太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

2018年01月


「応援ポイント」支援機能終了のお知らせ

1月28日をもって、応援ポイントの支援機能は終了いたしました。応援ポイント以外の支援は継続しており、今後も無料で支援できる仕組みを作ってまいりますので、ご支援頂ければ幸いです。
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応援ポイントとは?
団体を応援する気持ちを、支援金に変えることのできるポイントのことです。 毎週「応援する!」ボタンやサポーター企業への「いいね!」のクリックで得られたポイントの合計で5 段階のゴールを達成していくと、ポイントに応じて支援金が届けられます。月曜スタートで毎週開催しているので毎月最大5回支援のチャンスがあります。

(Gooddoホームページより)

HPの「無料で簡単に活動を支援して頂けます!Gooddo」の赤いバナーは、この度1月末日をもってそのサービスが終了しました。これまでのクリックで応援していただきました皆さまにはこれまでのご協力に対し感謝申し上げます。

4年間の皆さまのクリックによる応援金額はこの2018年1月分までの累計で190,407円にも達しました。当NPO法人にとっては、ちょうど事務局のプリンターインク代などの消耗品の月々の購入経費に相当する金額で、貴重な財源となりました。

団体のページに掲載されているバナーをクリックするだけでスポンサー企業の広告掲載費の一部が寄付者が選んだ団体に回るというこの仕組みはソーシャルグッド(Social Good:社会貢献に類する活動を支援・促進するソーシャルサービスの総称)というらしい。当NPOがこのサービスを使い始めたのは2014年4月のことです。

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この図はGooddo導入以降の月別実績推移です。毎週1万点を前後していた応援ポイントは、2015年の8月には何と3万点を超えたこともありました。それ以降はやや低調に推移したのですが。

これまでご協力をいただいてきた方にとっては、毎朝のルーティーン「クリック!」がなくたったので、ちょっと戸惑っておられるかもしれませんね。サービスを打ち切った理由についてはわかりませんが、これからも新たな仕組みも考えてくれているようです。新しいサービスが始まりました際には、再度皆さまには「毎朝のルーティーン」に代わるご協力をお願いしたいと存じます。

以上、ご報告とお礼まで。

(関連ブログ)2015年08月17日 Gooddoポイント3万点突破御礼!

会報『芙蓉の新風』は会員向けの広報誌であるが、内閣府政府広報室が全世界に向けて発信している広報誌に『Highlighting JAPAN』がある。1月号『SCIENCE & TECHNOLOGY』シリーズで「RESEARCH AT THE TOP OF MOUNT FUJI」と題して、富士山測候所を活用する会が取り上げられた。

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昨年12月に、三浦事務局長(東京理科大学教授)と土器屋理事が取材を受けたものであるが、初校では終了したばかりの国際シンポジウムACPM2017(山岳域における大気化学・物理に関する国際シンポジウム2017)については触れられていなかったので、この会議のことも最後の方でしっかり押し込んでもらった。

なお、Highliting Japanは 政府の広報なので、日本語版中文版もある。このほか、印刷版については国内国際空港、JR主要駅・観光案内所、全国の観光案内所、主要大学などに配付されているそうなので、立ち寄った時はぜひ手に取ってご覧いただきたい。

新年は2日のNHK総合新春アンコールアワー『ブラタモリ』再放送での鴨川理事(東京学芸大学准教授)から始まり、大河内理事(早稲田大学教授)のクラウドファンディングがらみなど、メディアへの露出機会が特に顕著だ。お陰さまで大河内先生のクラウドファンディングは、目標金額を大きく超えることができた。この場をお借りしてご支援いただいた皆さまに感謝申し上げます。

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そして、鴨川先生、大河内先生のおふたりはそれぞれBS-JAPAN『科学ミチル。世界は未知で満ちている』に出演するなど、広報は新年から快調に飛ばしている。これが当会の活動を理解していただき、ひいては皆さまからのご支援につながって行くことを願っている。

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大変お待たせしました。会報『芙蓉の新風』Vol.12を発行しましたので、ウェブ版で一足先にご紹介いたします。印刷版は1月31日に刷り上がる予定ですので、会員の皆さまのお手元に届くのは2月初になります。あとしばらくお待ち下さい。

