太郎坊のそよ風

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会 スタッフブログ

カテゴリ: その他

virtualmuseum
ホームページの「バーチャル博物館」に新たに「野中到・千代子資料館」を追加


明治28年、富士山測候所のさきがけとなる山頂での冬季観測を創めた、野中到・千代子ご夫妻の名前は、同測候所に関心を持つ方ならご存知のことと思います。昨年12月、不思議なご縁でご夫妻のお孫様である野中勝様と蔭山幸子様のお宅を訪問してお会いすることができました。

このときに貴重な証言と資料に接する機会をいただきましたが、このことはNPOの会報誌『芙蓉の新風』Vol.12(2018.1.31発行)に『富士山測候所の歴史を訪ねて』と題して、紹介しました。この記事に関してはいくつかの感想が寄せられましたが、その中で、野中勝様から下記のメールには感動しました。

『芙蓉の新風』届きました。 薄いのに読みごたえがあります。 その中で、逗子の事でこんなにスペースを割いて頂き、恐縮しています。

そこにも書かれているように、資料の整理と保管方法に問題があります。 頭の痛いところです。巻末に資料の公開の希望がありますが、全く異存はありません。 この会報には去年の、実に多岐にわたったプロジェクトが掲載されていますが、こうして拝見すると改めてあの場での活動の重要性が思われます。

面白かったのは、去年御殿場で行われたACPM2017の記事です。 このイベントの事は、会報を拝見するまで申し訳なくも知りませんでしたが、実に熱気あふれ、また臨場感のある記事に思わず読み入ってしまいました。 又、桜島の火山ガスを富士山頂で検出されたというのも驚きでした。

この会報を手にして最も感じたことは、測候所の活用に対する情熱が10年たっても全く衰えていないどころか、ますます盛り上がっているという事でした。 貴重なものをお送り頂き有難うございました。


ACPM2017やNPOのメンバーの活動に対する温かい評価にもっと頑張らなければと思っています。また、「資料公開の希望がありますが、全く異存はありません」とのことで、現在広報委員会と事務局で検討中の「バーチャル博物館」の「野中到・千代子資料館」構想に弾みが付きそうです。

バーチャル博物館」はホームページのコンテンツのひとつで、富士山測候所に関する歴史、関連資料などを展示しています。ここに「野中到・千代子資料館」のコーナーを新設し、野中到・千代子に関する資料を収集・展示しようというものです。

当面(関係者の許可を得て)入力したものは下記のとおりです。「気象学会の女性会員第一号が野中千代子さんだったかどうか!?」などに興味を持たれた方はぜひご覧ください。

今後、資料を追加してゆきたいと考えておりますので、ご協力よろしくお願いいたします。


virtualmuseum2
virtualmuseum3x
バーチャル博物館の「野中到・千代子資料館」


180202企業キャラバンチラシ (1)

クラウドファンディングに見事に成功した早稲田大学大河内研の島田幸治郎先生に誘われて2月2日、18時~21時、新宿NPO協働推進センターで開かれた表記の集まりに参加しました。これは、クラウドファンディングの過程で得られた新しい人間関係をNPOの発展(特に経営改良のために)利用してほしいという早稲田大学側のご厚意と提案によるものです。「芙蓉の新風」発行時期だったために、事務局側の準備が十分とは言えませんでしたが、今後のNPO経営のために急きょ、NPOから事務局・増田と広報の土器屋が島田先生と一緒に参加しましたのでその結果を報告します。

NPOの財政状況を考えると、最初の5年はJAMSTECとの共同研究を基盤に会費と寄付や受託事業などで成り立っていましたが、JAMSTECの機構改革で共同研究が終了した後は、三井物産の環境基金など助成金が基盤経費になり、3年継続助成を2回頂き活動を続けてきました。それも最近では、民間助成団体の環境助成終了、助成額の減少、継続案件が少なくなるなどの影響で、状況は厳しくなっています。2014年ごろからNPOは事務局を中心に、自主事業による収入の安定化を図ってきましたが、それだけではまだ、全経費をカバーできません。企業との提携が将来のブレークスルーになる可能性を探る機会とも考えました。

