太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

2019年02月

12成果報告会ちらし2019-03-05


お待たせしました!!3月17日開催の「成果報告会」のチラシをお届けします。

NPO法人富士山測候所を活用する会は例年、この時期に前年夏の富士山頂利用で得られた成果報告会を開催しています。今年も昨年同様、東京理科大学森戸記念館で、3月17日(日)の13時から、昨年の夏の研究成果を報告します。

今年の報告会の実行体制には、委員長として古田豊・ガリレオ工房理事、副実行委員長には鴨川仁・東京学芸大准教授を迎えて開催します。2018年の夏の観測で活躍したこの二人は、本NPO活動が12年目にあたる昨年夏の成果について、報告会のスタイルの新しい提案も含めて以下のようにアレンジしています。

”口頭発表15件は持ち時間12分と従来より短縮して、ポスターセッションに去年より長いコアタイムの時間を取っています。口頭発表では「できるだけ他分野の方にもわかるように易しく」話して、同じテーマで同時にポスター展示も奨励し、「専門的な詳しい話」はポスターを見ながら直接マンツーマンでやって頂こう”

というのが新しい提案です。このほかの、ポスターセッションだけの発表もあります。

プログラムは近日中にホームページに公表しますが、簡単にご紹介すると:

13:10-14:22の第一セッションは、副実行委員長の鴨川先生の大気電気・雷研究に始まり、防衛大瀬口貴文さん他のジャンピングクラウドの話に、三浦和彦先生、大河内研の大力充雄さん、米持真一先生、永淵修先生と大気化学観測関係の発表が続きます。

14:22-15:30 ポスターセッションコアタイム

15:30-16:30  第2セッション は、東京学芸大・村田浩太郎さんの雲核微生物の話、国立環境研・野村渉平さんのCO2通年観測、首都大・加藤俊吾先生の火山性ガス、福井大・小林喬郎先生のレーザー観測システム、ヤマザキの安本勝さんの避雷技術に関する話です。ここで15分間の休憩を挟んで、
16:45-17:33 第3セッションは、山梨大・居島薫さんの宇宙線ミュオンによる富士山透視、富士山チャレンジプラットフォームの田中義朗さんの実証実験、ソニーセミコンダクターの荒島謙治さんの通信実験と新しいプロジェクトテーマが続き、最後は実行委員長の古田先生の「理科準備室へようこそ」の教材開発の話と続きます。

また、ポスターセッションのみの発表(23件)の中には、チラシの写真になっているドローン観測(早稲田大学、大河内博教授)、富士山頂の花粉粒子の輸送モデル(京大三木健司さん)、山頂で検出された中性子上昇が雷起源かどうか(カリフォルニア大、サンタクルーズ校、D.A.Smithさん)、高所滞在時の脳実質変化のMRI(自治医大・金澤英紀先生)など新しい研究が従来の研究課題に加わり、大変充実した内容になっています。

奮ってご参加ください。

(広報委員会)










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   授業の様子


鴨川グループの一員として富士山頂の大気電気観測に参加されている宮下敦成蹊大学教授は、今年1月初めのブログにも成蹊気象観測所長として、登場して頂きましたが、昨年11月に武蔵野市立第三小学校6年生を対象に出張授業をされたことが、成蹊学園サステナビリティー教育センター概要の2019年1月号に載っています。

活動内容は、小学校6年生の「土地の作りと変化」の導入として、火山としての富士山について話されたものです。この科目には地層、火山もしくは地震の内容が含まれています。授業では、まず富士山の位置や高さと吉祥寺からの見え方を調べました。富士山の形をスケッチした上で、富士山の噴火史と形の関係について簡単な実験を通じて観察する教材を体験するものでした。

授業後のアンケートもほぼ全員が「とても楽しかった」とのこと。本教材は、富士山測候所を活用する会の活動の一環で、実際に山頂を見学した上で開発したもので、富士山についての理解を深める活動に利用できることが実証できました。

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   富士山の砂粒をスケッチ(試料の砂はアマゾンから購入)

PB270290
    ライトスコープで富士山の砂を観察


PB270339
   富士山の砂で富士山の模型を作る

なお、宮下先生によると、
”中学校理科でスライムなどを使った火山の形の実験が教科書に載っているのですが,溶岩の粘性だけで火山の形を説明する方法は火山学者からは評判がよくありません.今回の教材はその代案で,富士山の形「を模擬的に説明するのに」は粉体の降り積もりと流水による変化の方がよいモデルではないかと考えています.検索した限りでは小中学生に,この形で模擬実験をした前例はないようです”

無題
   2016年 8月26日 富士宮5合目から山頂へ徒歩で向かう宮下先生と鴨川グループ

山頂での観測参加の経験が、このような形で教材作りも役立っていることがわかります。

(広報委員会)

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