太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

今日、2月23日は富士山の日です。
山梨県と静岡県ではそれぞれ「富士山の日」として条例の制定をしています。

山梨県富士山の日条例の制定
平成10年11月に、山梨県は、富士山の豊かな自然や美しい景観について、その保護と適正な利用により後世に引き継ぐため、静岡県とともに富士山憲章を制定し、その普及定着を図る運動を推進してきました。
富士山の自然、景観及び歴史・文化を後世に引き継ぐための運動をなお一層推進するとともに、富士山の世界文化遺産登録の実現に向けて、静岡県、認定NPO法人富士山を世界遺産にする国民会議等と連携し、国民運動を盛り上げるため、山梨県富士山の日条例を制定することとしました。
山梨県ウェブサイトより
国民の財産であり、日本のシンボルである富士山は、その類まれなる美しい自然景観により、人の心を打ち、芸術や信仰を生み出してきました。
こうした偉大なる富士山を抱く静岡県において、すべての県民が富士山について学び、考え、想いを寄せ、富士山憲章の理念に基づき、後世に引き継ぐことを期する日として、2月23日を「富士山の日」とする条例を制定しました。
今後は、「富士山の日」の制定を契機として、富士山環境保全活動や富士山世界文化遺産登録等の取組に対する県民の理解を深めることなどにより、富士山を後世に引き継ぐための県民運動の促進に努めます。
静岡県ウェブサイトより
富士山の日を記念?して、認定NPO法人富士山測候所を活用する会のインスタグラムにアップした2023年の写真の中で、アクセスの多かった9点をご紹介します。

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1枚目:7月16日
山頂班の田中さんから写真が届きました。
「上山してから初めての良い天気となりました。
山頂でも暑いくらいです。
3連休の中日ということもあって山頂は賑わっています。
馬の背まで行列が続いていました。」

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2枚目:6月26日
26日11時過ぎの富士山頂の写真です。
(山頂班坂本さん撮影)

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3枚目:5月9日
岩崎班長からです。
「9日に長門、坂本の2名で庁舎周り点検をしてきました。」
「下から見て少なく見えるので、そういった意味では多いという風に書きますが…実際例年と比べてどうかと言う事になれば、まあ普通ですね。」とのことでした。

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4枚目:9月6日
岩崎班長より
「昨日(5日)の夕刻、未だ気温は高いですが山頂はすっかり秋の気配です。」
(撮影:長門敬明班長)

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5枚目:8月6日山頂班田中暁さんより
「昨日(8月5日)の日没前頃に綺麗な光の影?が出ていました。」

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6枚目:2月23日
富士山の日です。
写真は2022年10月31日、鴨川専務理事、JAL九州便から撮影
「気流の関係で、高度を6.1kmまで下げて雲の下を飛行していた為、富士山測候所まできれいに見えています。」

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7枚目:9月2日
登山中の雷撤収チーム村田さんからです。
「今日はちょっと遅めに登り始めて新7合目です。登山者は多いです。」
「山頂は結構賑わっています。」

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8枚目:7月4日
山頂班からです。
「雪というよりは霰のようなものかと思います。今朝は0度近くまで下がりました。
昨日とのギャップがすごいですね。それでも登山者は続々上がってきています。今日も良い天気になりそうです。」

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9枚目:1月1日
事務局作成の干支のうさぎと富士山のコラージュ写真

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(広報委員会)

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 週刊現代 2024年1月13日・20日号

少し前になりますが、1月12日発売の週刊現代 2024年1月13日・20日号の表紙に長尾理事の名前が出ていました。
「M7.6能登半島地震の衝撃」と「次に危ない地域はここだ」の間の小さい文字は
「今回の地震を予測していた研究者<東海大学客員教授・長尾年恭>が明かす」
…とあります。

この記事について、内容をご紹介します。
地震予知を専門とする長尾理事は、東海大学及び静岡県立大学の客員教授として、独自の解析(「地下天気図」)に基づいて能登半島で近く大地震が起こることをメディアで発信していました、日本地震予知学会会長も務めています。

