太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

2014年03月

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永淵修教授(滋賀県立大学)は、冬に九州山岳地帯の山頂付近の樹木に付着する樹氷に含まれる汚染物質の由来を調査

3年目となった東京理科大学山岳大気研究部門の成果発表会。NPO法人富士山測候所を活用する会も後援をさせていただいている。富士山を始め日本各地の山岳で大気観測を行っている研究者が、一同に会して成果を共有し合う場としてすっかり定着した感がある。

全部で47件(口頭発表17件、ポスター発表30件)の発表があり、この中、富士山での観測成果の発表が22件と約半数を占め、残り半分は、北は利尻から南は屋久島まで日本全国の山岳、果ては韓国済州島、太平洋の洋上と、その観測地点はグローバルな広がりを見せている。

外部評価委員の植松教授(東京大学大気海洋研究所)から、次のような講評をいただいた。
富士山では、せっかく同じ時期に同じ場所で多くの研究者が観測をしているのだから、同じデータを集めてワーキンググループをつくり ”温泉に泊まってでも” 徹底的にディスカッションをすべき。そしてデータを比較するためには、同じ装置で同じ基準で測定すること、すなわちデータの標準化が必要。本日の発表にもあった小林先生(山梨大学)の偏光OPCによる富士山や木曽駒ヶ岳での観測はその方向に沿ったもので評価できる。富士山、日本の山だけでなく、世界の山へアピールしてもらいたい。
最後に三浦和彦山岳大気研究部門長から、今年の夏は4年前のインターラーケンに続く2回目の山岳大気国際シンポジウムがコロラドであるので、この中からも発表してもらう予定である、との報告もあった。国際的にアピールする絶好の機会になるのではないでしょうか。
コロラド行きの前には、”温泉でのディスカッション"?!もお忘れなく。

 

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ポスター発表の様子学生が主体だったよう。

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2014NHKテキストナビにも紹介されている「水と大気の科学ー富士山頂の観測から」。書店でのテキスト販売開始は25日です。

ようやく春らしく暖かくなりました。桜の開花予想も聞かれ始めるこの時期は、何とはなしにウキウキしてきます。

新年度を迎え、書店のNHKテキストのコーナーにも4月から開講するテレビ・ラジオ講座のテキストがずらりとならびました。「今年こそは◯◯にチャレンジしよう!」と思っておられる方も多いのではないでしょうか。

このNHKカルチャーラジオ講座に、新年度から新たに加わったのが”科学と人の生活の接点を追う” 『科学と人間』シリーズ。そのトップバッターとして、4月から6月までの講座「水と大気の科学―富士山頂の観測から」を土器屋由紀子理事が担当します。
NHKカルチャーラジオ 科学と人間
水と大気の科学―富士山頂の観測から

新シリーズ! 科学と人の生活の接点を追う
4~6月 水と大気の科学~富士山頂の観測から 講師 土器屋由紀子

富士山測候所のデータからは、何がわかる?
PM2.5、原発事故による大気や海洋の汚染、温室効果ガスや酸性雨など喫緊の環境問題について、門外漢にもわかりやすく解説。

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「水と大気の科学―富士山頂の観測から」のテキスト。表紙写真は岩崎洋さんが撮影した富士山測候所。


放送はラジオ第2放送で4月から6月までの毎週金曜日20時30分から21時まで。再放送は翌週金曜日の午前10時から10時30分です。

第一回の放送は4月4日(金)20時30分から。
ラジオ第2放送またはネットラジオらじる・らじるR2で、この機会をお聴き逃しなく!
書店でのテキスト販売開始は25日。Amazonでもすでに予約受付を開始しています。

全13回の番組放送予定はこちらをご参照ください。


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