太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 スタッフブログ

2000年12月

瀬口さん(顔)

昨年11月の気象学会秋季大会のブログでもご紹介した瀬口貴文さんについて、指導教官の岩崎杉則先生から下記のような素晴らしいメールが届きました。

”今年の3月に博士を取った学生君の学位論文の情報を送ります。防大では学位を出せないので、学位授与機構…英語名称は大変長いです…で審査され、学位を授与されております。お知らせするのを忘れておりました。”


論文のタイトルは下記で

Seguchi, T., The Analyses of Jumping Cirrus with Ground-based

Observations, Doctoral dissertation, National Institution for Academic
Degrees and Quality Enhancement of Higher Education (2020).


謝辞にNPOも入っております。
The observation at Mt. Fuji was performed at the Mt. Fuji Weather
Station, which is currently managed by the Mount Fuji Research Station
(MFRS), a nonprofit organization certified by the government of Japan.
They helped to support our work, including the installation and
maintenance of the cameras.

富士山測候所の研究に精力的に参加された、瀬口さんが、このような形で論文を纏められて博士号を取得されたことは、NPOにとっても、コロナ禍で観測が出来ない今年の憂鬱を吹っ飛ばすような
大変嬉しいニュースです

今後、瀬口博士に「富士山測候所」発の博士が多数続くことを祈っています。
(ホームページの論文のページの構成についても「博士取得者」の欄の挿入など、目下検討中、嬉しい悲鳴です!)


(広報委員会)


司会者と裕子さん
  大学女性協会の奨学生として紹介を受ける鈴木さん

2011年から2015年の間夏の富士山で活躍した東京学芸大学大学院(当時)の鈴木裕子さんを覚えている方は多いと思います、彼女は大学院終了後、第58次越冬隊員として、南極観測に参加し2018年3月に帰国後は情報・システム研究機構国立極地研究所の広報室に特任専門員として勤務しています。

メールリストでもご連絡しましたが、鈴木さんの帰国後の報告会の一つが、11月3日、津田塾大学千駄ヶ谷キャンパス会議室で、大学女性協会東京支部の講演会として行われました。

11月3日津田塾大学千駄ヶ谷キャンパス会議室 

「宇宙と地球を近くに感じられる場所・南極」

講演中
  オーロラの色について説明する鈴木さん

「南極観測の重要性を一般の方々に知らせるために」極地研の広報室にいる彼女の話は大変分かりやすく楽しいものでした。
 
 南極の夏(11月から次の年の2月まで)は100人以上が昭和基地に滞在していますが、3月になると夜が長くなり、鈴木さんの属する「宙空圏」グループの観測が本番を迎えます。第58次の越冬隊員は33名、それぞれの専門は違いますが、女性は6名、最近では多い方だったそうです。

 富士山で雷やスプライトの研究をしていた鈴木さんにとって、「雷の発生が少ない」とされていた南極で、実はそうではないのではないかということが知られるようになり、その調査を含めたプロジェクトへの参加でした。ライダー観測、レイリーラマンライダー、6H観測。ミリ波観測などが中心ですが、オーロラの観測も含まれます。詳しい内容は目下論文執筆中とのことです。

 当日の話題は、南極観測一般にわたり、夏の間だけしか船が接岸できないために越冬隊が必要なこと、南極大陸の地理、南極観測の歴史に始まり、昭和基地の生活一般、白夜から極夜に至る変化、ドームふじ(2000m)への小旅行。お湯をまくと一瞬に氷ができて花火のように広がって輝く話。蜃気楼、
ペンギン、アザラシの子育ての話、消火訓練や極夜でLEDの光で育てたミジンコの話など、1時間半の講演が短すぎると感じるほどでした。

 長めにとってあった質問時間には、物理学者による「ファインマン教科書の間違い」に関するものもあり、良く勉強していることがわかる応答で、富士山で仕事をしていたころの高校出たての可愛い鈴木さんが、いつの間にかすっかりしかりした研究者に成長していることがわかりました。講演の中でも触れられていましたが、厳しい自然条件にもめげずに富士山頂を利用した経験がこのような進路に結び付いたことは、旧測候所の利活用を続けているNPOにとっても大変嬉しいことです。

 富士山を経験した若い人たちが、新しい分野で益々活躍されることを祈っています。
(広報委員会)




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