太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

本NPO富士山測候所を活用する会の夏期観測は、例年7〜9月上旬まで有人で行われます。
この期間は、山頂班の常駐によりいわゆる100 Vの電源を使うことができます。それ以外の期間(春や秋も含めて冬期期間と定義しています)では、無人の観測を行っています。この期間では、いわゆる100 V電源を使うことができませんので、バッテリーや太陽光パネルによる運用を行います。冬期期間の参画グループには、温暖化ガスの観測(国立環境研究所)、火山ガスの観測(東京都立大学)などがありますが、本年は、当会の自主事業として越冬のライブカメラ(動画ではなく静止画のみ)実験を行うことになりました。

越冬での難しさは、電源だけではありません。データ通信も技術的に難しく、たとえ静止画を撮ったとしてもデータを送ることは限られたバッテリーの電力では難しいのです。

そこで本NPOは以前よりLPWA通信と呼ばれる超低消費電力で低データ容量ですが遠距離通信ができるデータ通信技術に注目し、数々の実験をしてきました。今回、越冬ライブカメラを実験するにあたっては、このLPWA通信に注目し、静止画のデータを送る試みをしました。LPWA通信には規格が多数ありますが今回注目したのはプライベートRoLaという規格です。

今回、エヌエスティ・グローバリスト社の製品を導入し、太陽光パネルを富士山測候所の窓に備え付けて、バッテリーも並列し、8月下旬に設置をしました。

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 屋内での設置の様子。火山ガスの越冬観測装置(金属枠)の左横に本体が設置されています。

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 カメラは南西方向に。太陽光パネルも設置。

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 設置カメラの視線方向。本写真はiPhoneのカメラで撮影。

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 LPWA通信のデータ受信局は、御殿場観測点に。

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無事に通信が成功し送られてきた静止画。夕日を見事とらえています。

本システムでは1時間に1枚ごとの画像が送られてきます。越冬期間においても富士山からの静止画が見られるのは感激です。

本事業はYahoo!基金の支援によって行われております。

(広報委員会)

認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは

2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

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