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 パンダスタジオ富士山頂ー日本一高い大気科学研究所

富士山測候所を活用する会では、富士山頂から大気科学専門家によるレクチャー動画を2016年から公開し、環境問題の基礎知識のみならず、環境科学研究現場の最前線についても一般市民への啓もうを図っています。2018年は新たに2つの動画レクチャーコンテンツを追加しました。

帝京科学大学・和田龍一准教授による「富士山における窒素酸化物の計測」


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まず、室内の画面から始まり、精密な測定のための装置の説明(最初にこの装置を見た山頂班の皆さんはレーザーを使う長大な装置に驚いたそうです)があり、窒素酸化物の種類についての丁寧な解説と、測定原理の説明があります。

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次いで、西側の大沢崩れに面した絶壁の上にある外部に出て、取り入れ口の説明です。取り入る過程で、窒素酸化物がどのように化学変化をして、装置に導入されるかが分かり易く説明され、最後に、共同研究者  農研機構の米村正一郎博士と、設定を手伝った山頂班の千田敦司さん、佐藤裕介 さんの紹介もあります。

東京理科大学・森樹大(たつひろ)助教による「大気エアロゾルの粒子濃度測定」

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全体が1号庁舎の装置の説明です。雲粒子の数の測定装置、過飽和度を利用する粒径装置の説明に続いて、今年から始まった「連続的に化学組成と粒径を検出する装置の説明があり、また、共同研究を行なっている金沢大学のnm(ナノメーター)レベルの小さい粒所を測定できる装置の説明もあります。
最後に、鴨川先生の質問に答える形で:最近の研究成果、社会貢献などへのコメントがあります。

以上が、今年追加されたレクチャーですが、2016年の3件に加えて、レクチャー動画は2017年にも公開していました。
 「 日本一高い大気科学研究所、富士山測候所を利用した自由対流圏高度におけるエアロゾル-雲-降水相互作用の観測」として、早稲田大学総合理工学部・大河内博教授の大学院生の中村恵さんと山脇拓実さん(撮影当時学生)による、「降水、雲水など液体試料」と「フィルター試料」の採取、保存法などの具体的な映像が詳しく紹介されています。

日本一高い大気科学研究所、富士山測候所を利用した自由対流圏高度におけるエアロゾル-雲-降水相互作用の観測

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いずれも、分かり易く解説されている動画です。講演や講義などいろいろな場面で今後広くご利用いただけると良いと思います。

なお、2017年は   東京ガス環境おうえん基金、 2018年はWNI気象文化創造センター「気象文化大賞」助成 の一部として作成させていただきました。また、映像編集は、株式会社アルファ企画の協力を得て行っています。記して感謝申し上げます。
(広報委員会)