太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 スタッフブログ

2019年08月

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 富士山頂でインタビューに応じる鴨川仁・事務局長

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  東京のスタジオには三浦雄一郎・副理事長(左)とプロスキーヤー登山家医学博士の三浦豪太氏(左)が出演

昨日のブログでは8月30日の「富士山測候所の記念日」から入ったので前後して恐縮ですが、さる8月11日(日)は「山の日」。この日の18:00-18:55、日テレの生放送報道番組『真相報道 バンキシャ!』に、当会の三浦雄一郎・副理事長と鴨川仁・事務局長がそれぞれ東京のスタジオと富士山頂から出演しました。

何しろ、ぶっつけ本番の生放送。当日の山頂の気象状況が悪天候の場合はどうするか?など、事前の調整も大変難しかったようですが、この日、富士山頂は見事に晴れ上がり、陽に光り輝く雲海が広がる絶好の撮影日和になったようです。

内容は地球温暖化が叫ばれているいま、富士山頂で起きている異変…60年前の山頂には8月でもまだ残雪がかなりあったのに、今の山頂ではほとんど見ることができないという現実を対比した衝撃的な映像。そして、それに対応するため富士山測候所で行なっている国立環境研究所の二酸化炭素の観測現場を案内しました。


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 8月の山頂における現在(上)と60年前の積雪状況(下)

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 国立環境研究所が行なっている二酸化炭素の通年観測装置

スタジオの三浦副理事長からは、標高を利用した高山病の研究なども行われていることを補足していただきました。「山の日」にあたり、富士山測候所を活用する会の活動がこのような形で紹介されたということは大変ありがたいことです。

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取り上げてくださいました日本テレビにお礼申し上げます。
ちなみにこの週 (8/5-8/11) の視聴率は教育・教養・実用【関東地区】のジャンルで4位(11.1%)という高視聴率でした。
真相報道バンキシャ! 日本テレビ 19/8/11(日) 18:00-55  11.1%
(広報委員会)

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 「野中到・千代子資料館」のホームページ。背景写真は明治28年富士山頂剣ヶ峰に建設した観測所の木片で、「二代目所長藤村郁雄氏が本建築工事の折、地下より発見」のメモが残されている。なお、ロゴは野中到が設計した富士山観測所の計画図面から起こしたもの

昨日、ホームページのトップでニュースリリースしましたが、1895年(明治28年)野中到が富士山頂に私財を投じて日本最初の富士気象観測所を建設した日が8月30日で、本日は「富士山測候所の記念日」になります。

私たち「芙蓉日記の会」は本日、新しいホームページ「野中到・千代子資料館」を公開いたします。明治28年の冬期における観測資料、野中到・千代子の年表、写真など多数の未公開資料を、バーチャル博物館の一部に新たに加えて、再構築し全面リニューアルしています。

今回ぜひ見ていただきたいのは下記の、年表、観測資料や写真などの資料です。特に観測資料は、野中到の手書きのデータシートを発見したことはニュースです。データについて、メンバーによる学会発表(日本気象学会2019年度秋季大会、10月28-31日,福岡国際会議場)を予定しています。また、書籍、出版物についても大幅に更新しました。

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年表 野中到・千代子の生涯の出来事を大森久雄編『野中至野中千代子「富士案内・芙蓉日記」』の情報などから作成し、富士山気象観測と世の中の動きを併記して時系列に整理してあり、本資料館のインデックスの役割も果たしています。なお、この調査の過程で、これまで新田次郎の小説の記載には事実と異なっているものが少なからずあることもわかりました。
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資料 アーカイブは「資料」「書籍・出版物」に大別し、「資料」はさらに「器械・用具等」「文書」「写真」に分類してあります。これらの貴重な資料は野中勝様が所有されているもので、野中邸にお邪魔して撮影させていただいたものです。高精細なカラー画像をこれまでの調査に基づく簡単な説明などのメタ情報を付けて公開し、画像は拡大して見ることもできます。
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気象観測資料 野中到・千代子が1895 年(明治28 年)10 月1 日から12 月22 日まで厳冬の富士山頂で2 時間毎に計測した気温、気圧、風速・風向などデータと考えられ、これまで存在が確認されていなかった資料です。大判の集計用紙に万年筆手書きで記入されています。本データを使った調査も進められており、その一部は10 月の気象学会秋季大会で発表される予定です。
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写真 1886 年(明治19年)野中到が学生時代に撮った写真から晩年の1947年(昭和22年)頃までのこれまで未公開の写真を多数掲載しています。この写真は1914 年(大正3 年)頃、御殿場滝ケ原野中別宅で撮影されたものです。
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書籍・出版物 「書籍・出版物」は「著作」「小説」「その他出版物」に分類、「著作」は『地學雜誌』,『氣象集誌』,『気象百年史』などに掲載された野中到・千代子の文献が中心で、J-STAGE や国立国会図書館のデジタルアーカイブの該当著作にリンクを貼り、PDF でご覧になれます。年表の拠り所とした『富士案内 芙蓉日記』(大森久雄編)もここに掲載しています。
資料のうち、書簡、手帳、ノートなどの直筆の文書はまだまだ多数あるのですが、今回のリリースには間に合いませんでした。引き続き翻字や解読作業を行なっていますので、逐次公開する予定です。

