太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 スタッフブログ

2018年10月

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  おなじみの風船型地球儀を使って講演するシュネル博士

  コーヒーブレイクの後、座長の大河内先生に紹介されて、理科大の学生さんたちが膨らませておいた風船型地球儀をもってシュネルさんが登場。 冒頭、「学生諸君はいまから始める試験に通らなかったら卒業できないかもしれませんよ」と学生が大半を占めた聴講者に向けて切り出しました。

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 最初のスライド

まず、透明な地球儀を北極側、南極側からそれぞれ見せながら、「北半球と南半球の違いは何でしょうか?」と問いかけました。「陸地です。南半球にはほとんど陸地がありません。人間が住み、植物が育ち、大気汚染が発生するのはすべて北半球なのです。今日は、それをデータでお見せしましょう」

「大気の厚さはどれだけあるでしょうか?」「1㍑のガソリンを燃やすと何㌔の二酸化炭素が発生するでしょうか?」「二酸化炭素はどれだけの期間大気中に留まっているでしょうか?」会場には次から次へと質問が飛んで行きます。

「地球温暖化が進んではかりしれない影響がでようとしています。自分はもう若くはない。君たちはいずれ科学者とか政治家になるでしょう。そのときに自分たちは何をなすべきかを言う立場になるのです。いまこそ、そのことを考えはじめなければなりません」・・・話にグイグイ引き込まれ、1時間の講演はあっという間で短く感じられました。

なお、 講演はすべて動画で録画してあり、パワーポイントもいただいているので目下事務局で編集中です。近くホームペーにアップする予定で準備をしています。

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(上)加藤俊吾首都大学東京准教授の "Trace gas observation at the summit of Mt. Fuji during summer"(下)野村渉平国立環境研博士研究員の "Change of carbon cycle in the Asian region from the analysis of CO2 data at Mt. Fuji" 講演

前半は、岩本洋子先生の座長で、加藤先生と野村先生が現在の富士山頂で行なわれている研究を報告しましたが、熱心な質問と活発な議論がありました。     

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    風船型地球儀を膨らませる理科大の学生さんたち

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    質問するシュネルさんと「無料の小さな図書館」

シュネルさんは講演のほかにも、NPOにお土産をくださいました。それは前回ブログでご紹介したお手製の「無料の小さな図書館」で、なんと、はるばるコロラドから荷物として運んできてくださり、講演会場で紹介されました。(シュネルさんの研究者以外の「横顔」についてもご紹介しましたが、そのスライドもいずれホームページでご紹介します。)

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        講演終了後の会場で

講演終了後は、理科大・理窓会クラブで懇親会があり、若い人中心の賑やかな集まりで、シュネルさんもこの12年間のNPOの発展と活動を分かって下さったようです。

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      懇親会会場で

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   懇親会会場で

(広報委員会)

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10月22日(月)午後、沼津から東京事務局を訪ねて来られたM.T.(右)さんとお友達です。
お土産に「わさびせべい」と手作りパンをいただいてしまいました。


M.T.さんからは、事前に下記のようなメールをいただきました。
祖父がNTT(旧電電公社)に勤めておりまして、昭和20~30年代に電話線を富士山頂に引く仕事をしていたそうで、その足跡を探しております。
山頂に長期滞在の仕事をしていたそうで、その頃の山頂での生活、測候所の電話活用状況など知りたく思っております。
また伊勢湾台風のことも調べております。
どうぞよろしくお願いいたします。
しかし、せっかく沼津から来られたのに事務局にはあまりお役に立てる情報はなく、志崎大策著「富士山測候所物語」(成山堂、2002),「気象百年史」「カンテラ日記」などの文献を紹介することくらいしかできませんでした。

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「情報官・林謙一が見た 昭和16年 富士山測候所」

事務所の書籍の中に「情報官・林謙一が見た 昭和16年 富士山測候所」写真展(2015年6月2日JCII フォトサロン発行)の写真集に、当時の富士山測候所の壁掛け式電話機の写真が何枚かあったので、ご紹介しました。帰りがけにその写真集を入手するために事務所近くのJCIIフォトサロンへご案内しましたが、バックナンバーを購入することができ、よろこんでおられました。

昨年以来、ホームページのバーチャル博物館などの充実を図っていますが、このような広い範囲の御質問にも対応できるようになるのはいつのことでしょうか?

