太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 オフィシャルブログ

カテゴリ: 夏期観測

NHK Eテレの番組『NHK俳句』は、全国から投稿された句の中から優れた作品を各週の選者が選び紹介し、毎回、魅力的なゲストを招いて楽しく俳句を学ぼうという番組です。

この番組のNHKテキスト『NHK俳句1月号』(12月20日に発売され現在、書店に並んでいます)の特集は「富士山を詠む」。ここに「強風極寒の富士山頂が教えてくれること」と題して、土器屋由紀子理事の文章が掲載されました。
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特集ページ

本NPOウェブサイト > コラム・評論集 の『交通新聞』コラム・交通評論「冬富士に思う」を読んで、そのリライトと写真の提供を依頼されたものです。

このときのコラムは2013年に執筆した随想で、岩崎洋山頂班長出演のNHKTV「白い魔境」関連で、気象庁時代の登下山の苦労や、本NPOの初期の研究(上田紗也子さんが「測候所OB/OGの集まり」で研究紹介を行い先輩に褒められた話など)、当時の研究トピックスを中心に書いていました。

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 2013年1月15日『交通新聞』コラム「交通評論」

今回リライト(約800字)にあたっては、その後10年経った現在のNPOの研究トピックスとして、二酸化炭素通年観測の結果、マイクロプラスチックの話(世界で初めて富士山大気中で観測)、雷観測などを加え、それらがすべて自費で行われていることにも触れました。

スぺースの関係で各研究者のお名前を挙げることはできなかったのですが、「富士山頂で地球環境の変化に迫る研究が自主的に行われていることを知っていただけると有難いです」とまとめています。

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佐藤政博監事の1960年代の測候所勤務中に撮影された写真2枚の他に、山頂の雷の写真として最高傑作の故山本季生さんの写真、夏期観測ブログの中から坂本健二山頂班員の影富士、大部良輔班員のブロッケン現象の写真なども掲載されています。

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(左)山頂付近では雷も至近距離で観測出来るため(撮影:山本季生)さまざまな種類の雷のデータが蓄積できる
(右)晴れた日に富士山自身の山体が影を落とす影富士(撮影:坂本健二)

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 富士山頂で見られたブロッケン現象(撮影:大部良輔)
 太陽の光が背後から差し、水蒸気によって影に虹のような光彩が彩る。
(本ページの3点とも提供:認定NPO法人富士山測候所を活用する会)

自然科学以外の分野でも富士山測候所について取り上げられたことが、少しでも本NPOの活動の理解に役立つことを祈っております。
(広報委員会)


認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

毎年、年末になると夏期観測のデータに関する集まりが開かれます。
観測研究のグループがそれぞれ「生データ」を持ち寄って、突合せ、色々な見地から話し合うので新しい発見もあります。初めて山頂の観測に参加した若手も発表するチャンスが与えられ、学会発表とは違った、本NPOならではの集まりです。終わった後の懇親会は忘年会を兼ねていました。

コロナ禍以前は対面で、50名以上が集まり熱気のある集会だったこともありますが、コロナ禍以来、ハイブリッド中心の開催になっていました。今年も、会場の関係から講演はZoom中心でしたが、懇親会も復活し、久しぶりに以前の活気が戻った感じの集まりでした。

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 早稲田の会場
プログラム3

定刻13時にスタート。
まず雷グループから、安本勝研究員が今年の夏の直撃雷発生数は6個で、2022年の10個には及ばないが増加傾向にあることなどを発表、活発な議論になりました。

安本1枚

次いで、静岡理工大・南齋勉教授、岡本大地さんのドローン観測による雲物理・化学の講演が続き、

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都立大、加藤俊吾理事および小山有宇理さん、野田琴音さん、青木紳悟さんの、CO、O3,SO2に関係する3題の講演では、火山予知へのアプローチが示されました。

(2)都立大

埼玉県環境科学国際センターの米持真一副室長のPM1,続いて村田浩太郎研究員の氷晶核の話も富士山の仕事の中で一定の位置を占めはじめているようです。

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前半の「トリ」は帝京科学大学の佐藤颯人さんの窒素酸化物の話でした。
佐藤