夏期観測10周年事業として、昨年11月上旬に5日間の会期で御殿場市時之栖で開催された「山岳域における大気化学・物理に関する国際シンポジウム(ACPM2017)」は、当NPOにとっては、いうなれば10年に一度の大イベント。今回はこの特集号として通常より4ページ増の12ページとし、表紙から裏表紙までACPM2017の関連記事を満載しています。

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寄稿には「高所医学からみた富士山頂の魅力」と題して井出里香理事(都立大塚病院医長)に執筆していただきました。もうひとつの寄稿「富士山測候所の歴史を訪れてー野中到・千代子のお孫様宅を訪問」は、昨年11月に佐藤監事(元富士山測候所長)と土器屋由紀子理事が野中勝様宅を訪問し、貴重な資料を拝見し、 お話をいただいたときのレポートです。

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会報Web版(全ページ)はこちらからご覧になれます。
会報『芙蓉の新風』Vol.12(2018年1月31日発行)全ページダウンロード


※会報でご紹介した「国際シンポジウムの舞台裏から」の詳細はこちらをご参照ください。
2018/01/09 国際シンポジウムの舞台裏から(その1)プロローグ
2018/01/10 国際シンポジウムの舞台裏から(その2)臨時事務局の開設…電話は山頂班ケータイ
2018/01/11 国際シンポジウムの舞台裏から(その3)晴れのち曇りでも満足した1日ツアー
2018/01/12 国際シンポジウムの舞台裏から(その4)窮地を救ったプロジェクター
2018/01/13 国際シンポジウムの舞台裏から(その5)Tsona is here !
2018/01/14 国際シンポジウムの舞台裏から(その6)ポスター会場への誘導策はサンドイッチ
2018/01/15 国際シンポジウムの舞台裏から(その7)George Lin 先生のこと/想定外のクレーム
2018/01/16 国際シンポジウムの舞台裏から(その8)まだ残っていたひとたち
2018/01/17 国際シンポジウムの舞台裏から(その9)エピローグ


国際シンポジウム ACPM2017 の目的
山岳域における大気や水に関する 物理・化学などの研究分野に携わる 世界の研究者が参集し、山岳域の汚染、山岳域での観測による地球環境の監視など、山岳を中心とした自然環境での大気や水に関する研究成果を共有し、大気や水に関わる環境問題の解決の方針を探ることを目的とする。

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会議には12の国・地域から101人が参加した。このうち研究者・学生は77人(日本47人、海外30人)。世界中でこれだけ多くの研究者が山岳で研究・観測を行っており、また、国内でも富士山以外にも、丹沢、立山、八方尾根など多くの山々を研究観測のフィールドにしていることを知ったのは新鮮な驚きであった。

テクニカルプログラムは5日間の会期のうち実質的には3日間であったが、研究成果の発表と討論を通じて、またセッションの合間合間に設けられたコーヒーブレイクなども活用し、十二分な意見交換が行われ、所期の目的を達成することができたのではなかろうか。

講演に関しては事前に作成したプログラム集にある口頭発表は41件、ポスター発表に関しては1件を除く33件がすべて予定通り行われたが、この予定通りというのは国際会議では稀なことらしい。直前の出席キャンセルなどに対して柔軟にプログラムを練り直したプログラム委員の尽力に依るところが大である。また、広報委員が Announcement や Reminder などをこれでもかこれでもかとメール発信し続けたことも参加者の定着率向上に寄与したことにつながったと思う。
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会議の準備段階ではウェブサイトの不備や問い合わせに対する初動遅れなどで、少なからぬ海外からの参加者にご迷惑をおかけした。今後の反省材料としなければならないであろう。一方、会議の当日運営に関しては、多少のトラブルは発生したものの、会場委員がホテルや東部地域コンベンションビューローの協力を得て迅速に対応し、その影響を最小限にとどめることができた。

全体的には、参加者から「家族的な」「convivial(陽気な)」といった声が聞かれた。同じ会場で5日間通して顔を合わせていたことで、初対面なのにずっと前から知り合いのようなとても打ち解けた雰囲気であった。100人という規模ならでは、だったのではなかろうか。

