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小型放射線測定器を手に、右が和田有希さん(東京大学)で、左が共著の榎戸輝揚さん(京都大学) 2016年夏撮影

JpGU-AGU Joint Meeting 2017(5月20日ー25日@幕張メッセ)で和田有希さん(東京大学)が学生優秀発表賞を受賞されました。

日本海側で冬に発生する雷を研究しているそうですが、雷雲に入ることが出来る富士山でも、昨年鴨川グループに参画して富士山測候所でガンマ線観測を行っています。


「雷雲ガンマ線の多地点観測プロジェクト: 可搬型検出器の開発と2016年度冬季の観測成果」ということで、雷雲の中に存在する強い電場によって加速された電 子が出すガンマ線を観測しています。

我々のグループではこの雷雲から放出されるガンマ線を雷雲の通り 道にばら撒いた放射線測定器で追跡することで、雷雲で電子が加速されるメカニズムや、その発達や衰退の様子を明らかにしようとしています。

主に日本海側で冬に発生する雷を研究していますが、雷雲の中に入 ることができる富士山の地の利も利用して、富士山測候所でのガンマ線観測を東京学芸大学鴨川仁グループに参画し、行っています。

従来のガンマ線検出器は大きくて重く、高価であったため、量産し てばらまくという用途に向きませんでしたが、我々のグループは装置を独自開発により小型化してこの課題を克服しました。さらに小型化によって設置作業や運搬にかかる労力も大幅に削減することが出来、厳しい環境の富士山測候所でも少ない労力で設置することが可能となりました。

wada@jpug
 JpUGでの発表

(和田有希 記)  


同じ大気水圏科学セクションでは、吉末百花さん(東京理科大学)も「 北太平洋とその縁辺海で採取された海洋性エアロゾルの個別粒子分析」で受賞されています。 吉末さんは、AAC2017(10th Asian Aerosol Conference)July.2-5 @韓国済州島でも
Excellent Poster賞を受賞

関係者の相次ぐ受賞の知らせは今年の夏期観測に弾みをつけてくれそうですね。
おめでとうございます。