短い休憩をはさんで、後半は早稲田グループの話でした。

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大河内副理事長から、富士山頂の大気マイクロプラスチック(AMPs)の Environmental Chemistry Lettersの論文がガーディアン、ワシントンポストに続いて、ニューヨークポストの「今年初めて明らかになった20の話題の中に選ばれたことなどを手短に話し、若手にバトンタッチ。

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篠原和将さんのHULISの話には米持先生から質問。
篠崎大樹さんの有機マーカー:バイオマス燃焼のBSOAマーカー、花粉マーカー、胞子マーカー等。
本間旭陽さんの4弾フィルターを用いたエアロゾル水溶性成分の話。
押見基央さんの雲水化学ではpHの緩やかな上昇があること。
近藤優名さんは豪雨の話で、雷と硝酸イオンの関係にも言及。
谷悠人さんからはAMPsの話になり、2023年の積雪中の観測。
小野塚洋介さんは2023年のエアロゾル中のAMPSの観測。いずれも質問が集中しました。
最後に、周雪ていさんのPM1,PM2.5の金属に関する講演があり、重金属としてPbが最大であることやその増減などについて、米持先生他から質問がありました。
夫々に皆さんの熱気が感じられ、時間の経つのを忘れるような発表会でした。

引き続きの懇親会の1次会と2次会は・・・「昭和の時代のような?」という大河内副理事長のメールにもありましたが、懐かしい伝統的なものだったようです。

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 懇親会の模様(一次会)
         
来年3月の成果報告会が楽しみになる1日で、2023年の本NPO独特の年末のイベントが無事終了しました。
(広報委員会)

認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは


2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

本NPO富士山測候所を活用する会の夏期観測は、例年7〜9月上旬まで有人で行われます。
この期間は、山頂班の常駐によりいわゆる100 Vの電源を使うことができます。それ以外の期間(春や秋も含めて冬期期間と定義しています)では、無人の観測を行っています。この期間では、いわゆる100 V電源を使うことができませんので、バッテリーや太陽光パネルによる運用を行います。冬期期間の参画グループには、温暖化ガスの観測(国立環境研究所)、火山ガスの観測(東京都立大学)などがありますが、本年は、当会の自主事業として越冬のライブカメラ(動画ではなく静止画のみ)実験を行うことになりました。

越冬での難しさは、電源だけではありません。データ通信も技術的に難しく、たとえ静止画を撮ったとしてもデータを送ることは限られたバッテリーの電力では難しいのです。

そこで本NPOは以前よりLPWA通信と呼ばれる超低消費電力で低データ容量ですが遠距離通信ができるデータ通信技術に注目し、数々の実験をしてきました。今回、越冬ライブカメラを実験するにあたっては、このLPWA通信に注目し、静止画のデータを送る試みをしました。LPWA通信には規格が多数ありますが今回注目したのはプライベートRoLaという規格です。

今回、エヌエスティ・グローバリスト社の製品を導入し、太陽光パネルを富士山測候所の窓に備え付けて、バッテリーも並列し、8月下旬に設置をしました。

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 屋内での設置の様子。火山ガスの越冬観測装置(金属枠)の左横に本体が設置されています。

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 カメラは南西方向に。太陽光パネルも設置。

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 設置カメラの視線方向。本写真はiPhoneのカメラで撮影。

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 LPWA通信のデータ受信局は、御殿場観測点に。

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無事に通信が成功し送られてきた静止画。夕日を見事とらえています。

本システムでは1時間に1枚ごとの画像が送られてきます。越冬期間においても富士山からの静止画が見られるのは感激です。

本事業はYahoo!基金の支援によって行われております。

(広報委員会)

認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは

2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。

本NPOにとって、夏期観測期間中のライブカメラによる動画配信は、もはや恒例行事と言っても良いかもしれません。CHO&Company社MORECAのカメラを1号庁舎屋根に東向きで設置し、御来光をライブで見れる環境を皆さまに提供できることは設置・運用に携わるスタッフにとって喜びの一つです。

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 設置時の風景。2023年は旧測候所開所の次の日7月2日に設置しました。