このような国際シンポジウムを運営したという実績は、その中心となったNPO法人にとって新たな前例を作ったともいえる。これにかかわったメンバー、特に若手研究者や学生には、この経験を財産にし、自信につなげるようにしてもらいたいものである。

さて、新年早々の1月3日、Johanes Stahelinから土器屋先生あてに「次のACPMの準備に着手するため ACPM2017 のウェブサイトを見ようとしたがアクセスできない(*1)。会議プログラムと参加者リストを送ってもらえないか」というという依頼があった。

3年後、2020年の第4回ACPM開催に向けた準備の動きは、すでにヨーロッパで始まった。ACPMと山岳域における大気化学・物理の研究がさらに発展することを願っている。
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 会議終了の翌日の11日、参加された小林喬郎様からメールに添付して送られてきた富士山の画像

[件名:見事な国際会議でした] 2017年11月11日(土)
素晴らしい国際会議をご苦労さまでした。長年の準備と見事な連携活動でお疲れだったと思います。私も大いに刺激を感じて有意義で楽しい時間を過ごすことができまして、感謝いたしております。
小林 喬郎(福井大学名誉教授)

(*1)
ACPM2017の公式ウェブサイトについては、契約が終了したことにより以前のURLでは見ることはできないが、現在はそのクローンをNPOのホームページのサーバーに残してあるので、以下のURLで参照することができる。
URL:http://npo.fuji3776.net/acpm2017_website_clone/acpm2017.jp/index.html


(国際シンポジウムの舞台裏から 終わり)

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 会場となった御殿場高原リゾート 時之栖(ときのすみか)


"The conference was very well organized and everything was going smoothly"

最終日を迎えた。2F『さくらの間』の前の受付デスクには、最後の事務に即応できるよう1F臨時事務局に置いてあったプリンターを運び出した。領収書の発行や帰りの電車の乗り継ぎダイヤの作成・プリントなどその場で対応できるようにするためである。

朝の発表が始まる前、前日のブログでも紹介したMartine C. Coen(スイス)が「さくらの間」のロビーで加藤先生に何やら相談していた。「会議が終わった後にちょうどいいバスがないので早く帰るという人がいる。何とかならないか」ということのようだ。

調べてみると、会議が終るのは12:30であるが、三島駅行きのシャトルバスは確かに14:00までない。その前のバスは12:00発なので会議はまだ終わっていない。ホテルの営業部長に相談したところ、12:45に三島駅行きの臨時便を出してくれることになった。
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 12:00と14:00の間に臨時便を出してもらうことになる

前日のバンケットを最後に帰った研究者もいて、最終日はところどころ空席も目立つようになった会場では、午前中の最後のセッションをもってすべての発表を終了した。

引き続き、閉会セレモニーが行われた。今回のシンポジウムでは優秀な研究をした学生へ賞が授与されることになり、実行委員会から依頼された12名の審査員による投票の結果、中村恵/早稲田大学、桃井裕広/東京理科大学、Ghislain Motos(スイス)の3名が表彰された。

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 畠山実行委員長(中央)を挟んで優秀研究賞を受賞した桃井裕広/東京理科大学(左)と中村恵/早稲田大学(右)

次いで畠山実行委員長から本シンポジウムにおける発表を対象として論文の投稿が促され、Aerosol and Air Quality Research誌に特集号が組まれることになったことが報告された。

次回のシンポジウムは3年後2020年にヨーロッパで開催されることになっており、開催国は今後決定がなされる予定であるが、ポーランドの研究者から飛び入りで立候補の意思表明と開催予定地を紹介するプレゼンテーションが行われた。

最後に、第1回シンポジウム開催者でもあるJohannes Stahelin教授(スイス)がClosing Remarksで "The conference was very well organized and everything was going smoothly." と会議の成功を褒めたたえたうえで会議の計画と運営にあたった実行委員会に対して感謝とねぎらいの言葉があった。

5日間の会議はこれをもって、すべての予定を終了し閉会した。

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 次回2020年のポーランドでの開催をアピールする
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 Closing Remarksを述べるJohannes Stahelin教授
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 次回の開催を受け持つことになる?ポーランドの研究者


