太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ


 以前から、本NPOでは毎年年の初めの行事が大気電気学会の研究発表会でした。2021年と2022年はオンライン開催でしたが、今年は対面で、1月6日(金)と7日(土)の2日間、電気通信大学(東京都調布市)で開催されました。

P2580740

今回は初日に大気電気学会第100回研究会記念行事として、記念講演会と特別講演会が開かれました。特別講演会 の「日本における大気電気学研究及び将来展望 」セッションでは、三浦和彦・富士山環境研究センター・シニアリサーチフェローから「大気電気学会と私 ―イオン・エアロゾルを測って40年―」と題する講演が行われました。この中で富士山頂でのイオン・エアロゾル計測のほかに、宇宙線の影響が指摘される新粒子の生成についても富士山頂における観測が行われていることが紹介されました。この新粒子は雲の形成、ひいては地球温暖化の評価も左右する可能性がある興味深い事象です。

P2580749 (2)
  三浦シニアリサーチフェローによる特別講演

ポスターセッションでは安本勝・富士山環境研究センター・研究員、土器屋由紀子・同センター・シニアリサーチフェロー、鴨川仁(静県⼤)、佐々⽊⼀哉(弘前⼤)による「富士山の雷現象観測から見えるリーダの特徴」が紹介されました。富士山の山体を検知器として雷を捉えるというスケールの大きな研究で、参加者からは「こんなことができるんだ…」という感嘆の声も聞かれました。

P2580757 (3)
 安本研究員によるポスター発表

2日目には藤原博伸・富士山環境研究センター・研究員らによる口頭発表「都市型局地的豪雨の雷活動と水化学分析について~2021年と2022年の事例解析」がありました。地上からの観測で、雷が起きたときに作られる窒素酸化物(NOx)を評価するもので、「自動車等から排出されるNOxと雷に由来するNOxの判別方法は」、「どんな雲のときにNOxが現れるのか」といった質問が活発に出されていました。

1153271b
  藤原研究員による口頭発表

ほかに鴨川仁・専務理事、源泰拓・富士山環境研究センター・特任研究員からも(富士山でのデータを直接用いたものではないのですが)複数の発表がなされており、本NPOと研究センターの存在感を示すことができたものと思います。

3年ぶりのリアル開催で、お久しぶりです、と研究者が旧交を温めあう声があちこちで聞こえました。来年もこうした交流ができるように願うばかりです。そして、そこで良い成果を披露できるように、来年にむけた研究活動が始まります。

(広報委員会)




認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット

このページのトップヘ