このホームページをきっかけにして、一人でも多くの皆さまに高層大気観測の実践的先駆者 野中到・千代子夫妻ひいては富士山頂の観測の歴史を知っていただき、貴重な研究サイトとして富士山測候所の再認識していただければと思っております。
「芙蓉日記の会」





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 撤収作業を終えて下山前の大気化学グループの面々と早大・大河内教授(2列目右端)。桃井さん(千葉大・前列右端)と五十嵐さん(東京理科大・前列左端)が中心となった二人。

30度以上の温度差をものともせずカンボジアの大気汚染調査から戻られた大河内先生からの一報です。

8/22(木曜日),大気化学グループは無事に撤収作業を終えました.

千葉大・東京理科大・金沢大・帝京科学大・早稲田大学の学生さんが庁舎での運び出し,ブル積み込み,太郎坊での積み卸しと計量に活躍してくれましたので,非常にスムースに作業を終えることができました.

とくに,千葉大の桃井さん,理科大の五十嵐さんに中心的に動いてもらいました.ありがとうございました.

皆巳さん(石川県立大学)にも積み卸しにお越しいただき,下山組のために飲み物までご用意いただきました.
御礼を申し上げます.

今年も反省点は多々ありますが,来年度もよろしく願い申し上げます.

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 撤収作業中に室内に入った帝京科学大学・和田先生の眼鏡が曇ってしまいいかに外が寒いかわかります。

 
8月31日(土)の閉所まではあと数日ですが、安全第一をモットーに本NPOは研究活動を応援しております。

R04 富士山頂における窒素酸化物の観測 
和田龍一(帝京科学大学) 大気化学 継続 
富士山頂旧測候所に窒素酸化物分析装置(化学発光法)を設置し、富士山頂大気中の窒素酸化物濃度の連続観測を行う。窒素酸化物は、光化学スモッグの主要成分であるオゾンの濃度に影響を及ぼし、また酸性雨の原因となる硝酸の前駆体物質であることから大気環境問題における重要な化学種となる。本計画では、富士山頂にて観測した窒素酸化物濃度から東アジアからの越境汚染に関する知見を得る。

R03-2 富士山頂におけるナノ粒子の粒子径分布の測定
東秀憲(金沢大学) 大気化学 継続 
昨年に引き続き、富士山頂にNano-SMPSを設置し,粒子径 3 nm~65 nm程度の微小粒子を計測することで、富士山頂における新粒子生成過程の考察を行う。また、今年度もナノサンプラを併設することで、粒子径別にフィルタ上に分級捕集した粒子の化学組成の分析を試み、富士山頂にて観測されるナノ粒子の起源についても検討する。

S02 富士山体を利用したスカイラジオメータによるエアロゾルの鉛直分布観測
桃井裕広(千葉大学大学院融合理工学府) 大気化学 新規 ※学生公募
富士山測候所で観測した天空輝度分布を解析することでエアロゾルの鉛直分布を求め,エアロゾルの放射強制力の計算への新しい知見を与える.また,大気清浄下でのリモートセンシング装置の校正実験に挑戦し,バックグラウンド大気観測を行うことで衛星データの検証を行う.
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(広報委員会)


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2019/8/23, Fri 21:45
お世話になっております。京都大学の三木です。
本日までラトビアのRigaで開催しております、第12回Pollen Monitoring Programmeという学会にて、富士山測候所での実験についてポスター発表をしてきました。

