太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

2023年01月

今年も会報17「芙蓉の新風」、新しくなったパンフと要覧を、ご寄付を頂いた方々、助成団体、会員への発送が、1月12日に行われました。
発送3点
 発送された会報17,パンフ、要覧

いずれ本ホームページにも掲載いたしますが、年の初めの心構えとして
宿利正史NPO会長の巻頭言を皆様にお送りします。

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   会長 宿利正史

皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

また、常日頃から当会の活動に対しまして格別のご理解とご支援を賜っておりますことにつきまして、厚く御礼申し上げます。

さて、昨年世界は、COVID-19が未だ終息を見ない中、2月にロシアがウクライナに武力侵攻するという暴挙を目の当たりにすることとなりました。同時に世界は、グローバルサプライチェーンの中でエネルギーや食糧を如何にして安定的に確保するかという切実な課題に直面することになりました。

 このような激動する世界情勢の中で、当会は昨年、COVID-19に適切に対処しつつ、着実に活動を実施し、成果につなげることができました。

 まず夏期観測については、万全の準備を整えた上で、7⽉1⽇から9⽉9⽇まで71⽇間にわたり、延べ約500⼈が参加し、25のプロジェクトを無事終了することができました。事前の2週間の体温測定、 PCR 検査、パーティションの設置、消毒、換気の徹底などに取り組んだ⼭頂班、御殿場班を始め、裏⽅の努力が報われて無事故で観測を終えることができたことは、特筆に値すると思います。

科学界では、雷放電・雷雲から放射線が発生することが大きな話題になっておりますが、今年の富士山頂における夏期観測で、カリフォルニア大学サンタクルーズ校と静岡県立大学が高機能の機器を使い、落雷からの放射線の検知に成功しました。今回の成功は、放射線の発生機構の解明につながる貴重なデータとなるものです。

また、⼤河内副理事⻑グループが、大気中マイクロプラスチックを含む雲⽔、エアロゾルの観測結果などを9月の⼤気環境学会年会で多数発表し、ポスター発表部門で若手優秀発表賞を受賞しました。

2022年度のこのような活動の実施にあたっては、新技術振興渡辺記念会、⽇本郵便年賀寄付⾦配分事業、WNI気象⽂化創造センター、JT「SDGs貢献プロジェクト」、富士山後世継承事業費補助金、東京仕事財団のテレワーク促進助成金等、多くの機関からの助成・補助等のご支援をいただいておりますことを特記し、感謝申し上げたいと思います。

以上昨年の当会の活動についてその一端をご紹介いたしましたが、今年もさらに工夫と努力を重ねて優れた成果につなげていきたいと考えています。不透明・不安定な時代においてこそ、グローバルな、普遍的なテーマに関する科学研究・調査の積み重ねが重要であると考えます。


まさに、こんな時代だからこそ、本NPOの科学研究・調査の大切さを喧伝してゆきたいと思います。
(広報委員会)



認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。

富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。


また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。


しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。


本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

 日本では近年観測された地震数が年を追うごとに増えているように見える事を報告させて頂きました。
 はたしてこれは何を意味しているのでしょうか。種明かしをしますと、実際に地震活動が活発になったのではなく、観測網の充実により、地震計の数が増えたための人為的な効果です。
 その証拠に昔の観測網でも十分に検知できたマグニチュード5以上の地震について、その発生数を比較してみましょう。
 次の2つの図は、前回のブログで掲載させて頂いたマグニチュード1以上の地震(再掲)と昔の観測網でも十分に検知できたマグニチュード5以上の地震の年別発生数です。

スクリーンショット 2023-01-16 8.44.16

マグニチュード1以上の地震観測数

スクリーンショット 2023-01-16 9.05.39

マグニチュード5以上の地震発生数

 上の図を見ますと、1970年以降のマグニチュード5以上の地震発生数は2011年を例外としてほとんど変化していない事がわかります。この図からも2011年の東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震がいかに大きなイベントであったかがわかります。
 また縦軸が地震数ですが、いかに小さな地震が多いかという事にも注目して頂きたいと思います。

