっています。学会の醍醐味は、発表の合間や懇親会の席での議論にある…と私は思っています。探していたデータがあっさり見つかったり、共同観測の話が持ち上がったり、大事な論文を紹介してもらったり…こういった機会を見つけるのは、リモートではなかなかむつかしいのですが、一方で、旅費やスケジュール調整の苦労をせずに国内外の学会に参加できるのは、オンライン開催のメリットと言えるでしょう。

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CTR Wilson Meetingにおける発表の様子。一番上が筆者、上から3番目が藤原さん。


11月18日の、日本時間の夕方から夜に、英国CTR Wilson Institute for Atmospheric Electricityが主催する研究集会が開催されました。この研究機関は、1927年にノーベル物理学賞を受賞したCharles Thomson Rees Wilsonを記念して2013年に設立されたもので、大気電気にかかわる研究については世界でも有数の場です。
大気電気学の研究者はたくさんいます…とは言えないなかで、ここで開催される研究集会は最先端の研究発表を聞く・発表する貴重な機会です。

この研究集会に、当NPOの鴨川専務理事と筆者、そして12月から特任研究員として富士山環境研究センターに加わる藤原博伸さんが参加しました。藤原さんは高校で物理を教える傍ら、早稲田大学の大学院博士課程で雷活動にかかわる研究を続けています。今回は、今年10月に英文誌Journal of Atmospheric Electricityに受理された"Difference between lightning activities in thunderstorm cells with and without hailfall in western Tokyo"(東京西部における、降雹のある雷雨セルと降雹のない雷雨セルの雷活動の違い)に関する発表をしました。

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少人数のオンラインミーティング。左上が藤原さん、その右が筆者、左列上から2番目が鴨川専務理事。


休憩時間には、メインのZoomのほかに設けられたオンラインミーティングルームで少人数での議論ができるようになっていました。リモートで英語の議論をするのは、わかってもらえているのか確認したりするのが難しいところもありますが、このご時世では贅沢を言ってられません。

なお、筆者は、同じ日の午前中に国立極地研究所が主催する極域科学シンポジウムにもオンラインで参加しました。夜のCTR Wilson meeting とあわせて2回の英語講演はなかなかにハードでしたが、同じ日に国内と海外の研究集会をハシゴする・・・というのは、オンラインならではの経験と言えるでしょう。でも、まあ、深夜1時ごろに英国のプログラムが終わった時にはさすがに疲弊していました。

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11月18日午前、極域科学シンポジウムにおける筆者(右下の写真)の発表の様子。


新たに気鋭の研究者を迎えて、富士山環境研究センターとしては成果を論文で公表し、それを基に競争的研究資金を得るというサイクルをどんどん回していきたいと思うところです。 

(富士山環境研究センター・源泰拓:プロフィールはこちら




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