今回は、その手始めでしたが、プログラム(上のビラ)の進行は協働推進センター事務局の及川氏ほかにより手際よく勧められ、迫力ある話を、2時間聞き、最後に、各自30秒の自己紹介の時間が与えられましたが、みなさん若くて元気でプレゼンに慣れているという印象を受けました。特に、プレゼンの中のアップライジングの社会貢献事例説明の斎藤幸一氏の元ボクサーという経歴や、信じがたいほどのアクティブな活動に圧倒される話でした。

参加企業、参加NPOの表は下に示しますが、最後の一時間に行われた懇親会は、1000円の会費では申し訳ないような、手作りのおでん、サラダ、お赤飯などが並び、ビールを片手ににぎやかに話し合いました。そこで頑張って名刺を持っているだけ配り、頂いた名刺が16名17枚。その中には、英文ブックレットの話や、新聞記事、山頂の降水量などに興味を示して下さる方もありました。

話の中で、私たちのNPOが富士山測候所の「保存」ではなく「活用」していることに、「初めて知った」とか「測候所はまだあったのですか」と云う方が多かったですが、それだけに、島田先生のこの間の努力によって興味を持って下さる方が多い今を大切に、直ちに、収入に繋がらなくても、NPOの活動をこれまでと違った(研究者以外の)方がたにも知っていただくことはNPO活動としての将来につながるので、今後、とかく「発信しない事務局」というイメージをもたれないようにしなければと思いました。

kigyo

NPO

週明けの月曜日に、先週、名刺を頂いた方々に資料を送ろうと事務局へ行ったところ、早速、アップライジングの斎藤幸一さまから、「話を聞いて頂きありがとうございます・・・」という、手書きのお葉書を頂きました。講演では、あまりの成功話の連続に驚きましたが、このフットワークとフォローがあってこその成功と納得した次第です。大変良い勉強の場だったと思います。各企業やNPOとの関係などは今後、ご報告したいと思います(広報)

DSC_1498




「応援ポイント」支援機能終了のお知らせ

1月28日をもって、応援ポイントの支援機能は終了いたしました。応援ポイント以外の支援は継続しており、今後も無料で支援できる仕組みを作ってまいりますので、ご支援頂ければ幸いです。
gd_r_234x60

応援ポイントとは?
団体を応援する気持ちを、支援金に変えることのできるポイントのことです。 毎週「応援する!」ボタンやサポーター企業への「いいね!」のクリックで得られたポイントの合計で5 段階のゴールを達成していくと、ポイントに応じて支援金が届けられます。月曜スタートで毎週開催しているので毎月最大5回支援のチャンスがあります。

(Gooddoホームページより)

HPの「無料で簡単に活動を支援して頂けます!Gooddo」の赤いバナーは、この度1月末日をもってそのサービスが終了しました。これまでのクリックで応援していただきました皆さまにはこれまでのご協力に対し感謝申し上げます。

4年間の皆さまのクリックによる応援金額はこの2018年1月分までの累計で190,407円にも達しました。当NPO法人にとっては、ちょうど事務局のプリンターインク代などの消耗品の月々の購入経費に相当する金額で、貴重な財源となりました。

団体のページに掲載されているバナーをクリックするだけでスポンサー企業の広告掲載費の一部が寄付者が選んだ団体に回るというこの仕組みはソーシャルグッド(Social Good:社会貢献に類する活動を支援・促進するソーシャルサービスの総称)というらしい。当NPOがこのサービスを使い始めたのは2014年4月のことです。

gooddoo_graph


この図はGooddo導入以降の月別実績推移です。毎週1万点を前後していた応援ポイントは、2015年の8月には何と3万点を超えたこともありました。それ以降はやや低調に推移したのですが。

これまでご協力をいただいてきた方にとっては、毎朝のルーティーン「クリック!」がなくたったので、ちょっと戸惑っておられるかもしれませんね。サービスを打ち切った理由についてはわかりませんが、これからも新たな仕組みも考えてくれているようです。新しいサービスが始まりました際には、再度皆さまには「毎朝のルーティーン」に代わるご協力をお願いしたいと存じます。

以上、ご報告とお礼まで。

(関連ブログ)2015年08月17日 Gooddoポイント3万点突破御礼!

p1

大変お待たせしました。会報『芙蓉の新風』Vol.12を発行しましたので、ウェブ版で一足先にご紹介いたします。印刷版は1月31日に刷り上がる予定ですので、会員の皆さまのお手元に届くのは2月初になります。あとしばらくお待ち下さい。

