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2021年7月3日 富士山頂にて (撮影者:山頂班 横山班長 )

7月3日、開所したばかりの山頂で、やっと晴れた一日、横山勝丘班長から送られた写真です。
以前にも、インスタグラムに、蝶や、コガネムシなどをご紹介したことがありましたが、
(2017/7/12(蝶)、2017/8/7(蝶)、2018/7/21(ツノアオカメムシ)、2018/8/7(とんぼ)、
2018/8/22(カメノコテンテントウ)、2018/8/9(テントウムシ)、2019/8/11(カミキリムシ?)
蝉はNPOが夏季観測を始めるようになって初めてです。

夏でも氷点下以下になる山頂で、昆虫が生息しているとはいるとは考えられません。
どうやってここまで来たのでしょう?

気象庁の有人観測の時代に補虫網で捕まえた人が居ると、
先輩から教えられて調べたところ、
当時の測候所員・伊藤定旦氏が句誌「海廊」に「山頂こぼれ話」として書いておられるのを見つけました。

 ”1968年~1970年の6月から9月までの間、大陸から移動性高気圧に乗って日本に到達する浮塵子(うんか)を捕らえる目的で、山頂勤務のかたわら、捕虫網で昆虫の採取を行ったが、山頂で昆虫が見られるのは気温が零度以上で天気の良い風の穏やかな日と言うごく常識的な結論となり、採取した昆虫は、トンボ、チョウ、カミキリ、ハチ、アブ等約五十種類程で、これらは麓に生息するものが上昇気流に押し上げられて強制的に山頂へ運ばれて来たと考えられ、期待した浮塵子の類は見ることは出来なかった”

との結論です。

この蝉もやはり上昇気流で持ち上げられたものでしょうか?

交代下山直前の7月11日に横山班長にもう一度問い合わせたところ、

”あのセミは生きていましたよ。その後どうなったかはわかりませんが。
あの日が一番夏を感じる天気でしたが、それからはひたすら雨続きでした。”
とのことです。

今年の夏季観測は、梅雨明けを迎えてこれから忙しい時期になります。
2年ぶりの観測、しかもコロナ禍の最中ということで、
安全にはいつも以上に気を遣う毎日です。

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部屋を掃除する山頂班 “コロナ対策バッチリの対応が行われています。” 

また、思いがけない「お客さん(昆虫)」が来てくれることを祈りながら・・・
安心安全に夏期観測をしております。


(広報委員会)