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    富士山測候所 2007年5月21日(撮影、岩崎洋)

年度が改まり、人事異動と桜前線が気になる慌ただしい4月のはじめですが、富士山頂では何が起こっているでしょうか?

上の写真は、2007年5月に点検のために登山した岩崎洋山頂班長が撮影した測候所です。NPOはこの測候所のほぼ3分の2にあたる496.94㎡ を気象庁から通年で借用しています。研究者等の立ち入りは安全のため夏の2か月に制限されているため、現在、測候所の建物は無人で、バッテリー駆動の装置だけが動いています。

一昨日、本ブログに富士山頂の積雪量(4月から5月に増えること)を入れたら、岩崎さんから下記のような指摘がありました。

山頂のデータ(気象庁:アメダス、富士山頂)が欠測になっています。
湿度は10日の13:00から気温、気圧は今朝(4月11日)05:00から、止まっています。
http://www.jma.go.jp/jp/amedas_h/today-50066.html?areaCode=000&groupCode=34


これは気象庁が管理している部分にあるアメダス装置に何か問題があったようです。おそらく、4月10日の降雪や霧氷による影響と思われます。この時期は、山頂で稼働している測器にも、いろいろ問題が起こりやすいのです。厳冬期のサラサラの雪は吹き飛ばされてしまいますが、4-5月の水分を多く含んだ雪はソーラーパネルの表面に付着したり、根雪となって重さで測器を押しつぶしたりします。

NPOが借用している部分では、国立環境研究所の野村渉平・博士研究員による二酸化炭素などの通年観測、東京学芸大学(現・静岡県立大学)鴨川仁准教授らのグループの大気電気、宇宙線関係の観測、産業技術総合研究所・兼保直樹主任研究員による大気水銀の観測などが行われています。

幸いなことに、野村さんによると、二酸化炭素のデータは順調に送られてきているいるとのことですが(16日現在)、一部の観測データは夏になって、ロガーを開けるまで分からないものもあり、ハラハラしながら、登山が許される夏まで待つほかはありません。

一方、一足先に春が来る富士山麓でも問題は山積です。
2016年にもこんなことがありました。5月2日のNPO(関電工)の架空送電線の点検では異常なかったのに、5月25日に気象庁が同じ場所で大量の土砂の埋設を発見し、開所直前に埋設土砂の撤去工事して間に合わせました。雪崩がこの間に発生したようです。
http://npofuji3776.blog.jp/archives/1059929148.html

これらの結果、修復にかかる経費は着実にNPOの運営を圧迫します。 美しく雪化粧した富士山を眺めながら、NPOのメンバーには気がもめる季節です。

(広報委員会)