ヨーロッパを起点とした花粉採取の小さな学会で、日本人のみならずアジア人が私だけの学会でしたが、富士山の実験の発表では色々と意見をもらうことが出来ました。

とりあえず、富士山測候所での実験が陽の目を見ることができ、ホッとしております。賞なども無い学会なのですが、一応発表証書をもらいましたので、画像をお送りいたします。 

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今後ともよろしくお願いいたします。
三木  

8月6日(火)-7日(水)、研究グループメンバー5名で富士山頂で実験をした京都大学の三木健司さんから届いたメールです。早速この実験をラトビアで開催された国際学会で発表されたということです。三木さんは昨年に引き続き、学生公募での参加です。
S01 富士山山頂における大気生物学のための花粉採取 ※学生公募
三木健司 (京都大農学研究科)
植生限界において、比較的大きな生物粒子である花粉粒子を採取し、花粉粒子の高高度飛散の条件を検証する。花粉情報は、測候所において空中飛散花粉を採取し、目視で花粉数のカウント及び識別を行うことで、花粉の時別データを得る。得た花粉データとともに同時系列の気象要素の観測結果を解析し、花粉種・量と花粉輸送環境の関係を明らかにする。
山頂での実験を終えて下山したあとの8月9日(金)にもメールでご報告がありました。遅くなりましたが合わせてご紹介させていただきます。

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2019/8/9, Fri 11:38
京都大学の三木です。
今年も無事に実験を終了し、無事故で全員帰学いたしました。
実験に際し、鴨川先生、土器屋先生、事務局の皆様、岩崎班長、大河内先生の研究グループの皆様、三浦先生の研究グループの皆様、基地管理の皆様など、大変多くの方々に支えていただきました。ありがとうございました。

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また、観測所に滞在した8月6日の夜は、夜空を見上げると、ちょうど国際宇宙ステーションが飛んでいるのが見え、月と木星と国際宇宙ステーションの共演を日本で一番宇宙に近い場所で見ることが出来ました。

写真には納められませんでしたが、ご報告しておきます。
富士山山頂は空気が綺麗なので、大変綺麗に見えました。
今後ともよろしくお願いいたします。
三木  

(広報委員会)

 


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 山頂のポストに投函する静岡県立大・村田浩太郎博士(撮影:鴨川仁事務局長)

そろそろ皆様のところに山頂の消印のある残暑見舞いは届きましたでしょうか?
山の日を挟んだ3連休の8月12日(月)、トライアル研究のため上山していた静岡県立大の村田浩太郎博士に託して、山頂の郵便局のポストから投函していただきました。

昨年までの「暑中見舞い」が今年は立秋も過ぎて「残暑見舞い」になってしまいましたが、「届きましたよ」というご連絡をメールやチャットに多数いただくようになりました。ささやかな涼風をお送りできたとすれば嬉しいです。

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  2019年の残暑見舞い

今年は、気象庁との借用契約第4期(2018.9-2023.8)の初年にあたり、35件を超える研究活動、高性能の画像によるライブカメラ、2007年以5,000人以上の研究者が旧測候所を利用して、忙しく活気に満ちた夏期観測ですが、山頂はすでに秋の風が吹いているようで、本日から大気化学の撤収作業が始まっています。

一方、新たな利用者が増えれば、新たな問題も発生します。山に慣れない利用者による事故ギリギリの事態もあり、圧倒的な人手不足の事務局の緊急事態をベテランの山頂班や御殿場班、長年の利用者である研究グループが支えて何とか凌いで無事故でやっているという側面もあります。

あと10日足らずで8月も終わりますが、最後まで気を抜かないように安全に完了したいと考えております。


R09T 富士山頂における氷核活性微生物の探索  ※トライアル研究
村田浩太郎(静岡県立大学)
雲物理/生物学
空気中に存在する微生物は生物氷晶核としてはたらくことで雲物理に関係している可能性がある。しかし、観測ベースでの情報は極めて少なく、上空に存在する微生物種や、それらの氷晶核としてのはたらきの有無はほとんど明らかにされていない。そこで、富士山頂において空気中の浮遊微生物を採取し、培養あるいは遺伝子解析による組成解析をすることで、上空微生物叢の特徴を明らかにする。くわえて、採取した微生物培養株について、氷核活性を液滴凍結法によって調査する。 

(広報委員会)









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