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 東京学芸大学が雷観測のために1号庁舎屋根に設置している大気電場計

今夏から、山頂のさまざまな観測データがホームページ上でリアルタイムで見れるようになりました。2年前から公開している二酸化硫黄(SO2)に加えて、雷・雷雲(大気電場)、一酸化炭素(CO)、オゾン(O3)などの観測データが新たにリアルタイムで配信されるようになりました。

リアルタイムデータの「見える化」により、研究者は測定器の動作状態を容易に知ることができるだけでなく、一般の方にもそのデータの恩恵があります。例えば、大気電場のデータは雷雲による静電気によって山頂での雷活動を知ることができます。

雷観測を行っている東京学芸大学・鴨川准教授は今夏からデータの公開を始めました。
今朝、関係者で交わしたチャットをご紹介しましょう。

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この緑色とバラ色の丸い図やそれぞれのグラフは何を示しているのでしょう?
上段は低感度の大気電場センサーのデータ(活動が活発な雷雲がくると変動する)、
下段は好感度の大気電場センサーのデータ(通常は、雲海や宇宙と大地の間の微小電場変動を示す)です。
上の図は昨日から今日にかけてのものですが、下の赤い線をよく見てください。12:00の近くに下向きの2本の線が見えるでしょうか?
今日はお昼に大気電場の変動を確認すると、確かに謎の負のパルスが2つあります。
雷放電があればこのようなパルスがみられることがありますが、それもないことは確認済み。となるとこれは人工的なもの、つまり測定器の側を人が通ったということがわかるのです。人間には衣服などのこすれることによって静電気が溜まっていますので、近くを通ると測定機が反応します。

鴨川さんが山頂班岩崎班長に問い合わせました。
誰か1号庁舎屋根に登りましたか?
台風養生(台風に備えて建物を補強する作業)でインレットを保護するため登っていました。
以上のやりとりが、鴨川さんから今日(7月27日)入ったチャットです。われわれはこのように人的要因による変動も丁寧に記録をとっており、文書化して後々のデータ解析に役に立てています。

この例が示すように、研究者は山頂班と緊密に連絡を取りながら観測を行っていますが、そもそもこの観測が始まったきっかけも、山頂で雷予報に神経を使って電源の保守を行っている岩崎山頂班長が、鴨川さんに
何か目に見えるデータがあるといいですね
と提案して、リアルタイムモニタリングの構想がふくらんだと聞いています。山頂班もここ数年、メンバーの世代交代が進んでいますが、「見える化」により、これまでの経験・ノウハウをキッチリ伝えることが可能になると期待されています。

今年は異常気象続きで雷も多いことが期待(心配)されているので、これからのデータが楽しみです。

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(広報委員会)