太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

2022年11月

    表紙

埼玉県環境科学国際センターニュースレターは年4回発行されますが、その第57号(10月発行)のトップを飾る研究報告に、富士山観測に関する村田さんの研究が詳しく報告されました。

  • タイトル


ニュースレター全体の1/3を占める2ページ分を使った報告で、分かりやすい力作です。

まず、「大気環境研究の別の側面」として、大気汚染研究とは一味違って、雲の中で降水のきっかけを作る「氷晶核」を研究することがのべられ
次に、「雲や雨を作る氷晶核」の項で雲のでき方に関する説明

       図1  

そして、「日本一高い場所での観測」の項では
   富士山頂の登場です。
       写真1
日本一高い富士山が「孤立峰」であるため、上空の大気の観測に最適であることが説明されています。

「氷晶核を測る」の項目では、細かい目のフィルターを使って試料を採取し、集めた試料の処理や、クリーンベンチで測定する工程が説明されています。

        写真2

また、測定結果についても2021年の結果を中心に考察し、雲を作るのに効果的な氷晶核の多くは鉱物よりも、微生物など生物起源粒子であるという新しい発見について述べ、昼間はこれらの粒子が巻き上がる可能性があること、微粒子というミクロな視点から、山が気象や気候に与える影響についても言及しています。

最後の項は「埼玉の雨は・・?」です。
富士山で研究したことが、地元でも役に立つことがどのように示されるでしょうか?
詳しいことは是非、本文にアクセスして下さい。

地方自治体の中で唯一、富士山頂の大気化学研究を行っている埼玉県に心から感謝のエールを送り、今後の研究成果に期待したいと思います。

(広報委員会)




認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

羽花山老人日記(1)

10月9日の羽花山老人日記というブログに取り上げて頂きました。
茨城大学名誉教授によるこのブログには、「雷の豊作」の話とともに、丁寧に読んでいただいた感想が載っています。有難い先輩です。

専門外のわたしには,理解が及ばないところが多々あったが,測候所を利用しての研究者たちの目覚ましい活動と,重要性は理解できた。

測候所は文字通り日本一高い富士山頂にある。また,富士山は独立峰であり,円錐形をしている。この位置,高さ,形が,特に大気観測において重要な意味をもっている。偏西風に乗って越境してくる大気中の物質の監視は,富士山頂ならではである。山頂は自由対流圏にあり,欧米に比べると数少ない東アジアの測候所として,富士山測候所は国際的にも重要である。世界各地の測候所とはデータの交換をするネットワークが形成されている。

測候所を利用しての研究は公募で,夏を中心に様々な分野の研究者が参加している。本書に紹介されている分野をあげると,大気環境の監視,大気中微生物の観測,高所医学研究,雷観測,気候変動,放射能の監視,富士山の噴火と噴火予知,と多岐にわたっている。

高所にある測候所の管理は大変で,研究に必須の電力は麓から地下に埋没された10.9キロの送電線を通して,法人が買い取っている。送電線の維持管理も容易ではない。必要な物資はブルドーザーの前部に乗せてゴトゴトと運び上げる。高地での研究者の健康管理も配慮しなければならない。こうした管理運営は,数少ない法人のスタッフが全て担っている。

認定NPO法人「富士山測候所を活用する会」は,国や地方自治体からの財政的援助を受けていないという。運営費はすべて会費と寄付で賄っている。研究者の自発的努力によって,自由な発想で研究を遂行することは確かに素晴らしいことではあるが,わたしはこのように重要な研究活動を放置する施政者には自覚をうながしたい。
まさにこちらの言いたいことを書いて頂いていて有難いです。

