太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

2011年01月

此のところイベントがつづいています。


1月27日(木)、28日(金)の両日、経団連ホールにて開催された標記の交流会に2010年度助成団体として招かれ、参加しました。ちなみに当NPOは、「地球大気環境保全に向けた富士山測候所戦略的活用:東アジア高所大気化学観測拠点としての富士山測候所の再生」の案件で、2010年10月から2013年9月まで活動資金の助成を受けています。


これまで助成を受けた団体の活動の成果の発表共有、団体間のネットワークづくりが目的というイベントでしたが、よく練られたプログラムは充実し、また、全国から参加されたNPO団体の方々との情報交換をはかることができ、得るところが多い有意義な2日間でした。


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会場の経団連ホール。助成団体のポスターのなかには、いつもお世話になっているグラウンドワーク三島さんのポスターも展示されていました。来年はわたしたちのポスターを展示する順番?なので良く見ておきました。





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基調講演は国立環境研究所温暖化リスク評価研究室の江守正多室長による「地球温暖化の現状と将来予測」。温暖化に対してわたしたちにできるのは「心(心がけ)技(省エネ技術)体(社会の体系・しくみ)」とまとめられました。「心がけ」とは、「もったいない」という心がけも含むということで、無人化された富士山測候所を放置しておくのは日本の科学技術の発展上「もったいない」として立ち上げた当NPO法人の設立精神にも通じるものが・・・。



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2日目のセミナー1は助成案件中間支援プログラムについての3団体の報告とディスカッション。中間支援プログラムは、助成を受けている団体に対して専門家が広報の改善などのコンサルティングの支援を行うことにより、成果の最大化や自立発展を目的に実施しているという。当NPOでもいずれコンサルティングを受けてみたいものです。



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セミナー2-2はシーズ・市民活動を支える制度をつくる会の松原明氏による「政策提言入門」。氏はNPO法に立法時から関わってこられたという。最後に紹介していただいた政策提言に実際に使ったというプレゼンpptは、わかりやすい説得力のある資料のつくり方という点で興味深いものでした。



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三井物産ビル12階の会場から間近に見える工事中の東京スカイツリー。1月22日に高さ559㍍に。










1月23日(日)午後1時から、東京大学弥生講堂において、昨夏、富士山頂で行われた観測研究の成果報告会を開催しました。第4回となる今回の成果報告会には、マスコミ・報道関係者を含め102名が参加。この中、約半数が初めて参加された方でした。最大300名収容という楕円形の一条ホールが、ほぼ、まんべんなく埋まりました。


口頭発表会場では大気化学、高所医学、宇宙線、雷、永久凍土、通信、測器などバラエティに富んだ13件のプレゼンテーション。新技術振興渡辺記念会からの委託研究事業カーボンオフセット年賀寄附金助成事業の発表も含まれています。限られた時間に詰め込んだこともあり、案の定、「発表時間が短かすぎてゆとりがほしい」というご意見もいただきました。

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今回から初めて取り入れたポスター発表。全部で11件のポスターがありましたが、時間的には30分のポスターセッション時間も、討議をするにはやや短かかったかもしれません。「ポスター発表は良い試みだが、説明員がいないのは効果が疑問」というご指摘もありました。

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プログラムの最後はパネルディスカッション。堅苦しい討議ではなく、雑談的なトークをという村上祐資さんの軽妙な司会に乗せられた5人のパネリストが、スライドの自己紹介のあと、それぞれの「雲の上の実験室」の体験談などを披露。アンケートでも「おもしろかった」「よかったです」という評価をいただきました。一方、こちらでは「時間配分が少し長いのでは」という声も。タイムマネジメントは難しい・・・。

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会場の奥のコーナーには、昨年9月にヒマラヤ・ダウラギリで遭難した山頂班の山本季生さんを追悼するパネルも展示しました。山頂でお世話になった皆さんから寄せられたメッセージは、いずれこのブログでもご紹介しようと思います。
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懸念されていたポスター会場の寒さについては、事前の厚着の勧めが効いたのか、強力なストーブの威力のお陰か、思ったより?暖か。しかし、アンケートには「ロビーが寒い」というご意見が。なるほど、受付で用意した50個のホッカイロは11個を残すのみとなっていました。
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最後になりましたが、お休みにもかかわらずご参加していただきました皆さまに、この場をお借りしましてお礼申し上げます。




成果報告会まであと3日。


会場となる東京大学農学部弥生講堂の二度目の下見。

今回は、会場の鍵の借用とプロジェクター・PCの相性の確認が目的。

先月に引き続き、おさらいの意味で再度詳細な説明を受けました。注意事項が多くて覚えきれない・・・。


口頭発表会場の一条ホール。プロジェクターのアスペクト比を変えることで、横長の大型スクリーン一杯のにワイド画面は迫力満点。無線LANの確認は当日でないとできませんでした。


一条ホールは木造ですが、椅子も固い木製。でも、貸出用の座布団が250枚用意されていました。当日、受付でお渡しします。
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理事会の会場となる会議室。7㍍四方の広さ。懇親会もここで十分できそうです。

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ポスター会場のエントランスホール。気になる暖房は、この強力な大型灯油ストーブだけが頼り。灯油を満タンにして1日は持つとのこと。


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ご来場の際は十分に暖かい服装でお越しください。事務局でもホッカイロは若干数準備することにしました。

多数の皆さまのお越しをお待ち申し上げております。

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新年おめでとうございます。


本NPO法人は、昨年4月に旧富士山測候所の借用について気象庁との新たな3年間の契約を締結し、新ステージの活動を開始しました。7月12日より8月30日までの約2カ月間にわたり、3人の常駐管理者のもとに、学術科学関連14件(大気化学関連8件、高所医学関連3件、宇宙線関連1件、永久凍土関連1件、独立電源関連1件)、活用・登山・教育関連4件の計18件の研究が行われ、のべ467人の研究者が参加しました。また4回の富士山学校科学講座を無事に終了することが出来ました。


この成果につきましては、本年1月23日に東京大学弥生講堂一条ホールでの報告会においてご報告いたします。


本NPOの本格的活動も4年目を経過し、研究活動は安定的な発展の状態になったと見えますが、安定的な資金源のないNPOの経済的な基盤は非常に脆弱で、各位の献身的なご支援のおかげで、このような研究活動の推進が達成できたものと、心より感謝申し上げます。


幸い昨年10月より3年間の計画で三井物産環境基金の助成を頂けることとなり、しばらくは安心して研究活動に邁進できることとなりましたことは大きな支えとなります。来年度以降も高所科学の研究拠点として発展させて参りますことをお約束し、ご挨拶とさせていただきます。

   2011年 元旦

                                         NPO法人富士山測候所を活用する会


                                            理事長 畠山史郎



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雁が腹摺山(がんがはらすりやま)から富士山を望む(2010年9月26日)。






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