太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

2014年01月

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昨年の7月2日から連載を開始した土器屋由紀子理事執筆の中日新聞・東京新聞の夕刊コラム『紙つぶて』は、暮れ12月24日(火)の「クリスマスプレゼント」をもって全26回を終了しました。

このコラムは毎号ホームページに掲載してきましたが、終了とともにこんどは「全編をダウンロードして読みたい」という読者からの問い合わせが事務局に届くようになりました。

このようなご要望にお応えし、A4判8ページの小冊子としても印刷できるよう写真なども追加して再編集し、ホームページからもダウンロードできるようにしました。タイトルの「富士山の自由な風」はコラムの2回目のタイトルからとったものです。

1月26日(日)午後に東京大学小柴ホールで開催される第7回成果報告会に来られた方には、講演予稿集とともにこのコピーを差し上げます。

多数の皆さまのご来場をお待ち申し上げております。


*なお、掲載にあたっては中日新聞社からの許諾を得ております。


PHP出版社から「越境する大気汚染 中国のPM2.5ショック」(PHP新書)が本日発売開始になりました。

著者 は理事長の 畠山史郎・東京農工大学教授。
隣国・中国で深刻化する大気汚染。中国と日本双方のPM2.5調査に加わり、昨年夏は富士山測候所においてもその観測を実施。PM2.5を知るための格好の書としてお薦めします。

ISBN978-4-569-81740-8

   中国の汚染物質が姿を変えて日本を襲う! 中国と日本双方の調査に長年、関わってきた著者が、PM2.5の知られざる真実を書き下ろす。

     隣国・中国でますます深刻化する大気汚染。2013年1月から3月にかけて、北京をはじめとする主要都市は、濃いスモッグにおおわれ、非常に高濃度のPM2.5が発生、危険な域に達した。その「危ない」季節が再びやってくる。

     こうした事態を招いた根本にある原因とはいったい何なのか。果たして何をどう解決していけばよいのか。いますぐにでも手をつけるべき具体的方策とは何か。日本にも飛来する黄砂やPM2.5に問題はないのか。PM2.5が飛来しやすい季節と気象とは?

     中国の大気汚染とその越境問題に、中国と日本双方の調査に加わる著者が、PM2.5のとんでもなく高い数値の裏側にある事情と事実を解説する。日本で見られる健康被害、環境問題への様々な影響を具体的に解きほぐしていく。

     中国から日本に具体的にどの程度の汚染物質が運ばれ、その内容はどうなっているのか、驚きの調査結果を読者に示す。問題の根っこは深く、深刻な事態はこれからも続くことを予感させる。
(PHP研究所ホームページより)


新年おめでとうございます。
平成26年も関東地方では穏やかな年明けとなりました。本年が皆様にとりまして良き年となりますようお祈り申し上げるとともに、本NPOの活動に旧来にも増してのご支援を賜りますようお願い申し上げます。

山頂での取材(畠山理事長)


昨年は本NPOにとっても大きな節目の年でした。気象庁との第2期契約期間が終了し、第3期の契約期間が開始となりましたが、昨年のご挨拶でも申し上げたように契約期間が従来の3年から5年に延長されたことにより、活動の幅を広げることができたのではないかと感じています。また、これまで研究等の助成を受けていた三井物産環境基金からは、引き続き3年間の助成を受けられることになりました。

さらに、NPOへの寄付金に対する税制上の優遇措置を受けられる仮認定NPO法人としての申請をしておりましたが、これも昨年、無事に東京都から認められました。これにより、みなさまから寄付をお受けした場合、寄付くださった方は寄付額の約50%の還付を受けることができます。すでに平成25年度の寄付額は前年の2倍となっておりますが、NPOに対する信用力のアップにもつながる画期的なことと思います。

大気環境については、昨年はPM2.5に明けPM2.5に暮れたと言っても過言ではありません。本NPOでは日立環境財団の助成を受けて、富士山頂でのエアロゾルの粒径(粒子の大きさ)別化学成分測定を行いました。多くの研究グループの観測結果も含めて、山頂での観測では非常に興味ある結果が得られ、成果は本年1月26日(日)に東京大学小柴ホールで開催される成果報告会で発表されます。ただ、夏季は大陸の影響を受けにくい時期であるため、ヶ月間の中での限られた観測では、大陸の影響を明確にすることは困難であり、通年観測の必要性を再認識させられたとも言うことができます。また、山麓の太郎坊においては、粟井英朗環境財団の助成も受けて、通年で大気汚染物質を観測しています。


富士山での研究の持続と更なる発展を目指して行きますので、今後のさらなるご支援を、心よりお願い申し上げます。

 2014年(平成26年) 元旦
         NPO法人富士山測候所を活用する会
                   理事長 畠山史郎

(写真は富士山測候所3号庁舎の前にてテレビ取材に対応する筆者)

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