カルチャーラジオ「科学と人間」。
第7回の今日は「自由対流圏」というテーマで、お話は江戸川大学名誉教授の土器屋由紀子さんです。
テキストをお持ちの方は、どうぞお手元にご用意ください。

ゆったりとした渋い男声の番組冒頭の語りで始まるラジオ第2放送のカルチャー講座「科学と人間」。4月からはじまった土器屋理事による「水と大気の科学―富士山頂の観測から」は、週1回のペースで順調に滑りだし、はや中盤に入った。

先週5月9日(金)の第7回「自由対流圏」では、いよいよ富士山が登場。富士山が観測地点としていかに優れているか、富士山測候所の80年の歴史の中で無人化により取り潰しの危機にあったときに、大気化学の研究者が中心になってNPO法人を立ち上げ、いまは「新しい研究施設」と評価されるまでに至った経緯などが語られる。

P1040401x

そして、次回5月16日(金)の放送からは「富士山頂での観測(第8回)」、「観測データが語ること(第9回)」、「4000mの観測タワー(第10回)」と富士山測候所の運営の苦労話からはじまり、山頂で展開されている研究内容の紹介がつづく。富士山測候所を活用する会のことを知っていただくのには恰好の放送になりそうだ。

ところで、番組はもうすべて収録済みと思いきや、実はオンエアと平行しながらまだ行っている。火曜日の午後、青山文化センターで行われている収録では、一度に2回分、すなわち30分+30分の計1時間分の放送を吹き込んでいる。

30分キッチリで放送するためには、それ以上の時間をかけて録音し、後で編集しているのだそうだ。目の前に関係者以外誰もいないところでテキストだけで講義をするのは、当初はかなり戸惑いもあったとか。昨日(5月13日)は、3回分収録の強行軍だった。外を通る救急車の音を気にしながら、慣れない科学用語にもめげずに頑張ったマイク担当の若い女性の笑顔に救われた3時間だったという。

番組の収録も、残すは6月第3週、第4週にオンエアされる2回分となった。そして、この連続放送が終わる頃には富士山測候所も開所を迎え、約2ヶ月間にわたる今年の夏期観測がスタートする。


※なお、この放送を聞いた方々や知り合いから有難い指摘を受けて、正誤表をHPに入れています。目下増殖中です。ぜひご参照ください。


P1040412x

ネットラジオ「らじる★らじる」はラジオ講座を聴くのにはとても便利なアプリだ。NHKの番組表から予約設定をしておけば、開始前には知らせてくれるので聴き逃がすこともない。

P1040407x

それでも録音は、ズングリムックリの図体もいまやレトロに見えるラジカセで。デジタルについていけないアナログ派にとっては、テープが動いているのが見えるカセットのほうがどこか人間味があって安心できる。いま、カセットテープが若者の間でかっこいいと静かなブームらしいが、妙に納得。