 つまり日本列島の地震活動が近年活発になっているのではなく、観測網が充実したため、より小さな地震まで観測できるようになったというのが答えとなります。

 次にお示しする図が1970年以降に発生したマグニチュード5以上の全ての地震です。全部で7104個が観測されています。ちなみに地震の色は発生する深さの違いとなっております。太平洋側から日本海側に向けて、地震が発生する深さがだんだん深くなっているのが大きな特徴です。
スクリーンショット 2023-01-16 9.13.52

(文責:長尾年恭)


 
お待たせしました。先週のブログの「種明かし編」です。納得して頂けたでしょうか?
このシリーズはまだまだ続きます。引き続きご注目願います。
(広報委員会)





認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。


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最近のMLO(R.C.Schnell博士提供)
1月12日のブログでご紹介しましたが、マウナロア観測所(MLO)は昨年11月末の噴火による溶岩で道路が寸断され、通行不能になっています。しかし、MLOの建物、測定器などは噴火による被害を受けていないとのことです。
シュネルさんから送られた画像を上に示します。
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 現在唯一の交通手段であるヘリコプター(R.C.Schnell博士提供)
被害を受けたのは通勤に使う道路と、麓から送られている送電線で、その復帰には1年かかると考えられ、現在シュネルさんたち職員はヘリで通っています。一日も早い復旧を祈りたいですね。

なお、1月12日のブログの動画でご紹介した、溶岩の流れについて、火山噴火の専門家の長尾年恭理事から次のようなコメントを頂きました。

 ハワイ島には4,000メートルを越える山が2つあります。1つは標高4,205mで、環太平洋で一番高いマウナケア山。そしてその南側に位置するのがマウナロア山です。マウナロアは、標高4,170mと高さこそマウナケアより若干低いのですが、実は世界で一番体積の大きな火山と考えられており、海底からの標高は8,000mを超えるとされています。

 マウナロアは2014年に活動を再開するまで30年近く休眠状態だった火山です。その活動は2019年に激しくなり、2022年9月以降、本格的な活動が始まったようです。

  マウナロアが噴火すると、溶岩(マグマ)の粘性が極めて低いため、溶岩は高速で流れ出し、数時間のうちに海やリゾート地の人口密集地域に到達するのです。その溶岩の性質のため、マウナロアは火山として極めてなだらかで、盾を伏せたような形をしています。


長尾画像



 現地時間10月14日にこの地域としては比較的大きな地震が発生しました。すでに地震は少なくとも20個ほど発生しています。米地質調査所によれば最初の規模はM4.6で、24秒間揺れが続いたあとM5.1の強い揺れが同島南部パハラのハイウェー付近を襲ったという報道がなされています。


2022年10月14日からの地震活動
長尾画像2

 そして11月27日、ついに38年ぶりの噴火が始まりました。
マウナロアは世界最大の体積を持つ活火山と言われています。マウナロアの噴火が最初に記録されたのは1843年で、最後の噴火は1984年でした。マウナロアの溶岩は粘性が低く、爆発的な現象は伴わないのですが、すでに他の情報にありますように、山頂への道路が寸断されてしまったようです。地球環境モニタリングのためにも、できるだけ早い復旧が望まれるところです。

(文責:長尾年恭)

長尾理事の連続投稿ブログ(1月10日1月16日1月19日)と併せてお読みいただければと思います。
本NPOには、多彩な理事が分野横断的な共同研究を行っており、マウナロアについても多くの情報が集っております。今後ともご注目願います。

(広報委員会)




