
今回は、昨年度から富士山環境研究センター(LERMF)のメンバーとなった藤原博伸特任研究員をご紹介します。
昨年度まで長きにわたって都内私立女子高校で物理の教諭であった藤原先生は、現在、大河内副理事長の早稲田大学の研究室で社会人博士課程として大学院に在籍し、博士号取得も目指しています。
現在行っている研究は、首都圏に発生する積乱雲における雷活動と大気化学物質の関係を調べており、富士山から撮影された積乱雲の映像なども使って研究活動を行っています。
最近も、日本大気電気学会英文誌で論文発表をいたしました。
富士山環境研究センターとしては新しいメンバーになるのですが、このように、研究活動も活発に行っており、本NPOには15年近くも深く関わっていただいています。
例えば、いくつかの研究グループの観測装置には、藤原先生の手が入っているものが多く、太郎坊で稼働させていた大河内研究室の雨水採取器は全て藤原先生のお手製です。
話によると数100万円の市販の機器と同一の機能とか…
また、山頂においても雷観測の機器ハウジング、オリジナルデータロガーの開発が稼働しているなど、本NPOへの貢献をあげたらキリがありません。
こういった物作りだけでなく、自動データ転送のプログラム、自動解析プログラムなども作り、プログラマーとしてもNPO内で長きに渡って支援していただいておりました。

夏季の1号庁舎屋根で見慣れた光景となっているこのハウジング。
フィールドミルと呼ばれる静電気を計測するセンサーを保護するはハウジングは台風でも壊れず、静電気の測定を邪魔せず、景観も保護する優れものです。
このような藤原先生のお手製のハウジングは山頂で複数使われています。
この写真は2010年のセンサー設置時であるが、商用品であるフィールドミルだけでなく、藤原先生設計・製作のフィールドミルも並行して設置されました。

2010年山頂で越冬観測を目指した雷電波を計測するデータロガー。
中のセンサー、ロガー、防水・景観考慮したハウジングまですべて藤原先生の製作によるもの。
いわば最強とも言える研究者が今回、富士山環境研究センターに入ったということは、今後、多くの研究者との交流で、さまざまな観測の質がグッと上がってくるに違いありません。
2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
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