岩本洋子・東京理科大学助教(写真上)加藤俊吾・首都大学東京准教授(写真下)によるレクチャー
2015年度ドコモ市民活動団体(環境分野)の助成を受けて、実施している「地球球環境問題を学んでもらうプロジェクト」。
その事業内容は、①研究者が富士山頂で取得した環境データのリアルタイム配信し、多くの市民に大気汚染状況を知ってもらい地球環境問題への関心を促すほか、②山頂にある富士山測候所から大気科学の専門家によるレクチャーをインターネット配信し、環境問題の基礎知識のみならず、データの開設、環境科学研究現場の最前線についても一般市民に啓蒙する、というもの。
このうち前者の①については、すでに7月26日に 二酸化硫黄(SO2)リアルタイムモニタリングデータの公開を開始した。首都大学東京の加藤俊吾・准教授は2007年から、オキシダントなどの微量気体のモニタリングを行っているが、昨年から東京学芸大学鴨川研究室の協力を得てシステム構築を行い、SO2の10分間隔のリアルタイムデータを公開した。
夏の富士山頂では、SO2濃度が増加するほどの汚染大気の輸送イベントはあまりおこらないので、通常はほとんど濃度はゼロになるが、遠方の火山噴火検知や富士山噴火の事前検知に貢献することが期待されている。
二酸化硫黄(SO2)リアルタイムモニタリングのHP画面
さらにこの度、後者の②大気科学の専門家によるレクチャーのインターネット配信を開始した。富士山測候所では様々な分野の研究グループが利用しているが、中でも最大コミュニティを形成する環境科学研究グループ(主として大気化学グループ)は、二酸化炭素、PM2.5など多岐にわたる環境汚染物質を継続して観測し、地球環境保全に貢献している。環境問題の基礎知識のみならず、データの解説、環境研究現場の最前線の公開は、一般市民への啓蒙効果が期待されている。
レクチャーは3講座から構成されており、①岩本洋子・東京理科大学助教による富士山頂に設置してある各観測機材とその観測内容のレクチャー、②加藤俊吾・首都大学東京准教授による「富士山頂での夏季O3,CO,SO2の観測」のレクチャーで、講座③については追って公開する予定。
(*1)本事業は MCF 2015年度ドコモ市民活動団体 環境分野助成「富士山頂から地球環境問題を学んでもらうプロジェクト」で実施しています。
(*2)映像編集は、株式会社アルファ企画の協力を得て行いました。