太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

2023年02月

yahooニュース

世界的な学術雑誌 Chemosphere に
「Airborne microplastics detected in the lungs of wild birds in Japan
(日本の野鳥の肺で大気マイクロプラスチックを検出)」という論文が掲載されたことを2月13日のブログでご紹介しましたが、2月15日発表のYahooニュース・Alternaにその内容が詳しく載っています。

オルタナ栗岡理子編集委員の記事によると:
この研究は日本獣医生命科学大学、早稲田大学、パーキンエルマージャパン(東京・港区)が共同で行いました。調べた野鳥は、有害鳥獣対策のために東京湾周辺で捕獲されたカワラバト8羽とトビ6羽、および伊勢湾周辺で捕獲されたツバメ8羽です。

その結果、マイクロプラスチックが検出されたのはカワラバトとツバメで、トビからは検出されませんでした。見つかったプラスチックもいろいろな大きさのものがあり、靴底や舗装道路、人工芝などの成分が含まれており、日本の都市大気に含まれているものです。野鳥は日本の都市大気中のマイクロプラスチックを吸入したと考えられるとのことです。

共同研究者の一人である早稲田大学創造理工学部の大河内博教授による、次のような指摘を紹介しています。
今回、野鳥の肺から検出されたプラスチックの起源はわかりませんが、破片状であることから、プラスチック製品が環境に放出されて微細化した二次マイクロプラスチックであるといえます。従って、屋外使用を目的としたプラスチック製品の使用をやめるか、少なくとも削減するとともに、屋内使用のプラスチックの廃棄管理を徹底することが必要ではないでしょうか?”

さらに、大河内副理事長は今後について:
カワラバトとツバメで検出されたのになぜトビからは検出されなかったのでしょう?
カワラバトとツバメで検出されたMPsが異なっていることもあり、種や年齢の異なる多くの野鳥について、さらに定量評価を行い、その健康影響を明らかにすることが喫緊の課題です”
と述べています。
本グループの研究のますますの発展が望まれます。

(広報委員会)




認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

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洋装の千代子   1914年(大正3年)頃 (千代子 43才)  

本日は、大正12年(1923年)2月22日に亡くなった千代子の没後100年を迎えています。

富士山測候所の基礎を作った野中至(到)・千代子夫妻について私たち芙蓉日記の会は、夫妻の偉業を歴史的な事実を踏まえて正しく知らせるために、その関連資料を展示するWeb上のデジタル資料館『野中至(到)・千代子資料館』を公開しています。



野中夫妻については小説や映画などでも有名ですが、多くのフィクションを含んでいることもあります。例えば…
  • 長女園子は、小説『芙蓉の人』で夫妻の山頂滞在中(1895年)に亡くなったとされていますが、下記の大森久雄編『富士案内・芙蓉日記』の解説に書かれているように歿年は1901 年、7歳だったこと。
  • 同じ小説で、指導者の和田雄治によって拒否されたことになっている気象学会入会が、実は和田の特別の計らいで、登山と同時に会員になっていたこと。
などを、本会がこれまでの調査を踏まえて、改めて公表しています。 

千代子について最も確かな資料は本人が書いた『芙蓉日記』が嚆矢ですが、現在は下記(大森久雄編『富士案内・芙蓉日記』平凡社ライブラリー、2006)で読んでいただけます。芙蓉日記は明治時代の雅文ですが、大森久雄氏による丁寧な注釈が付けられています。

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『富士案内・芙蓉日記』(平凡社ライブラリー、2006)

なお、本書は品薄状態が続いているようで、注文時点で品切れ、ということもありえます。その際には、古書店または図書館も探索してみてください。

また、没後100年にあたる本年は本会のフッド晴美氏とMartin Hood氏によって英訳が進められています。このほかにも、新しい情報(「この花会」のこと、「明治初期の物理学者」のことなど)が歴史研究者や野中至(到)・千代子夫妻の関係者や子孫の方々から寄せられるようになってきております。

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女子団の富士登山・この花會 會長は野中至氏の夫人   1907年(明治40年)7月6日 東京朝日新聞

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婦人富士登山隊の出発   1908年(明治41年)8月15日  時事新報

 芝公園第14号2番なる女子教育家千葉秀胤(ひでたね)氏は女学校教員其他夫人令嬢等の依頼により昨年初て安全と興味とを主眼とせるこの花會と称する女子団の富士登山會を組織し首尾よく第一回登山の目的を果たしたるより今年は稍其の規模を拡張し野中至氏の賛助の下に同夫人千代子女史を會長に仰ぎ愈々近日其の第二回登山會を開く由なり・・・

野中夫妻、特に今まであまり知られていなかった千代子について興味を持たれる方が、本資料館を訪問されることを、心からお待ちしております。



(芙蓉日記の会)



認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。


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 Chiyoko in Western clothing, circa 1914 (Chiyoko, age 43).  

Today marks the 100th anniversary of the death of Nonaka Chiyoko, who died on 22 February 1923.
Nonaka Itaru and his wife Chiyoko took weather observations on the summit of Mt Fuji for almost three months in the winter of 1895, thus paving the way for a permanent Mt Fuji Weather Station. To commemorate their feat, the Fuyo Nikki Society (named for Chiyoko’s journal of this adventure) has set up an online museum to display relevant resources. The aim is to accurately inform the public about the couple's achievements based on historical facts.