臨時シャトルバスのニュースは会場で加藤先生がアナウンス。その前にポツリポツリと会場を抜け出て帰る人もいたが、12:45発の臨時便はほぼ満席のACPM関係者26人を乗せてホテルを出発した。残った実行委員や学生スタッフは8Fのレストランで昼食をとり、それぞれ14:00発のシャトルバスや車で帰路についた。

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 12:45発の臨時シャトルバスはほぼ満席で時之栖を後にする


まだ残っていた人たち

事務局の二人は、東京事務局に送る荷物の手続きなどをして15:00のバスまで時間をつぶすことになった。もうホテルには関係者は誰もいなくなったと思っていたが、玄関前でクロアチアの Sonja Videcと Dr. Cleo Kosanovic、それに彼女の夫で同伴者として参加している Danko Kosanovic のいつも一緒の三人組と出遭った。

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  左からDanko Kosanovic, Cleo Kosanovic, Sonja Videc (Banquetで)

聞くとホテルにはもう一泊してこれからアウトレットへ買い物に行くところだという。Danko Kosanovic が「とてもいい会議だった。自分は大気化学の専門家ではないが化学者(Chemist)なので、発表内容は十分理解することができた。参加して良かったよ」と言ってくれたのはうれしかった。

Sonja Videc と言えば、参加費の支払い方法やホテルの料金のことなどで土器屋先生に何回もメールをしてきていたので、その名前は御殿場に来る前からよく覚えていた。彼女が最も理解に苦しんだのはシングルとツインの料金の違いだった。
Dear Organizers,
I am in the process of registering Dr. Cleo Kosanovic who is going to attend the conference and will have accompanying person (her husband). During the registration process I have noticed that the accommodation for one person in a twin room is JPY 1,800 more expensive (JPY 9,800 per person) than if they registered separately (JPY 8,000). Can you explain me please
  1. Why it is not possible to book/check a double room with 2 persons staying in the room and with the price for double room (JPY 12,700)
  2. What is the reason for charging the room JPY 9,800 per person per day (total JPY 98,000 for two persons for 5 days) when single room costs JPY 8,000 (total 40,000 per person).
  3. If the cost of a double room for single use is JPY 12,700 per night what is the cost of the double room for 2 persons? Why this option is not listed, especially since you offer possibility of accompanying person? 

実行委員の皆さま
会議に参加する Cleo Kosanovic と彼女の同伴者(夫)の登録をしようとしていたところ、ツインルーム1人料金(9,800円)がシングルルームで別々に泊まる料金(8,000円)より1,800円高いことに気がつきました。
以下について説明していただけませんか。
  1. ツイン部屋に2人で12,700円で予約できないのはなぜか。
  2. シングル部屋が8,000円なのに一人一日9,800円をとるのはなぜか。
  3. ツイン部屋に一人で泊った場合12,700円なのなら、二人で宿泊した場合の料金はどうなるのか。
日本では「1泊2食」の旅館の商習慣がベースになっている関係で、ホテルでも部屋単位でなく人単位の料金としている。日本と外国のこの考え方の違いから説明しなければならず、土器屋先生が粘り強く対応して了解をいただいた。
Dear Yukiko
Thank you for clear explanation. I was a bit surprised with the room charge per person but I understand now.

明快に説明していただきありがとうございます。一人当りの室料にはちょっと驚きましたがわかりました。
文化習慣の違いを説明するのは大変なことと改めて思い知らされた。

最終日のこの日、最後の講演に立ったのが Sonja Videc だった。土器屋先生は「彼女の講演だけはどうしても聴かなければ」と会場に入ったが、とてもわかりやすい良い発表だったそうだ。論理的に説明を求める彼女らしい理路整然とした話の組み立てだったに違いない。

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 最後に発表する Sonja Vidic (クロアチア)

Sonjaたちと別れた後、ロビーに戻ると今度はフロントで Ross Petersen に出くわした。彼も「もう一泊してこれから温泉につかってのんびりしていくんだ」と。「また今度日本に来たら会おう」と言って別れたが、翌週、東京で再会することになろうとは思いもよらなかった・・・。

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