太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ


第42回登山医学会トップ

第42回日本登山医学会学術集会は6月18-19日に富山大学五福キャンパス黒田講堂で
(久しぶりに対面が中心!!)行われました。
鹿屋体育大の山本正嘉副理事長からは
登山医学会では時節柄、コロナ下での山岳診療の現状や今後のあり方に関する話題が多かったです。各診療所ともご苦労されている様子が発表からわかりました。また、井出先生はシンポジウムで、測候所での医療サポートの話をされました”
とのご連絡がありましたが、
井出里香理事の報告を下記に紹介します。

富士山におけるCOVID-19の対策

 富士山頂では毎年7~8月の2か月間、旧富士山測候所庁舎の一部を気象庁から借り受けて、大気化学、高所医学・高所順応、雷・宇宙線、永久凍土などの研究、通信、教育など様々な分野で活用されています。COVID-19の感染拡大により2019-2020年の2年間は山頂での研究・観測は中止されましたが、2021年はCOVID-19対策を徹底した上で、大気化学、放射線科学、大気電気、通信技術などの研究・観測が再開され、無事終了しました。
 
 富士山頂は気象条件が厳しく、水も荷上げしているため、庁舎内の換気や衛生環境を保つのに苦労しました。登山中のCOVID-19発症は重症化リスクが高くなることが指摘されており、山頂で発症した場合に悪天時や夜間は下山が難しく、医療機関への搬送にも時間がかかるなどのリスクもあります。2021年の富士山でのCOVID-19対策の取り組みについてご紹介します。

    図1修正
        図1富士山測候所への排気装置の設置
 富士山でのCOVID-19対策は、登山前のCOVID-19感染者の水際対策を
しっかり行うことが費用対効果の上で最も重要です。また富士山頂は気象条件が厳しく、室換気にも苦労しました。山頂での換気は、窓を開放できる場所は日中に1日2回(1時間)開放しますが、窓が開放できない場所では、図1のように送風機で空気の流れを作りました。また室内掃除は、図2のように帽子、マスク、予防衣、手袋をつけての感染対策を行っています。
   図2
          図2 山頂班の感染対策

 今後の課題として、ウイルスの変異株による新たな感染も想定されますので、
最新情報を収集しながら、安全を確保しつつ対応していきます。来年以降は山頂での研究・観測の増加が予想されますので、今後も水際対策を徹底し、感染状況に応じた費用対効果も考慮しながら、より効率的なCOVID-19対策を検討していきます。


なお、この研究集会については、以前から富士山スナップで本NPOの公報を応援して下さる、富山大学、山岳施設の青木一真教授からも、特別講演予定とのご連絡を頂いていました。
青木先生2

プログラムによると、本NPO臼杵理事の講演もあります。

特別講演_臼杵先生

本NPOが大きい役割を果たした研究集会だったようで、
井出理事の講演とともに嬉しいニュースです。

(広報委員会)

認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

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