This is important because the Nonakas’ sojourn on Mt Fuji has also been celebrated in more than one novel and several films. Unfortunately, this has resulted in some distortions of the historical record. For instance, in his novel, Fuyo no Hito (The Lady of Mt Fuji), Nitta Jiro suggests that the Nonakas’ eldest daughter Sonoko died while her parents were away on Mt Fuji. But in fact Sonoko passed away some years later, in 1901, when she was seven years old, as Ohmori Hisao points out in his commentary in the Heibonsha combined edition of Chiyoko’s Fuyo Nikki (Mt Fuji Journal) and Itaru’s Fuji Annai (Guide to Mt Fuji). Nitta also suggests that Itaru’s mentor, Wada Yuji, refused to allow Chiyoko to become a member of the Meteorological Society of Japan when she applied to join, but it appears that, historically, her application was accepted. The Society has published these and other facts, based on its investigations. 

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Heibonsha combined edition of Chiyoko’s Fuyo Nikki (Mt Fuji Journal) and Itaru’s Fuji Annai (Guide to Mt Fuji)

The most reliable source on Chiyoko is her own Fuyo Nikki, which is most easily available in Japanese in the above-mentioned Heibonsha edition (2006) edited and introduced by Ohmori Hisao. In addition, members of the Society are preparing a full English translation. 
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A women's climbing party leaves for Mt Fuji on 15 August 1908 (Meiji 41), translated from Jijishinpo

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At the request of the teachers of the girls' school and other ladies, Mrs Chiba Hidatane, a women's educator from Shiba Park No. 14-2, organised a women's group called the Konohana-kai, named for the goddess of the mountain, to climb Mount Fuji last year. This year, with the support of Mr Nonaka Itaru, we will hold our second climbing party in the near future, with Mrs Nonaka Chiyoko as its president.

We sincerely hope that those who are interested in the Nonaka family, and in particular in the previously little-known Chiyoko, will visit our museum.

(Fuyo Nikki Society)



About Mount Fuji Research Station,  a certified non-profit organisation
In 2004, the manned weather station on Mt Fuji closed, ending 72 years of continuous human habitation on Japan's highest summit, and the station’s buildings were scheduled for demolition. 

The Association Mount Fuji Research Station is a non-profit organisation founded in 2005 by researchers in atmospheric chemistry and high-altitude medicine, with the aim of borrowing this facility from the official sector and turning it into a centre for high-altitude research and education.

The repair and maintenance costs for this facility , as well as its operating expenses, amount to 30 million yen annually. As there are no public subsidies to meet these expenditures, the station depends for its funding solely on research grants and usage fees. We would therefore like to ask for your support and membership to help us continue our support for research into the future. 

We are a certified non-profit organisation (only 2% of all non-profit organisations are certified).
Please refer to the website for more information on the deductions available for your donation.



想定されていた地震

 2月6日、トルコ・シリアの国境でマグニチュード7.8という内陸としては最大級の地震が発生しました。確認されているだけで死者は46,000人を超えています。
 この地震は南アナトリア断層で発生したものです。まず、皆様に知って頂きたいのは、トルコ周辺というのは、かなり地震多発エリアであるという事です。最近では1999年8月には北アナトリア断層上の都市イズミットでM7.4の地震が発生し、1万5000人以上が死亡しています。ちなみに北アナトリア断層では、東西800kmにおよぶ断層に沿って、次々と地震が発生しており、20世紀だけで、8個のM7クラスの地震が発生し、次の地震はイスタンブール近郊で発生する可能性が高いという指摘も存在します(イスタンブール南方のセグメントだけまだ破壊していないため)。

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 次にお示しする2枚の図は同一期間、同一緯度におけるトルコ周辺と日本周辺の地震活動度の比較です(図は同じ面積)。トルコ周辺でも日本の1/3程度の数の地震が発生しているのです。

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今回の地震で人的被害が大きくなった原因

 一般にこの規模の地震が発生しますと、厳しい基準によって建物に高い耐震性を求めている日本やカリフォルニアのような場所でも深刻な被害をもたらす可能性があります。トルコでは日本のような木造の低層住宅ではなく、5〜10階建ての鉄筋コンクリートの集合住宅のほうが一般的との事です。そのため、ビルが倒壊するといわゆる”パンケーキクラッシュ”と呼ばれる建物がグシャっと潰れる破壊が発生し、命取りになるのです。
 情報によれば、トルコでも1990年代後半に新しい建築基準が設定され、それは2007年と2018年に改訂されたとの事です。問題はこの”建築基準がどれくらい守られていたか”という事なのだと思います。私が入手した情報によれば、トルコには”恩赦法”と呼ばれる法律があり、たとえ開発業者や個人が建築基準に違反しても、罰金さえ払えば違法建築物の事実上の認可を得ることができるそうです。さらに認可を受けた建物は将来に渡って検査不要となるため、無認可の改修を行うことが可能で、壁や柱を撤去してもそのまま使用できる状況なのだそうです。

 地震は天災ですが、死者が多数発生したのは人災と言えると考えています。(文責:長尾年恭)


(広報委員会)


認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

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2023年3月12日 13:30 – 15:30
順天堂大学保健看護学部(三島市大宮町3-7-33)
防災セミナー「富士山噴火は迫っているか?」と題して
長尾理事が講演いたします!
 ・巨大地震と火山噴火の関係
と気になる👀副題です。

参加は無料、どなたでも参加できます。
申込期間は2月9日ー3月3日

事前申込制となっていますので
電話055-983-2751、FAX055-981-7720
電子申請 
より、お申込みください。

(広報委員会)


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富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
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