このライブカメラは、YouTubeでリアルタイム配信を行なっており、Live  Chatを見ると多くの常連の皆様がしばしば楽しく会話しています。

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 御来校直前の早朝でも、Live Chatにはメッセージが。

YouTubeに配信される動画は、MORECAに内蔵されているLTE回線で動画が配信されています。そして、MORECAにはSDカードも内蔵されており、LTE回線が不通の時も動画は収録されています。またLTE回線が悪天候などで不安定で低画質しか配信されない時でも、SDカードには2K画質の画像が収録される仕組みになっています。我々は夏期観測終了後にこのデータを回収し、運用した約2ヶ月の期間における名場面を切り出し、YouTubeに動画として順次アップしています。

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名場面を切り出しています。皆さんには富士山の多彩な風景を楽しんでいただきたいです。
こちらの映像はどなたでも見ていただけます。
チャンネル登録もお願いします。

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 夏期観測期間中にはYouTube Shortでも配信。多数の御来光動画が。

現在YouTubeの登録者数は2100を超えており、ライブ配信が行われる夏期期間以外でも楽しんでいただくため今後も努力していく次第です。

また、本NPOの会員の皆様には、会員特典として夏期観測中ライブカメラで撮影した24時間フル映像をご覧いただけます。
ぜひ、会員になってご支援をお願いします。
入会のお申し込みはこちらから
https://npofuji3776.org/help/join.html


(広報委員会)


認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは

2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
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10月21日秋晴れの土曜日、銀座1丁目の中小企業会館会議室CおよびZoomによるハイブリッド形式で、夏期観測2023反省会が行われました。参加者:会場12名、Zoom12名

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15:00に加藤俊吾理事(学術科学委員長)の進行で、最初に今年のトピックスとして、前回のブログで紹介した御来光カメラの纏めが紹介され、「今年の御来光は思ったより高頻度で見られた」と導入から始まり、次いで、恒例の参加者によるアンケートを紹介しながら、今年の夏期観測を振り返りました。
アンケートの「疑問点」には部屋の環境対策、人数制限などに関するものが多く…

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コロナ対策の現状、室温の違い(1号と2号)などについて今後に向けての疑問や、

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来年への懸念としては、気象庁との新たな契約によって2号庁はの畳部屋が使えなくなること、共有部分をどうするかなど、多くの質問がありました。

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発動発電機の利用を出来るだけ少なくしてほしいこと、気象庁の業者との対応などについても質問があり、今後の課題になりそうです。
各参加者の意見に対して、岩崎洋山頂班長の回答、時には事務局と気象庁の話し合いの内容について、「どうしてほしいかが返ってこない」という苦言も含めて、意見交換がありました。

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山頂の日常に関する本ブログ「夏期観測2023 富士山頂の現場から」にも思いがけない好評をいただきました。

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スライドによる説明の後は、参加者各自の「一言」が、主にZoomで行われました。大河内副理事長グループの英紙ガーディアンにまで掲載されたマイクロプラスチック研究が無事行われ、取材もあったとの報告や、加藤理事グループなどの継続研究、それに加えて、国立環境研の寺尾先生の「初めての体験」や、初めてセミナーを開催された電気通信大の柳井先生のコロナ禍で出来なかったものをやっと成功させた喜びと「青空セミナー」の報告もありました。

電話グループのソフトバンク・松田様、ドコモ・井上様、楽天モバイル・有田様、KDDI・村田様のお話も伺いました。トライアルの東京大学の戸野倉先生は会場から参加され、同じく法政大の学生・望月さんはZoom参加でした。

スライド終了後、電気をつけて三浦理事長の裏方としての経験談、太郎坊での観測などに続いて、ブログ担当の土器屋理事にもマイクが回って、山頂班への協力のお礼と、来年は研究グループの動向をもっと書くための写真提供のお願いがありました。

予定より少し早く16時20分み会議は終了し、後は来年に向けての具体的な雑談になりましたが、例年のことながら、有意義な集まりで、これからデータを整理して成果報告会へ向けて、そして来年の夏期観測へ向けての「一区切り」となりました。

(広報委員会)

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2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、
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