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 抽選で選ばれた400名で会場はぎっしり満席の盛況。事前申し込みは700名を超えたという。

7月5日(土)、江戸東京博物館で開かれた東京新聞主催のフォーラム「富士山の魅力-登ったり、眺めたり」。富士山の
世界遺産登録一周年を記念して開かれた。今年は群馬県の富岡製糸場で騒がしいが、富士山の決定で沸き立ったのが一年前だったのかと改めて思う。

スピーカーは、山本正嘉・鹿屋体育大学教授、土器屋由紀子・当会理事、そして田代博・明治大学非常勤講師の3名。
三者三様の富士山の楽しみ方をそれぞれの専門の立場からお話いただいた。固い話は一切抜き。満席の会場は終始驚きのため息と笑い声が絶えず、肩の凝らない実に楽しい講演会であった。

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山本先生のスピーチは、富士山を“のぼり方”。スポーツとしての登山を安全快適にするには、というのがテーマ。実は先生も富士山測候所を活用する会のメンバーで、これまでも高所医学の研究のため、度々富士山測候所を利用されている。高山に登るための具体的な指導や注意には説得力があった。

田代先生の話は富士山を”見る楽しみ方”について。カシミールというフリーソフト を駆使して、どの場所からどの時刻に富士山が見えるかを割り出し、現場に行って撮影したり。そのうんちくにはただ驚かされ、こんど富士山 を見る時は少しは見方が変わりそうだ。

土器屋理事は「富士山測候所からー山頂の研究・教育活動」と題して、富士山頂にある無人化された測候所の”活用のし方”についての話。測候所の歴史にはじまり測候所を活用する会ができた経緯、その後の研究・教育での成果まで、スライド70枚にも及ぶ熱演であった。

講演のあったこの日の朝、富士山頂でライブカメラの取付工事を行っていた鴨川仁・東京学芸大学助教から「ライブカメラ画像を配信することができました
」とのメールが入った。講演の中でもタブレット端末でHPの山頂の画像を紹介し、タイムリーな最新のニュースも取り込んでのまさに「いまの測候所から」を伝えることができた。

7月1日に開所したばかりの山頂の富士山測候所では、インフラ関係の準備も着々と進み、本格的な観測活動を迎えようとしている。今年は過去最長の観測期間となり、新規に数プロジェクトも参加する。富士山の活用方にまた新たな成果が加わることを期待したいものだ。


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 入場者全員に配られた「岳人」特製の記念の手ぬぐい。