認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。

富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。


また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。


しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。


本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。


阪神淡路大震災から28年
 今年の1月で阪神淡路大震災から28年が経過しました。また9月には関東大震災の発生から丁度100年となり、すでに色々なプロジェクトが始動しています。
 1995年1月17日、兵庫県を中心とする地域でマグニチュード7を超える直下型地震(兵庫県南部地震)が発生しました。これが阪神淡路大震災です。もはや今の大学生にとっては教科書の中の出来事であり、兵庫県で大きな地震が発生した事自体を知らない学生も多くなってきました。
 それまで「地震だ、すぐ火を消そう」という事が地震発生時に最も強調されていました。これは関東大震災で多くの方が火災で亡くなったという経験に基づいています。
 それに対し、阪神淡路大震災では建物倒壊が死者が増えた大きな原因でした。そのため、耐震補強の重要性が強調されるきっかけとなった震災となりました。
 この地震発生まで、地震観測網は基本的に気象庁が全国展開し、一部東海地方等に当時の科学技術庁・防災科学技術研究所が観測網を展開していました。いわゆる大学(旧制帝大と分類されている大学:東大、京大、東北大、北大など)は、微小地震観測網を大学独自で展開していましたが、そのデータはリアルタイムでは共有されていませんでした。
 そのため、科学技術庁(当時)は、高密度の地震観測網の全国展開を計画し、それが実現する事になりました(現在の高感度地震観測網:Hi-net)。ある意味、当時の文部省と科技庁の大型科学研究の綱引きの結果、科技庁が勝利したのです。

国立研究開発法人 防災科学技術研究所
Hi-net 感度地震観測網
https://www.hinet.bosai.go.jp/summary/?LANG=ja

次の図は地震観測網の発展を示したものです。いまや陸域ではおよそ1000点に達しています。

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 次の図は1970年以降に発生したマグニチュード1以上のすべての地震を図示しています。日本列島が見えなくなるほど数多くの地震が発生しています(地震数として200万個以上!)。色の違いは地震が発生した深さの違いです。

1970-2022M1D700

 これらの地震がいつ発生したかについてのグラフが次になります。一年ごとの地震発生数(観測数)となっています。

スクリーンショット 2023-01-16 8.44.16

 グラフを見ますと、地震発生数が年を追うごとに段々増えている事がわかります。そして2011年には地震数が突出して増えています。これは東日本大震災の影響ですが、はたして日本列島の地震活動が活発化しているのでしょうか? 
 この種明かしは次回以降のブログで行ないたいと思います。

(文責:長尾年恭)

種明かしは来週です。是非ご注目を!
 (広報委員会)





認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。


 少し前となりますが、2021年9月19日、槍ヶ岳周辺を震源とする地震があり、岐阜県高山市で震度4、長野県内では安曇野市で震度3を観測しました。この地震では、上高地周辺の明神岳等で、大きな崩落が発生し、その記録が映像として残っています。

“地震で崖崩れか?山肌に砂煙を上げる長野・明神岳 飛騨地方で震度4の地震があった19日夕撮影”


 巷間でよく言われる事に、「地下は地表より揺れない」というのがありますが、それは本当なのでしょうか?これはエネルギー保存法則の点から一般的には本当なのです。
 地震は地下深くで発生し、その揺れが地表に到達します。理論的には地表は地下の2倍揺れる事が知られています。
 これは空間に対してどれくらいの割合が空中か地中かという事が関係しています。横から見ると空間全体の角度は360度となります。それに対して地表面が存在しますと2次元的には地下の部分は半分の180度となります。
 そのため、360度÷180度=2 となり、地表では地下の2倍の増幅率となるのです。もう少しきちんと説明しますと、これは立体角(ステラジアンという単位)という概念が関係してきます。

地表と地下の揺れの違いver2のコピー

 これは地下を伝わってきた地震波のエネルギーが地表で開放される時には、半分の空間ですべて放出されるという事を意味します。

 同様に空中と地下との割合という考え方から、がけ地形では揺れが4倍(図のように稜線が90度だった場合)に増幅される事になります。そのため、稜線上や富士山頂では、地表と比べても、さらに大きく揺れる事が予想されます。

山の稜線の揺れver2ff

 明神岳の崩落のように、登山中に地震に遭遇しますと、落石が発生する事が予想されます。やはりヘルメットは登山者にとって、必須のアイテムと考えます。
                              (文責:長尾年恭)

お待たせしましたが、前回のブログに続きて、長尾年恭理事の投稿ブログ2023-2をお届けしました。
まだ続きがあります。ますますご期待ください。
(広報委員会)



認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
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本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。


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