太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 スタッフブログ


御殿場が開所の翌々日の6月19日から、川原庸照班長、横山勝丘班長による山頂での開所準備が始まっています。

馬の背上部


馬の背上部の雪は今年は少なめです。(6月19日、山頂班撮影)

1号庁1階屋根部分

1号庁舎屋根

一号庁舎屋根からお鉢を望む30%

1号庁舎屋根からお鉢を望む(6月21日)

庁舎の間の雪は固く凍りついて除去が大変です

庁舎の間の雪は固く凍っています。電動鋸なども動員しての除雪は大変な作業です。

除雪作業

  除雪作業(6月21日)

山頂は雪が降った(6月23日)30%

6月23日山頂は吹雪だったとのことです。6月22日からは増本亮班員、千田敦司班員も加わりました。

除雪作業をする増本班員30%

測風塔下、西側で除雪作業をする増本さん(6月23日)

 (広報委員会)

gotenba4
八畳間のカーテンを開けると巨大な富士山が・・・


今年の夏季山頂観測に向けて、御殿場市内のアパートを借りて事務所にする御殿場基地が、山頂班2名を迎えて、6月17日オープンしました。高速御殿場インターから5分のモン・ソレイユの2階です。名前の通り陽当たりが良く、風もよく通る、やや小型の4DKです。

地図、間取りなど詳しくは「夏季観測2018公式サイト>御殿場基地情報」をご覧ください。

180617御殿場1

アパートの前は駐車場。ここに1台、 裏の駐車場に2台とめることができます。


御殿場2

台所は70年代の団地サイズですが、快適です。

御殿場3

玄関隣の八畳の和室、ベランダからは広い駐車場が見えます。

夏の間、富士山測候所を利用する皆さんの登山基地として、有効に使っていただきたいものです。

(広報委員会)


前回のブログ「宇宙誕生の歴史の倍の時間で1秒の狂い!?・・・・」の香取先生のお話の枕に「伊能忠敬の測量への言及」と書きましたが、伊能忠敬没後200年に当たる今年、いろいろな会合が開かれています。その一つの「測量協力者顕彰大会」に、たまたま出席したご縁でいただいたのがこの写真です。

伊能圖_富士山20%

伊能忠敬研究会に、写真や情報の本NPOでの使用について問い合わせたところ、研究会事務局の戸村茂昭様から懇切なメールを頂きました。ここでその内容を含めて伊能忠敬の「富士山の測量」についてご紹介します。

戸村氏によると、「上の地図は美的な価値としては意味があっても、 伊能測量の科学的な価値の評価の点では片手落ち」だと言われる恐れがあるとのことです。(なお、この絵の頂上の位置は地図としての富士山の頂上の位置とのことです)

先日(6月6日)のNHK 総合TV 「歴史秘話ヒストリア」の中でも紹介されていましたが、伊能図には縮尺によって大図と、それを編集・縮小した中図、小図の3種類があります。

「大図」(1:36,000、214枚):山岳などは絵画風に描写されている。記号の利用は少ない。
「中図」(1:216,000、8枚) :記号が多く用いられている。
「小図」(1:432,000、3枚):   同上
(鈴木純子、「伊能図の世界」、「伊能忠敬日本列島を測る(前篇)」p30-38、伊能忠敬研究会、2018)

今回頂いた上の写真は大図の一部からのものとのことです。

「中図」によると、「大図」では分からなかった新たな2つの視点が顕著に現れていると戸村氏は指摘されます。(1)朱色の測線が富士山の周りをグルリと一周している。これは、廻り検知という方法を実践した証拠。(「廻り検知」とは、測量しながら、ぐるりとまわって最初の地点に戻った時、最初の測定値と比較して誤差を確認する方法)
 (2)富士山の頂上から沢山の方位線が放射状に描かれているという点。 これは、伊能測量の羅針として、天空は北極(緯度の羅針)としたのに対し、 地上では富士山(方位の羅針)とした証拠。
http://www.inopedia.tokyo/02dataRm/region/06/

このように、伊能測量隊にとって、広範囲の地点から見通せる高い山である富士山は方位の目安として、多くの場所から測定されています。史料「山島方位記」にもそのことが書かれております。また、高さについても、

 西倉沢村からの測定で、3732.72m、 吉原宿からの測定で、3660.00m

等の現在の値(3776m)と非常に近い値が示されていることに驚きます。

これらの値は、下図に示す原理を用いて仰角の精密な測定を行い、換算されたものです。 また、戸村氏によると「富士山の方位は頂上・剣ヶ峰一点だけでなく、「右」「中」「左」の三点迄区別した方位を測っている」とのことです。伊能測量隊の技術と、絶え間ない精度向上の努力を物語っています。

fujisannotakasa
(戸村茂昭、「富士山の高さを伊能測量ではどのように求めたのだろうか?」、伊能忠敬研究 74 号、6-8、 2014 )

伊能図についての興味は尽きませんが、伊能忠敬研究会のホームページに、富士山だけでなく日本各地の詳細なデータがありますので興味のある方は是非ご覧ください。
http://www.inopedia.tokyo/02dataRm/region/05/
http://www.inoh-ken.org/

(広報委員会)
  

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