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 画面ではわかりにくいが、この日山頂は吹雪いていたという(6月23日撮影)

測候所開所を2週間後に控えた6月17日(日)、御殿場基地事務所が一足先に開所し、先発の山頂班2名が入場。これが始まるといよいよ今夏のシーズンが到来したということを実感する。その一週間後の24日(日)からはさらに増員し、山頂班による山頂の開所準備も本格的にギアが入った。御殿場基地と山頂の間を行き来するのもほぼ一日置きとなる。

御殿場では山頂生活で必要となる飲料、食料などの物資の買い出しやインフラを守る地元のブルや電気保守の関係者等との入念な打ち合わせ、梅雨時の変わりやすい天候を睨んだ登山計画、そして事務整理などなど。山頂では、山頂庁舎内外の点検、除雪、工具、長期滞在のための食糧、飲料水の荷上げなどが急ピッチで進められる。

山頂は例年に比べれば雪は少なめとはいえ、この時期、気象庁のアメダスを見ていると山頂の気温は5度Cを上回ることはない。マイナスになって吹雪に遭遇することもあるというから、まさに真冬の天気だ。

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 測風塔下辺りの除雪作業。雪が硬化しているため重労働だ(6月21日)

この時期に山頂に行くことができない研究者にとって、喉から手が出るほど知りたいこと…それは昨年撤収時にセッティングしておいた観測機材が越冬中もデータを記録し続けているかどうかだ。6月23日(日)には忙しい開所準備作業の合間に、何と依頼したことはすべて調査され、一部の機器は、次回の越冬に向けて改良するため回収された。

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 山頂班に依頼した機器の回収方法を記述した文書


また、今年は特に搬入機材の量が多くしかも大きい機材があるため、山頂に荷上げしたものの庁舎内に搬入することができないのでは、と心配する利用者の方からの依頼で、庁舎内の複数個所の扉の縦横寸法を実測してもらったり・・・。

7月1日に無事開所を迎えるまでには、山頂ではこんな裏方の周到な準備が、連日続けられている。