夏期観測10周年事業として、昨年11月上旬に5日間の会期で御殿場市時之栖で開催された「山岳域における大気化学・物理に関する国際シンポジウム(ACPM2017)」は、当NPOにとっては、いうなれば10年に一度の大イベント。今回はこの特集号として通常より4ページ増の12ページとし、表紙から裏表紙までACPM2017の関連記事を満載しています。

p6p7x

寄稿には「高所医学からみた富士山頂の魅力」と題して井出里香理事(都立大塚病院医長)に執筆していただきました。もうひとつの寄稿「富士山測候所の歴史を訪れてー野中到・千代子のお孫様宅を訪問」は、昨年11月に佐藤監事(元富士山測候所長)と土器屋由紀子理事が野中勝様宅を訪問し、貴重な資料を拝見し、 お話をいただいたときのレポートです。

p2p3

会報Web版(全ページ)はこちらからご覧になれます。
会報『芙蓉の新風』Vol.12(2018年1月31日発行)全ページダウンロード


※会報でご紹介した「国際シンポジウムの舞台裏から」の詳細はこちらをご参照ください。
2018/01/09 国際シンポジウムの舞台裏から(その1)プロローグ
2018/01/10 国際シンポジウムの舞台裏から(その2)臨時事務局の開設…電話は山頂班ケータイ
2018/01/11 国際シンポジウムの舞台裏から(その3)晴れのち曇りでも満足した1日ツアー
2018/01/12 国際シンポジウムの舞台裏から(その4)窮地を救ったプロジェクター
2018/01/13 国際シンポジウムの舞台裏から(その5)Tsona is here !
2018/01/14 国際シンポジウムの舞台裏から(その6)ポスター会場への誘導策はサンドイッチ
2018/01/15 国際シンポジウムの舞台裏から(その7)George Lin 先生のこと/想定外のクレーム
2018/01/16 国際シンポジウムの舞台裏から(その8)まだ残っていたひとたち
2018/01/17 国際シンポジウムの舞台裏から(その9)エピローグ

2017年「山の日」。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席クラリネット奏者であり世界最高のクラリネット演奏者の一人であるヴェンツェル・フックスさんと物理教育も専門とする私(東京学芸大学鴨川仁)とのコラボで、富士山頂での演奏実験が実現。

「なぜ、山頂で演奏?」と思う方もいらっしゃるでしょう。言うまでもなく管楽器の音の根源は管内の空気の振動であり、大気圧が約三分の二である山頂での演奏することは非常に難しいと予想できるからです。

sancho_preview

しかし、下の動画をご覧ください。フックスさんの演奏は見事。山頂の日の出とともに奏でる演奏はお鉢に鳴り響いて降り、多くの登山客を魅了していました。

今回の実験では、登山中、スタートの五合目から一合ごとに演奏してきましたが、少なくとも私には演奏の質が変わることは判別できず・・・そこでフックスさんに「本来難しいはずの山頂で、どのように吹いているのか?」と問うと、返ってきた答えは「気合」。ユーモアあふれるフックスさんらしい回答でした。

後日、同じくベルリン/フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者であり、日本中で絶大な人気を誇るエマニュエル・パユさんと、フックスさんと雑談している時、フックスさんと私の登山の話を聞いたパユさんも「富士山登りたいなぁ」と。

つい私も山頂で演奏してみませんか?と声をかけると、「いや、八ヶ岳高原音楽堂(Google Mapで調べると標高1600 m弱)でも演奏に苦労したから難しい」とのお返事。そして「ヴェンツェルは、マウンテンボーイだからできるんだよ(笑)」と。

そう、フックスさんは外見からは想像できないほど強靭な肉体で(登山もハイスピードでした)、お酒なども驚くほどお強いお方。世界一流の方の凄さを感じた登山実験でした。

video1
 富士宮9合目での演奏(クリックで再生)

video2
 山頂での演奏(クリックで再生 *ファイルサイズが大です)


・・・後日談

2017年12月1日、土器屋理事がHGH市ヶ谷で開かれた友人の松本深志高校の同窓会で『富士山測候所の今』と題して講演を行った。講演の中でこのコラボの話をとりあげたところ、参加者のIさんから「ぜひ聴いてみたいので、フックスさんの演奏のURLを教えてもらいたい」と強い要望があったという。土器屋理事にクラリネット演奏のURLを送ったのは、12月19日になってから。3日後の21日には「早速、Iさんから反響があった」とのメールが届きました。以下にご紹介します。


