太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

2016年08月

20160819_pandastudio
 岩本洋子・東京理科大学助教(写真上)加藤俊吾・首都大学東京准教授(写真下)によるレクチャー

2015年度ドコモ市民活動団体(環境分野)の助成を受けて、実施している「地球球環境問題を学んでもらうプロジェクト」。

その事業内容は、①研究者が富士山頂で取得した環境データのリアルタイム配信し、多くの市民に大気汚染状況を知ってもらい地球環境問題への関心を促すほか、②山頂にある富士山測候所から大気科学の専門家によるレクチャーをインターネット配信し、環境問題の基礎知識のみならず、データの開設、環境科学研究現場の最前線についても一般市民に啓蒙する、というもの。

このうち前者の①については、すでに7月26日に 二酸化硫黄(SO2)リアルタイムモニタリングデータの公開を開始した。首都大学東京の加藤俊吾・准教授は2007年から、オキシダントなどの微量気体のモニタリングを行っているが、昨年から東京学芸大学鴨川研究室の協力を得てシステム構築を行い、SO2の10分間隔のリアルタイムデータを公開した。

夏の富士山頂では、SO2濃度が増加するほどの汚染大気の輸送イベントはあまりおこらないので、通常はほとんど濃度はゼロになるが、遠方の火山噴火検知や富士山噴火の事前検知に貢献することが期待されている。


so2monitoring
 二酸化硫黄(SO2)リアルタイムモニタリングのHP画面

さらにこの度、後者の②大気科学の専門家によるレクチャーのインターネット配信を開始した。富士山測候所では様々な分野の研究グループが利用しているが、中でも最大コミュニティを形成する環境科学研究グループ(主として大気化学グループ)は、二酸化炭素、PM2.5など多岐にわたる環境汚染物質を継続して観測し、地球環境保全に貢献している。環境問題の基礎知識のみならず、データの解説、環境研究現場の最前線の公開は、一般市民への啓蒙効果が期待されている。

レクチャーは3講座から構成されており、①岩本洋子・東京理科大学助教による富士山頂に設置してある各観測機材とその観測内容のレクチャー、②加藤俊吾・首都大学東京准教授による「富士山頂での夏季O3,CO,SO2の観測」のレクチャーで、講座③については追って公開する予定。

(*1)本事業は MCF 2015年度ドコモ市民活動団体 環境分野助成「富士山頂から地球環境問題を学んでもらうプロジェクト」で実施しています。
(*2)映像編集は、株式会社アルファ企画の協力を得て行いました。


3ac57b2ex
 ジャイアンさんが台湾から持ち込んだお土産

こんにちは。今回はアンコールにお応えしまして、ジャイアンさんのお土産についてご紹介します。

2週間近く測候所で大気観測を行っているジャイアンさん。そろそろ下山の時期が近づいてきました。今日から少しずつ下山の荷造りをはじめました。ジャイアンさんは、話すことと食べることが大好きです。彼は、毎回、測候所で会った人に台湾の食べ物を食べて欲しく、お土産として台湾食を持って来ています。

しかし、今回は少し多く持って来すぎましたね。今回、ジャイアンさんは測候所であまり多くの人に会えなく、お土産を渡すことができませんでした。ジャイアンさんは成蹊スポーツ大学から夕食をごちそうになったので、デザートとして台湾のお菓子を配ったくらいに留まっています。人が少ないのは、おそらくお盆を挟んだ日程だったからでしょう。

明日は、測候所で東京学芸大学、早稲田大学と筑波大学と合流します。今回の観測期間中、2度目の大所帯になります。
ジャイアンさん、明日が楽しみですね。
(リポーター:島田幸治郎)

image001
  台湾の野球チーム Lamingo の大ファンというジャイアンさん

こんにちは。第5回、最終回?は測候所での余暇についてご紹介します。

ジャイアンさんは、無類の野球好き。特に台湾の野球チーム Lamingo の大ファンです。測候所ではインターネットを使い、台湾の野球の結果を入手しています。「インターネットが使用できる環境がスゴイ。鹿林山ではインターネットは使用できないですよ」と彼は言う。

