モスクワに出張中の鴨川仁・東京学芸大学准教授からメールでうれしいニュースが飛び込みました。
富士山頂では昨年夏に「スプライト」を撮影しましたが、今度はそれより撮影が難しいとされている「巨大ジェット」を8月6日、2回にわたりカメラで捉えることに成功しました。
今年は高高度発光現象でもなかなか見ることのできない「巨大ジェット(Gigantic Jets)」の撮影に成功いたしました。
この現象は台湾のグループによって発見されNature誌に掲載されたのみならずその号の表紙を飾った経緯があります。
Su, H. T., R. R. Hsu, A. B. Chen, Y. C. Wang, W. S. Hsiao, W. C. Lai, L. C. Lee, M. Sato, and H. Fukunishi (2003), Gigantic jets between a thundercloud and the ionosphere, Nature, 423, 974–976, doi:10.1038/nature01759.
http://www.nspo.org.tw/2008e/download/paper/200306_paper.pdf
スプライトは比較的簡単に撮影できる(はず)なのですが(とはいえ我々も2年目でやっと山頂撮影できた次第ですが)巨大ジェットはとにかく高高度発光現象のなかでもまれな現象なので、大変うれしく思います。これもひとえに、みなさま方のお力添えのおかげであり大変に感謝しております。
●巨大ジェットに関する詳しい記事は、下記のナショナルジオグラフィックのページをご覧ください。
上へ向かう雷、“巨大ジェット”
Brian Handwerk for National Geographic News August 24, 2009
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=98355061&expand
アメリカで「巨大ジェット(gigantic JET)」と呼ばれる珍しい発光現象が撮影された。研究者によると、雲から上向きに放たれるこの電光は地面に落ちる最大級の雷と同程度のパワーがあるという。
“上下逆さま”の珍しい電光は以前にも、発光地点より90キロ上の大気圏最上層に届く様子が観測されていた。だが、ほんの数回しか機会がなかったため、電光の強さや放電現象についてはほとんど解明されていなかった。ー鴨川 仁(東京学芸大学准教授)
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