第61回 大気環境学会のHPより
2020年9月16日(水) 15時~
大気環境学会 酸性雨分科会が、オンラインZoom会議で行われました。
テーマ山岳・高山地域における湿性沈着・乾性沈着の調査・研究内容標高が高い地域における湿性沈着・乾性沈着調査・研究に焦点をあてた研究者による発表を行う。標高が高い地点での観測には特有の苦労や工夫があり、それらも含め、気象要素等も踏まえた調査・研究の成果をご講演いただき、互いの研究者が情報共有と今後の研究の発展を議論する場として分科会を開催する。
第61回 大気環境学会 HPより
分科会スタートの様子。参加者は76名。中央左はアジア大気センターの会議室から参加。
酸性雨分科会の世話人、
石川県立大学の皆巳先生の顔が現れ出席をチャットで確認。
北海道立総合研究機構の山口氏(上記写真中央)の司会で
分科会が始まりました。
講演は3本。
3本目に本NPO大河内副理事長が講演しました。
講演タイトル『世界遺産・富士山頂で地球大気環境を調べる:
雲水化学観測を中心に,最近の大気中マイクロプラスチックまで』大河内 博 (早稲田大学理工学術院)
高所域(3000m級)における雨水/霧水を採取しているのは、世界でも4地点だけで日本は世界的に見ても酸性度が高い。大河内研究室では、富士山頂で越境輸送による雲水の重金属元素を測定している。中国では世界の80%のレアアースを製造しているので、その影響はどうなのかと?
貴重な研究結果をお話しました。
話題の“マイクロプラスチック”についても。
マイクロプラスチックの
採取方法と分析方法も詳しく解説!!
マイクロプラスチックの採取方法のスライド
富士山頂で採取されたマイクロプラスチックは、
ポリプロピレン(PP)、シリコーン樹脂の順に多かった。
富士山頂測候所についてもお話しました。
「富士山測候所のクラウドファンディングに、
このグループからたくさんの応援を頂き有難うございました」
と、お礼の言葉で最後を締めくくりました。
講義後の質疑応答では活発な質問がありました。
総合討論でも、
「マイクロプラスチック」、「オゾンの謎」が話題に上がりました。
その討論の内容を少しだけご紹介いたします。
最近、アジア大陸由来のオゾン(オキシダント)濃度の減少傾向にあり、一時、オキシダントで植生の壊滅を心配していたものが(例えば、立山の「ぶな平」がぶなが消えて「杉平(?」になってしまいそうだったが持ち直したと思ったところ・・・)しかし、最近また上昇傾向にあるようで、その原因がわからない
(講演者の渡辺先生、佐藤先生)大河内先生はオゾンが成層圏大気からも降りてくる富士山の経験から、「上方からの移流も考えられないか?」
と発言、加藤俊吾先生に発言を要請。
「詳しいことは今後調査する。
(今センサーによる通年観測を検討中でオゾンなら可能性がある)」
(東京都立大学 加藤先生)
尽きない話題でしたが、和気あいあいの雰囲気の中、
北海道立総合研究機構の山口氏の名司会で
17時10分には終了して「酸性雨研究会の総会」へと移行しました。
(広報委員会)