1日の同期会では貴重な企画とお話をいただき ありがとうございました。私は幸田文の名文『崩れ』を思い出しながら土器屋さんのお話しを伺いました。

URLを開けて画像も拝見しました。フックス氏の演奏した曲はモーツアルトの「クラリネット協奏曲 イ長調K.622」の第二楽章、プッチーニのオペラ「トスカ」 の名アリア「星は光りぬ」、それに、(ちょっと何だかヘンな)「浜辺の歌」の一部で、 気分よろしく吹いてましたね。フルートやオーボエ、 クラリネットの演奏家は持ち運びやすいので、どこに出かけるにも楽器を忍ばせて携行する人が多いようです。

私は音大に勤め始めた頃、山岳部( といってもヒヨワな体躯の学生ばかりで、ワンゲルとか、お散歩クラブと言った方がいいくらいのタヨリナイ部員ばかりでし たが・・・)の顧問をやらされ、一度だけ、ムリかなあ・・・と心配しつつも、上高地から涸沢・ 奥穂に連れて行ったことがありました。

夜行で早朝に松本に着き、島々からバスで上高地に入り、 徳沢で最初のキャンプを張り、翌日は涸沢で2回目のキャンプ、 ゆっくり余裕の行程だったのにも関わらず、慣れない設営や自炊でモタモタして、全員が動きが鈍くなり、3日 目の朝は全員バテ状態となり、この先、行くのはヤダ!と言い出した。

「勝手にせい!」と私はそこで連中を見限って、予定していた奥穂~前穂~岳沢~ 上高地を一人優雅に踏破しました。引率としては実に無責任極まる行動でしたが、 幸いにして事故もなく、部員は大4の部長の統率下、全員無事下山、帰京した次第でした。

なんでこんな話を書いたかと言いますと――、私が前穂頂上に着いたとき、 下方谷底から妙なるフルートの音が聴こえ、それがウチの学生の吹いているものだと分かったので、 しばし聴いたのちに「おーーーい!おーーーい!」と下方に向かって絶叫的に呼びかけたのでしたが、 応答はありませんでした。

ただ、前穂の頂で聴いた笛の音は、 ちょうど涸沢がドームの底のような具合になり、立ち上るガスと溶け合うかのように、 何とも言えない音色となって真下から聴こえたので、しばし呆然と聞き惚れた・・・というオハナシ。長話、失礼しました。(I)


なお、当日の土器屋理事の講演要旨を、主催者K氏のまとめから主要部分を引用してご紹介します。みなさんいろいろな観点から富士山測候所に興味を持ってくださったようです。

『富士山測候所の今』(講演要旨)
ima

気象衛星の発達で富士山レーダーの観測が終了し、2004年に無人化された富士山測候所を2007年から、NPO法人「 富士山測候所を活用する会」が気象庁から一部を借用して、夏期2 ヶ月研究教育目的で開放している。今年で11年目、10周年を迎 えた。

越境大気汚染観測などに最適なこの施設が取り潰されるのを恐れた研究者たちを中心に、2005年にNPOを結成し、公的援助一切なし、会費と寄附、助成金などで、規制の厳しい国立公園内、極地と云える厳しい気象条件の中を無事故でこの活動を続けている 。

利用者数は若手を中心に増え続け、多くの研究分野、 大気電気、宇宙線科学、永久凍土、高所医学、教材開発など、気象庁時代には使えなかった分野を含めて延べ400-500人が 毎年山頂に滞在し、研究成果を上げている。その他地球化学、地球物理(落雷と関連現象)、医学(高山病)、 社会連携などなどが山頂での研究テーマを提出している。

山頂付近の落雷が大量のガンマ線を放出する事実は、高エネルギー素粒子研究分野に一つの新たな光を投げかける発見か? 富士山頂の研究活動は日程にも制約があり、官庁の指導も厳しく、また原資の集約も大変苦労で、今後何処まで頑張れるかは最大の課題。
(鴨川 仁)

 【お詫び】フックスさんの演奏画像からのリンク先が誤っていたため、1月3日および4日にこのページを訪問された一部の方には演奏を聴いていただくことができず、大変ご迷惑をおかけしました。(1月4日午前11:20回復)

このページのトップヘ