
私は富士山が大好き!
今夏は400名をも超える研究者が旧測候所を利用され、そして無事に全ての活動を終えられたとのこと。一参加者として富士山頂の過酷さを実感した上で、富士山測候所を活用する会の運営の方々や山頂班の方々、多くの人の尽力によってこれらの活動がなされているのだと強く思う。
私自身は静岡に住んでおり、富士山頂での研究や活動についてテレビや新聞で見ることが多々ある。社会に還元される取り組みや山頂のユニークな環境を生かした研究の素晴らしさが取り上げられている。ただ今回この場を借りて少しだけ私の登山の様子を書いてみたい。彼らが行なっていることがすごいのが更に伝わる気がする。
富士山は標高3776㍍であり、山頂での気圧は地上よりだいぶ低く、空気が薄い。普段通りの呼吸では、空気中の酸素を十分に取り組むことができない。そうしてなるのが、高山病。今夏は7月の三連休に旧測候所で滞在、研究のお手伝いを行なった。昨年度の反省を踏まえ、体力作りに登山一週間前からの禁酒など、万全の準備で挑んだ。万全だったはず・・・
13日土曜日の朝4時に富士宮口五合目入り。体を慣らすために車の中で布団をかぶって仮眠をとる(布団をかぶることで少しでも効率的な高地順応ができるのではないかとの思いつき)。他のメンバーと合流して7時に登山開始。
曇天だったため、太陽に体力を奪われることもなく、順調。調子に乗り飛ばしすぎると後が怖いので、スピード配分しつつ、やはり最後は少しきつくなりつつも、13時に山頂の神社に。お参りをして、おみくじを引いて、雨が降りはじめたので慌てて、剣ヶ峰にある旧測候所まで。この坂が一番つらい。急斜面で石を下に転がさないように(整備してくださる方には本当に感謝)自分も転がらないように最後まで足元に気をつけなければいけない。
曇天だったため、太陽に体力を奪われることもなく、順調。調子に乗り飛ばしすぎると後が怖いので、スピード配分しつつ、やはり最後は少しきつくなりつつも、13時に山頂の神社に。お参りをして、おみくじを引いて、雨が降りはじめたので慌てて、剣ヶ峰にある旧測候所まで。この坂が一番つらい。急斜面で石を下に転がさないように(整備してくださる方には本当に感謝)自分も転がらないように最後まで足元に気をつけなければいけない。
13時25分に旧測候所着。山頂班の方に迎え入れてもらう。その時はなんだかいける気がしていた(去年は着いた時点でソファに崩れ落ちた)。室内気温5度、ストーブの前で暖をとりつつのお昼ご飯。自分が3日間の滞在でできることを、あまり回らない頭で考えつつ・・・やはり空気が薄いだけでこんなにも頭が回らないのかと、酸素のありがたさを感じる。
1時間は休憩を取ろうとみんなでゆっくりする中で、徐々に頭に鈍い痛みが。脈と連動した感じにずきずきし始める。危ない予感がした。高山病には水分とエネルギーが効くというから、水に塩ようかん。
1時間は休憩を取ろうとみんなでゆっくりする中で、徐々に頭に鈍い痛みが。脈と連動した感じにずきずきし始める。危ない予感がした。高山病には水分とエネルギーが効くというから、水に塩ようかん。
その鈍い頭痛を感じ始めてから一気にだめになった。ビニール袋を握りしめ、ひっくり返る胃。頭は割れそうに。眠って痛みを忘れてしまいたいが、こういう状態で呼吸に気を使わない睡眠は良くないので、ソファで丸くなる。何もする気にならないし、できる気もしない。高山病である。
15日月曜日、午後から天気が悪くなるということで、朝方に今できるだけの作業に徹するメンバーのお手伝い、撤収のお片づけ。今回は最後まで頭が重すぎた。もしかしたら天気の悪さに寒さも悪さをしていたのかもしれない。予定より少し遅れたが、昼12時過ぎに旧測候所を出発。
少し早足で下山。高度を下げるにつれて、はっきりしてくる思考。空気が美味しい。呼吸が楽しい。膝は笑ったが、山頂でほとんど動けなかった自分が嘘のようにぴょんぴょん下りることができた。14時半には五合目。15時半には富士宮の家でお風呂に浸かっていた。数時間前のあのつらさはなんだったのだろうか・・・高山病か。
少し早足で下山。高度を下げるにつれて、はっきりしてくる思考。空気が美味しい。呼吸が楽しい。膝は笑ったが、山頂でほとんど動けなかった自分が嘘のようにぴょんぴょん下りることができた。14時半には五合目。15時半には富士宮の家でお風呂に浸かっていた。数時間前のあのつらさはなんだったのだろうか・・・高山病か。
高山病にいいことなんか何もない。体力のなさに不甲斐ないばかりだ。今回も冬あたりから定期的な運動を心がけて準備してきたつもりだったが、それでも高山病になってしまった。重く痛い頭に、焦点の合いらい視界に、受け付けない胃。高山病ダイエットでも提唱して一儲け?下界でのご飯は美味しくてすぐに体重は戻ったが。本当にいいことなんて何もない。程度の差こそあるが、普段平地で過ごしている私たちが富士山頂に行けば、苦しくなるのは当然か。
でもそんな過酷な環境にある旧測候所では多くの研究が行われており、輝かしい成果があがっている。観測は基本的に夏季開山中に限られており、7月になると多くの装置が設置・運用され観測データを取り、8月末には撤収される。台風が来れば停電もするし、平地とは異なる環境で不具合を起こす機材もある。限られた道具や情報の中でそれらを直さなければならない。
全ては研究者の方、山頂班の方、富士山測候所を活用する会の運営の方々の密な連携に、高山病にも屈しないエネルギーがあってこそ。実際に目にしている私でも、中の人たちのマルチな能力、バイタリティが信じられない。薄い空気の中でも活躍している彼らは、本当にすごいのだ。(伝われ
)

つらいつらいと言ってばかりだったが、私は富士山が大好きである。この夏も三連休以外に4回登り、登らない時も富士山が見える日は田貫湖や河口湖に車を走らせる。最後にこの夏に撮ったお気に入りの写真を3枚。

標高2780mで(8月12日撮影)
五合目から300mほど高度を上げると宝永山より上になり、頂上で高山病に苦しまなくても、ここまで来られれば御来光を見ることができる。富士宮口新7合目にはそれこそ御来光山荘という山小屋があり、そこに宿泊して早起きして御来光を待つのも一手

宝永山横の第一火口の縁(9月7日撮影)


標高2780mで(8月12日撮影)
五合目から300mほど高度を上げると宝永山より上になり、頂上で高山病に苦しまなくても、ここまで来られれば御来光を見ることができる。富士宮口新7合目にはそれこそ御来光山荘という山小屋があり、そこに宿泊して早起きして御来光を待つのも一手

宝永山横の第一火口の縁(9月7日撮影)

夜と朝が隣り合わせの空(8月26日撮影)
駄文な上に長文、失礼しました。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
(学生会員 伊藤有羽)
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