(広報委員会)



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イベント情報でお知らせしましたが、10月20日(土曜日)10時30分~12時、静岡県地震防災センターで鴨川仁・東京学芸大准教授の講演「静岡県を守る学際的な自然災害予測研究~富士山(3776m)から駿河湾(-2500m)まで、火山・地震・津波・雷ほか~」が行なわれました。予め申込制の講座でしたが、会場を埋め尽くす80名の熱心な聴衆を前に講演が行われました。

  この講座は静岡県防災センターが取りまとめとなり、県内の災害・防災科学技術に関係する  大学の研究者が中心となって「ふじのくに防災学セミナー」として開催されているものです。富士山の噴火のみならず東海地震の発生が切迫した問題と言われている静岡県の 防災意識の高さから、県防災センターが設立され、多くの展示物、講習などが センターにて行われています。

  これまでに、静岡県内の関係研究者を中心に、国内の研究者も講演していますが、今回は担当大学でもある東海大学の客員准教授を兼務する、鴨川仁准教授が、第111回目の講演を行いました。

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  講演内容は多岐にわたり、鴨川先生が物理学を背景に、様々な自然災害予測に貢献するように行ってきた研究に加えて、本NPO法人の学術科学担当理事として、旧富士山測候所を活用した雷・極端気象、富士山における火山防災研究を行なっていることの紹介、また、いわばライフワークとして学生時代から行なっている地震先行現象研究、地震準備過程物理、短期直前・中期地震発生予測などについて熱のこもった講演で、最後に、宇宙からの早期津波予測研究の紹介もありました。

  80名の参加者は、専門家ではなく県民で、このことから県民の危機意識の高さが窺われます。
本NPOの関係者では、長尾理事、藤井理事もかつて本セミナーにて講演を行なっています。
  今回、旧富士山測候所で行なわれた防災的研究が、初めての紹介されましたが、地元の静岡県からNPOの研究者が選ばれ、旧富士山測候所が、防災研究にも直結していることが明らかになったことはNPOにとっても大変喜ばしいことです。

(広報委員会)








1016日の富士山

2018/10/16, Tue 09:52
みなさま

 昨日、山梨県側で”初雪化粧”というような報道がありましたが、今朝、富士山を見てみると静岡県側でもかなり雪がついているのがわかりました。多分このまま根雪になるとは思えませんが、まさに冬の到来ですね。

東海大学海洋研究所
長尾年恭

東海大学海洋研究所長・長尾年恭理事から今朝の写真を速報メールで頂きました!
有難うございます。

(広報委員会)

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  前列中央がラス・シュネル博士(2006年3月4日、NPO主催の国際シンポジウム@学士会館で)

  ラッセル C. シュネル博士は、2006年以来、NPOの主催する国際集会に出席して、その後、台湾などいくつかの共同研究に参加するなど、本NPOの富士山測候所を活用する仕事を精力的に応援してくださいました。本NPO法人が富士山測候所の国際的有効利用に向けて2006年にアピール宣言を提出しましたが、その英文はシュネルさんにお願いしました。

  昨年11月に御殿場市で開催したACPM2017には、いち早く参加の意思を示され、NOAAの研究発表を予定しておられました。こちらも10周年を迎えたNPOの成果を見ていただけると張り切っていたのですが、この時は直前になって体調不良で欠席されました。

  今回は、韓国への出張の途中で日本に立ち寄って、この特別講演を引き受けてくださいました。シュネルさんはポスターでご紹介したとおり、大気ベースライン観測の専門家で、Natureなど160報の原著論文を含めて300報以上の論文があり、受賞歴も19件に上ります。特にオゾン層の研究では、1988年ノーベル化学賞の受賞者、Paul Crutzenとの共同研究のような、第一線の研究を長年続けてこられ、いまでも、2018年に既報2、印刷中5、投稿中1、の現役の研究者です。  2007年にアル・ゴア氏とともにIPCCがノーベル平和賞を受賞したときのメンバーの一人でもあります。

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         シュネルさんと作品の「Little Free Libraries」(2018)

  シュネルさんはこのような素晴らしい科学者ですが、旅行が趣味で南極大陸を含めて世界91カ国を旅しながら研究を続け、今回の日本訪問のもう一つの目的は、45年前シベリア鉄道を旅した仲間に、会うことも含まれるとか。

  趣味は木工細工、写真に示すような「小さい木製の図書館」をたくさん作って、設置することで、既に4カ国に21個設置したとか、富士山にも一つ・・・というお話もあり、楽しみにしています。

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日  時: 2018年10月26日(金)15:00-17:40
会  場: 東京理科大学神楽坂キャンパス 2号館 2階 221号室
プログラム:
15:05-15:30 
Trace gas observation at the summit of Mt. Fuji during summer
 加藤俊吾 首都大学東京 准教授
15:30-15:55 
Change of carbon cycle in the Asian region from the analysis of CO2 data at Mt. Fuji
野村渉平 国立環境研究所 博士研究員
16:20-17:20  
The Air We Breathe: It is not what it used to be
Dr. Russ C Schnell
ラッセル C. シュネル  米国海洋大気局(NOAA)全球大気モニタリング部 副部長
(広報委員会)

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