その他も、出版されてから今までに、色々な方からコメントを頂きました。

「悩ましいことがつぎつぎに起こり、日々の暮らしがささくれ立つような気配の中、自然科学の学問に裏打ちされた親切丁寧な記述に接し、こころがほぐれてゆくように感じました。」(出版社社長)。
「ほんとうに幅広い分野におよぶ、興味深い話を読んでいると、これこそまさにサイエンスの宝庫であると感じ、自分が何も知らなかったことを恥ずかしく思います」(医師)
「若いころ、中谷宇吉郎の「雷」(岩波新書)を読んで興味を持ち、雷が鳴ると写真を撮り、楽しんでいました。富士山は平地から見る雷と違って、良い研究のフィールドなのだと思います。」(昆虫研究者)
授業で富士山測候所について紹介させて頂くことがあるので、その際にもぜひ活用させて頂きたく思っております。Facebookで今夏の研究活動の様子やライブカメラ映像も拝見しておりましたが、様々な困難な状況の中、研究活動もそのサポートも継続され、ただただ敬服するばかりです。陰ながら貴NPOの活動を今後も応援させて頂きたく思っております。(私立大准教授)
先ずは綺麗なカバーに感嘆し、中身をパラパラめくりました。「富士山だからできる研究」と「富士山で調べていること」の二部構成は的確ですねえ。まだ、拾い読みの段階ですが、雷が層状雲からも起きていること(161ページ)には驚きました。でも改めて考えてみれば大いにあり得ることで、こんな観測例が示されるのはやはり富士山ならでは…ですね。(気象庁OB,元測候所勤務)
「日本一高いところにある研究施設」とうい副題がすばらしいですね。17年会を続けられ、その間に2冊も本を出版されているというエネルギーに敬服いたします。富士山での大河内先生の観測はよく伺っております。このようなしっかりしたプラとフォームとそれを維持される多くの方の努力の賜ですね。(国立大教授)
・・・第6章の放射性物質の話と、108頁付近のPFOAの話にまず目を引かれました。我が家の水道水にはPFOAがかなり入っているようなので。(国立大名誉教授)

みなさま夫々に温かいご感想を有難いですね。
なかには、次のようなご提案も。
これは電子本化はなさらないのですか?何しろびっしり書かれているので、文字が小さいのが残念なのです。文章の方はともかく、図表の文字は拡大したくなります。どうかご検討頂けないでしょうか?本は紙でなくてはという方もいらっしゃるとは思いますが? (生物学者)
実は、成山堂書店さんからのご連絡で近く電子版も発行される予定になっています。さらなるご購読をお願いいたします。

(広報委員会)




認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

  

スクリーンショット 2022-11-05 10.02.28

11月2日23時から放送のTBS news23で、食用の魚からも検出「マイクロプラスチック 人体への影響は?」というタイトルの番組中、早稲田大学の屋上で試料採取する大河内先生の画像が短い時間でしたが放映されました。

番組では、50年前の楳図かずお作「漂流教室」の漫画の紹介から始まります。

農工大・高田秀重教授と留学生が東京湾の砂浜で、マイクロプラスチックを採取する画像が紹介され、レジンペレットや、色付きのMPsを留学生と採取。
プラスチックが水に浮く簡単な実験を行い、国境を超えて遠くまで運ばれることを説明されていました。

インドネシアからの留学生は、母国でのプラごみについても心配していました。

また、皇居のお堀の泥の層からの分離実験では、
1900年ごろはゼロだったマイクロプラスチックが、
1950年ごろから少し見つかりはじめ、
2000年代になると急増することが示されました。

東京湾のカタクチイワシ64匹中49匹の中からマイクロプラスチックが見つかり、
人体への影響が懸念される中
東京大学の酒井康行教授がヒト由来の細胞実験でその可能性を示し、
炎症反応での危険性を語っていました。

「マイクロプラスチックは大気中にも存在」
大河内副理事長の観測により、新宿の大気中から1立方メートルあたり6.5個確認された例を紹介。

プラスチックを身にまとったお化の仮装による、プラスチックゴミ削減を呼びかけるハロウィンのパレードが杉並区で行われました。
市民の間にもプラスチックゴミ削減の意識が広まってきています。

それにしても、プラスチック廃棄量がアメリカに続いて世界第2位の日本は、
未来に対して責任重大です。

(広報委員会)



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富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
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本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
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 鴨川仁専務理事撮影、2022年10月31日15時35分、JAL機上より

すんごいのが撮れました(⌒∇⌒)

第66回宇宙科学技術連合講演会@熊本城ホール(2022/11/1(火)~11/4(金))に参加のため、JAL便に乗った鴨川仁専務理事から興奮したチャットが飛び込んだのは昨夕(10月31日)です。
今、CAさんに事情を聞きました。
高度は6.1kmで飛んでいたようです。
雲の下スレスレを飛んでいたので普段よりはかなり低めです。
雪はまた融けたんだと思います。測候所が見えたので感激しました!!
よく見ると右上に測候所がはっきり見えますね。
さらに追加情報として、
JALの九州便は、このルートを通るようです。
今回、富士山頂が接近して見えたのは、気流の関係で、高度を下げて飛んだからだそうです。
測候所までわずか3 km程度だったと思いますので、びっくりですね。
unnamed
 もう一枚、アップ画像で、右上が測候所です。

このブログを書いていたら、
御殿場の古谷朋之班長から
10月30日の山頂付近の写真が送られてきました。
1日違いますが、山頂付近の現場写真です。

DSC_1329
 
DSC_1331

DSC_1343
 2022年10月30日 古谷朋之御殿場班長撮影

この時期の山頂と、お鉢の雪の具合がわかる貴重な資料として併せて速報でお送りします。

(広報委員会)



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富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
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