(Ⅰ) 次に大地震が起こるのはどこでしょう。
地図
1.佐渡ヶ島地震と新潟を襲う大津波
2020年の暮から能登半島の珠洲市周辺では群発地震が起きていました。その群発地震で割れ残った岩盤の存在が確認され、動く可能性があったため、1年前から能登半島内でM7クラスの地震を警戒していました。それが今回の地震です。
地震学の常識として、破壊された断層部分ではそれまでの歪みが解消されますが、その両端にはなお歪みが残ります。西側の歪みは2007年の能登半島地震でほぼ解消されてたと考えていますが、東側の佐渡ヶ島付近ではまだ大きな地震は観測されていません。そこを心配しています。
今回の地震では津波が比較的小さかったのは断層の多くが内陸にあったからですが、佐渡ヶ島付近で地震が起きると津波が発生します。

2.九州北部に見られる異常
地震学で知られている前兆現象の一つが「静穏化」つまり”嵐の前の静けさ”です。長尾理事は気象庁が毎日発表している地震データを元に、過去10年間の平均と比べて、最近1年間はどれほど地震活動が活発なのか静穏なのか解析し「地下天気図」と名付けて公表しています。ここ最近は能登半島が非常に活発化していましたが、逆に静穏化が注目されるのは九州北部地域です。大地震は静穏化が終わって半年ほどの間に起こります。同じような静穏化が、山梨県・長野県付近と鹿児島県南方海域にも見られます。

ちなみに週刊現代では詳しくは書いてありませんが、次の情報を長尾理事から提供を受けました。
特に福岡では、2005年に福岡県西方沖地震(M7.0)が発生し、震源に近い福岡市の玄界島で住宅の半数が全壊する被害となったのですが、この地域には警固断層と呼ばれる第一級の活断層が存在しており、能登半島に存在していた”断層の割れ残り”と同じ状況となっています。つまり地震学の常識として福岡市直下での大地震発生の可能性があるとの事です。

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3.東北もまだ危ない
断層の歪みが解消された地域は一般に地震が起こる可能性の低い地域です。例えば神戸はしばらく大丈夫でしょう。しかし、東日本大震災が起きた東北地方は、その最大余震がまだ来ていないと考えられるので注意が必要です。本震がM9.0だったのですが、M8クラスの余震がまだ起こっていないためです。

4.次に噴火すると言われている伊豆大島の三原山。南海トラフの巨大地震
これらもいつ起こってもおかしくないと思われています。静岡県や大阪府まで被害が及ぶおそれがあります2040年代の地震研究者は「2024年の能登半島地震は、南海トラフ巨大地震の中・長期の前兆だった」と言うはずだと長尾理事は考えています。

(Ⅱ)地震で倒れる家とマンションの見分け方(一級建築士・井上恵子氏、ホームインスペクター・田村啓氏の説明が中心です)
前回のブログ(2024年02月05日「アエラ1月22日号に長尾理事が登場」)で耐震基準について少し触れましたが、1981年以降に建てられた「新基準」の住宅でも過去に何度も地震にあったり、水害やぼや、シロアリの被害にあったものは強度が著しく低下しているものがあります。特に、木造家屋では2000年基準が存在して、「ハチイチゼロゼロ住宅」(1981年から2000年に建てられた木造家屋)は新耐震であっても、要注意です。
同じ基準でも地盤によっても違います。

耐震性は「外観」でもわかります。大きな窓、壁が少ない、吹き抜け、L字型の間取り、オーバーハング型の建物、凸凹のある建物、ピロティ型建物などは耐震性が落ちると考えられます。
自治体の補助制度などを利用して、耐震性を強化しておくことが、自分や家族の命を守るために必要です。

以上が簡単なまとめですが、災害大国日本に住む私達には他人事ではないですね。
一読をおすすめします。
(広報委員会)


