太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 スタッフブログ

カテゴリ: イベント

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東京理科大学総合研究院の大気科学研究部門では、都市・海洋・山岳大気における観測により、大気汚染、気候変動について研究を行っている。3月28日(火)、その成果報告会が東京理科大学で開催された。富士山測候所を活用する会は後援を行っている。

つい先だって3月5日(日)には富士山測候所を活用する会の成果報告会があり、このときはNPOと東京理科大学大気科学研究部門が共催した。まぎらわしいかもしれないが、東京理科大学の大気科学研究部門とは共通の観測の場として富士山を利用している関係で、緊密な連携をとらせていただいている。

口頭発表は山岳・遠隔大気と都市大気の2セッションに分けて行われたが、山岳・遠隔大気では8件の発表中、富士山における観測にもとづく発表が5件を占めた。ポスター発表は35件中、富士山関係が7件であった。
 
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昨年までこの集会は山岳大気中心であったが、今期からは都市大気も加わり、「人間活動に、より密着したテーマも増えて広がりを見せている」とコメンテーターの発言にもあったが、富士山発の研究がいろいろの広がりを見せているのはよろこばしいことである。


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口頭発表会場の212階段教室(東京理科大学)

NPО法人として富士山測候所で夏期観測を始めたのが2007年7月のこと。観測活動の成果は、毎年成果報告会を開催して発表してきたので、今回は第10回目の成果報告会になる。3月5日(日)、会場は初めて東京理科大学神楽坂キャンパスに移して行われた。

口頭発表会場は212教室。口頭発表件数を増やして午前10時からスタート。ほとんどの研究は何年も継続しているプロジェクトであり、いわば10年間の集大成とでもいえる発表内容が多く、それだけ充実していたと言えよう。

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島田幸次郎・東京農工大助教の「日台における国際共同研究」の発表と座長の小林拓・山梨大准教授。

健康影響が懸念されている越境大気汚染の実態解明をするため、東アジア諸国である台湾,香港,中国及び韓国と連携し、国際共同観測のネットワークを島嶼地域と山岳域に作った。その山岳地域の観測所の一つとして富士山旧測候所を活用し、台湾と共同して越境大気汚染の観測を行ってきた。

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兼保氏による年賀寄附金配分事業による測候所の保守と大気中水銀の通年観測の試行の発表

年賀寄附金配分事業で行った①山頂庁舎の軽微な傷みについての自主補修と合わせ、②測候所での通年観測の可能性を探るためのケーススタディとして、省電力型水銀濃度センサーを使って調査を行っている。本試験のノウハウをNPO内で共有することで新たな観測につなげていくことが期待される。

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京都市立芸術大学の松井教授の発表

富士山測候所の活用は他分野に広がりを見せているが、今回は初めて「芸術」の分野での発表もあり注目を集めた。京都市立芸術大学の松井教授の発表は、宇宙飛行士がガラスボトルに詰めて持ち帰った「宇宙?」を富士山頂に持参いただき、参加された方が各自手に取り、感じたことを書きとめ未来の人類に向けたメッセージとして伝えようというもの。


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ポスターセッションの冒頭で概要をプレゼンする桃井さん(東京理科大学)

ポスター発表は222教室で全12件の発表。新しい試みとしてコアタイムの冒頭、ポスタープレビュー(ポスター発表のポイントをスライド1,2枚を使って1分程度の短時間で紹介するもの)を行った。事務局の準備不足から直前になってお願いしたにもかかわらず、どの発表者もポイントを押さえてわかりやすく説明していただいた。その後の発表者と聞き手の間の密なコミュニケーションにつながり、良い企画だったのではなかろうか。

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卒業する学生にとっては学生生活最後のイベント。東京学芸大学の後輩に囲まれた東郷さん(右から2人目)は、4月から社会人として富士山で研究した経験も活かせる道に進まれるとか。


参加者は報道関係者、助成団体関係者などを含め99名であった。休日にもかかわらず、全国各地からご参加くださいました皆様に感謝申し上げます。また、運営スタッフとしてボランティアで手伝っていただいた東京理科大学、東京学芸大学の学生の皆様には大変お世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。