台湾の鹿林山の観測ステーションの設備は、アジア最高峰のステーションです。さらにアメリカのNASAや日本の東京大学などから持ち込まれた観測機器も稼働し、世界に開けた観測ステーションです。彼は「鹿林山にインターネットを整備するには、企業との協力が必要なので敷居が高いんです」と言う。

富士山測候所では、数年前から夏期観測期間中は庁舎内でWiFiが使える通信環境を実現しています。地上との観測データのリアルタイムでの送受信やPCのリモート制御などで、つながっているのが当たり前のように思っている研究者もおられるかもしれませんが、考えてみればこれはスゴイことなのですね。商用電源やネット環境などのインフラが整っていることは、高所研究観測拠点としての富士山測候所の最大の強みなのかもしれません。

ジャイアンさんは、「富士山から下山したら陽岱鋼の応援のため、日本ハムファイターズの試合を見に行きます。」と熱く語る。
ジャイアンさん、今日も1日お疲れ様でした。
(リポーター:島田幸治郎)
















image002
 ゴミ拾いが日課となったジャイアンさん

こんにちは。第4回は測候所での生活についてご紹介します。

ジャイアンさんは、いつも午前5時に起きて朝食をとってから、午前の水銀のサンプリングをします。今日は、成蹊スポーツ大学の学生と一緒にストレッチをしていました。ジャイアンさん、体育会系の雰囲気に慣れてきたようですね。

image001x
 成蹊スポーツ大学の学生と一緒にストレッチ

そして朝のサンプリング後に、学生達と一緒に富士山の散歩、お鉢巡りに行きました。お鉢巡りをしながら、学生達と一緒にゴミ拾いもしてきたようです。「富士山にはゴミが多い」一度は聞いたことがあるフレーズかもしれない。富士山を歩くと、ペットボトルやビニールなどの食料関係のゴミ、たばこの吸い殻、そして帽子や手袋といった忘れ物が目立ちます。「食料は登山のために必要、たばこは人類の文化、忘れ物はただの不注意。ゴミがでるのは仕方ない。それにしても落ちているゴミが多い」とジャイアンさんは言います。

もともと、ジャイアンさんはゴミ拾いをしてはいませんでした。ゴミ拾いをしている人を見て、彼もゴミ拾いをし出したそうです。「台湾では、日本に関することが人気です。富士山山頂でゴミ拾いをする行為が一つのブランドなんです。」と彼はいう。彼は続けて話す。「しかし最近は、お鉢巡りをしながらゴミ拾いをしないと、なぜかその日の調子がでないんですよね。」

どうもゴミ拾いは彼の日課になってしまったようですね。
ジャイアンさん、今日も一日頑張って下さい。
(リポーター:島田幸治郎) 

image001
 測候所で一緒になったびわこ成蹊スポーツ大学の一行と

こんにちは。第3回は測候所での交流について、ジャイアンさんの視点からご紹介します。

8月13日にびわこ成蹊スポーツ大学が、登山活動調査のため測候所に来ました。当会は、幅広い分野で富士山測候所を活用することで測候所に新しい価値を見いだすことを目指しています。富士山測候所では、異分野の人達が集まり交流する場にもなっています。成蹊スポーツ大学は、名前の通り体育会系の集団です。ジャイアンさんの名前の響きは体育会系かもしれませんが、彼は大気会系で、運動はとても苦手です。なので、彼は体育会系のアツイ感じが苦手なのです。

富士山測候所では、食事の時間帯が、なぜか他のグループと同じになることが多いです。その時に、お互いに会話をする時間にもなります。食事をしながらだと、なぜか会話が弾みます。結果的に、測候所では食事を通して異分野交流をしています。体育会系が苦手なジャイアンさん、食事をしながら会話をすることで、体育会系の人達と仲良くなり、一緒に写真を撮っていました。

「高所では低所と比べ、酸素が薄いため高山病になりやすく、環境要因からストレスが大きくかかると思います。そのストレスが掛かることで、普段では気にしない、ちょっとしたことが気になりストレスと感じています。しかし食事をしながら会話することで、ストレス解消になっていると思います。」と彼は言う。

ジャイアンさん、明日も頑張って下さい。

このページのトップヘ