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2月5日(月)
本州の南岸を進む低気圧(南岸低気圧)の影響で、関東甲信では平地でも雪が強まり、午後8時には積雪が6センチに増え、東京23区全域をはじめ関東甲信の広い範囲に大雪警報が発表されました。
東京都心で1センチ以上の雪が積もったのは2022年(2月11日に2センチを観測)以来2年ぶりで、東京23区に大雪警報が出たのは去年2月10日以来でした。

午後10時前後にかけて関東南部を中心に落雷が多く発生しました。

雷の研究をしている本NPO鴨川先生もX(旧Twitter)に以下のポストをしています。

東京都を中心にいま冬季雷が発生している。
研究者が一般的に言うような冬季雷は北陸などで発生する。
この冬季雷とよく知られる夏季雷には落雷の特徴が異なるが、今日の落雷がいわゆる冬季雷の性質を示しているかは興味があるので調べてみたい。

昨晩の東京都を中心とした冬季雷と思われる現象。
2000年以降の気象庁雷日数(雷鳴が観測された1ヶ月あたりの総日数)データを見ると1916年以降、2月に雷日数が1となる年は11回あった。
それゆえ、昨晩のはざっくり10年に1回の現象と言っても良いであろう。

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降雪とカミナリが同時に発生するのは世界的に珍しい現象だということで、多くのニュース番組などで取り上げられました。



2月6日のスーパーJチャンネル 気象予報士の今村涼子さんに解説によると

雪と雷…雪雲が夏の積乱雲なみに発達
5日のレーダーで振り返っていきたいと思います。雪や雨のレーダーで、雪がピークになった5日午後9時ごろからですが、×印(落雷)が多数あります。午後10時前後にかけて関東南部を中心に落雷が多く発生したということが分かるかと思います。紫色の雪エリアと×印が同時に表示されることは、なかなかないことで珍しい現象といえます。

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なぜ5日はこれだけ雷が発生したかというと、雪雲が夏の積乱雲なみに発達したためです。では、なぜ積乱雲なみに発達したかというと、南岸低気圧のピークが関東沖に最接近した時に重なったためです。
そこでこんなデータがあります。3Dで風の流れを表したもので見ると、関東沖の低気圧に向かって風が集まり、それが強い上昇気流になっていることを表しています。上昇気流が強いほど雲は発達します。5日の雪雲は雲頂高度1万メートル以上と、夏の積乱雲なみに発達したということになります。

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もう一つは去年から続いているのですが、海水温が高いことも水蒸気量が多くなったので、雪雲発達のエネルギーになったということが言えます。

「冬の雷」夏に比べて威力100倍の場合も
この日本海側の冬の雷、実は、夏の雷よりも怖い面があります。夏の雷と冬の雷で特徴を比較してみます。夏の雷雲と冬の雷雲を表すと、こんなに違いがあります。冬の雷雲の方が夏に比べて小さいですし、背の高さも低いです。このため、落雷の回数も冬の方が夏より少なくなります。

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ただ、この「背が低い」「落雷回数が少ない」ことが実は問題となります。
まず「背が低い」と雲の底も低いので、それだけ地面に近いわけです。そうすると落雷した時に影響が大きくなります。
「落雷の回数が少ない」と何が起きるかというと、一度雷が発生した時に、その1回にエネルギーが集中してしまいます。ですので、冬の雷というのは「一発雷(いっぱつらい)」とも呼ばれたりして、夏の雷の100倍以上にもエネルギーが達することもあります。
過去にも飛行機事故が起きたり、火災が発生したりしています。ですから冬の雷は侮れない、そういう一面があるわけです。
スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年2月6日放送より

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上記のニュースの情報によれば、雲頂高度が10 km程度になっており、冬季雷を生じさせる雷雲にしては、高度が高く、さながら夏季の雷雲のようだ。
また発生領域も、冬季雷を生じさせる雷雲のような広域さはなく、夏季雷雲のサイズ程度といってもよいであろう。
いまある情報から推察すると、夏季と冬季の落雷の性質が混在したような特徴を持つと予想される。
今後、落雷データ、レーダーデータで詳細な解析をすれば、この予想は示すことができると思われる。



(広報委員会)
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