
永淵修教授(滋賀県立大学)は、冬に九州山岳地帯の山頂付近の樹木に付着する樹氷に含まれる汚染物質の由来を調査
3年目となった東京理科大学山岳大気研究部門の成果発表会。NPO法人富士山測候所を活用する会も後援をさせていただいている。富士山を始め日本各地の山岳で大気観測を行っている研究者が、一同に会して成果を共有し合う場としてすっかり定着した感がある。
全部で47件(口頭発表17件、ポスター発表30件)の発表があり、この中、富士山での観測成果の発表が22件と約半数を占め、残り半分は、北は利尻から南は屋久島まで日本全国の山岳、果ては韓国済州島、太平洋の洋上と、その観測地点はグローバルな広がりを見せている。
外部評価委員の植松教授(東京大学大気海洋研究所)から、次のような講評をいただいた。
富士山では、せっかく同じ時期に同じ場所で多くの研究者が観測をしているのだから、同じデータを集めてワーキンググループをつくり ”温泉に泊まってでも” 徹底的にディスカッションをすべき。そしてデータを比較するためには、同じ装置で同じ基準で測定すること、すなわちデータの標準化が必要。本日の発表にもあった小林先生(山梨大学)の偏光OPCによる富士山や木曽駒ヶ岳での観測はその方向に沿ったもので評価できる。富士山、日本の山だけでなく、世界の山へアピールしてもらいたい。最後に三浦和彦山岳大気研究部門長から、今年の夏は4年前のインターラーケンに続く2回目の山岳大気国際シンポジウムがコロラドであるので、この中からも発表してもらう予定である、との報告もあった。国際的にアピールする絶好の機会になるのではないでしょうか。
コロラド行きの前には、”温泉でのディスカッション"?!もお忘れなく。


ポスター発表の様子。学生が主体だったよう。