最後になりましたが、日本郵便株式会社トヨタ自動車株式会社「トヨタ環境活動助成プログラム」、NPO法人モバイル・コミュニケーション・ファンド公益財団法人粟井英朗環境財団(敬称略)の各助成団体には、開催にあたりご後援をたまわりましたことを報告させていただきます。


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廊下の受付には「富士山」型をしたクッキーも・・・。コーヒーブレイクには、ここでも議論が続いた。

「データ検討会」、正式には「富士山大気観測2016データ検討会」が暮れも押し迫った12月26日(月)午後。東京理科大PORTA会議室で開催された。東京理科大学総合研究院大気科学研究部門と認定NPO法人富士山測候所を活用する会が共催している。

検討会の発表者は、ほとんどが学生である。まだ成果としてまとまってはいないが、速報データ段階での発表と情報の交換を目的としている。とはいえ、いずれの発表も結構完成度が高いと思われた。

19題の研究テーマについて、それぞれ持ち時間11分、質疑応答に3分―5分をとり、討論する。年々濃くなる内容に、時間ぎりぎりまでコメンテーターや研究者から容赦ない質問も相次いだ。コーヒーブレイクでも議論が続き、熱気のこもった4時間半であった。

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 ほぼ埋まった口頭発表会場の小柴ホール

昨日は素晴らしい会合でした。
特にオーラルの発表が集大成的な話が多くてグレードが高く、
学術的にも夜明け前を感じました。
発表者K氏

いつもそうですが、富士山の活動は素晴らしいですね。

異分野の方が話されるのも魅力的です。

発表者Y氏

3月13日(日)富士山測候所を活用する会と東京理科大学総合研究機構山岳大気研究部門が共催した第9回成果報告会は、盛況のうちに無事終了しました。

当日の発表は38件(口頭発表12件、ポスター発表26件)。来場者は110名でホールはほぼ埋まり、熱心な質疑応答が交わされました。

ご来場いただきました皆さま、発表していただきました研究者の皆さま、そして設営・運営にご協力いただきました皆さま、および後援いただきました関係団体の皆様に心よりお礼申し上げます。

なお、講演予稿集は残部がありますので、ご希望の方はこちらのフォームからご連絡ください。

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「理科準備室へようこそ~富士山頂での教材開発Ⅳ~」の立教新座高校生によるデモ

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 ポスター会場

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 昨年9月、ヒマラヤで遭難した山頂班の今井健司さんを追悼する写真パネル

富士山ワークショップ2016告知チラシ

2月23日は富士山の日。この日にちなんでこの時期は山梨県内、静岡県内の各地で富士山に関する様々なイベントが開催される。

2月20日(土)甲府市の山梨県立図書館で開かれた「富士山ワークショップ2016」。
「富士山頂で理科の実験をすると?」をテーマに、当NPO法人の土器屋由紀子理事・広報委員長と立教新座中学校・高等学校の古田教諭が講師を務めた。

あいにくの雨模様で富士山を見られなかったのは残念だったが、子どもたちは山頂で行っている理科実験の実演を目の当たりにしてとても楽しそうだった。


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空とぶドラえもんタケコプターや、もっと小さいモスキートヘリコプターを赤外線で飛ばしたり、ハート型の風船にヘリウムガスを入れて、「手を放すと浮いて天井まで上がりますが富士山頂ではどうなるでしょう?」という質問。


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風船にヘリウムガスを入れて実験

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ヘアドライヤーで冷風を出してピンポン玉を浮かし、「富士山頂では浮く高さはもっと高いでしょうか、低いでしょうか、同じでしょうか?」という質問。

どちらの質問にも、実際にやってみながら答えを考えた。


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ヘアドライヤーでピンポン玉を浮かして実験

富士山測候所で研究をされている地元の山梨県富士山科学研究所の堀内雅弘・主任研究員と山梨大学の小林拓・準教授も応援にかけつけてくださいました。
どうもありがとうございました。


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写真左から堀内、土器屋、古田、小林の各氏。

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