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反省会は、各グループが提供可能な観測データの一覧や問題管理表にもとづいて進行した。

10月5日、恒例により関係者が一同に会して今年の夏の観測活動の反省会が行われた。富士山頂測候所を閉所し、基地のある御殿場から撤収したのが9月5日であるので、ちょうど1ヶ月後にあたる。

今年の夏期集中観測は、過去最長の61日間にわたり延べ456人が参加して実施された。この間、富士山測候所に運び込まれた機材・食料・飲料水などの荷物量は約8トンに上る。これだけの規模のイベント(当NPOの年間の活動はこの夏期観測を中心に回っていると言っても過言でない)である。当然のことながら、期間中は毎日のように大小様々な問題やトラブルが起き、その都度対応に追われる。

反省会では観測期間中に参加者が共有したメーリングリストの日々の記録やアンケート調査の中から問題点を拾い上げ、カテゴライズした「問題管理表」を作成して会議に供した。なかには毎回のようにとりあげられる情報連絡の不徹底といった古くて新しい問題もあるが、公募の多様化に伴う新たな問題も顕在化してきている。いつまでたっても反省の種は収束しない所以である。それでも関係者の問題意識と努力のおかげで、毎年着実に改善されてきていることだけは確かである。

富士山頂が薄化粧したとのニュースが届いたのは先々週のこと。来年の夏はまだまだ先のように思えるが、12月1日には来年の公募が始まり、内部審査を経て3月には参加グループが確定。4月には山頂測候所のライフラインとなる架空送電線の定期点検補修、さらに内部の柱や梁が腐食した中腹のハット(高圧埋設ケーブルの結節点となる小屋)の補修工事にも着手しなければならない。・・・反省会は、われわれにとっては来シーズンに向けた準備のスタートラインでもある。

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写真左は御殿場から駆けつけてくださった小林喬郎・福井大学名誉教授。今回の写真はすべて先生からご提供していただいた。右は事務局長の三浦和彦・東京理科大学教授。

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写真左から鴨川仁・東京学芸大学准教授、岩本洋子・東京理科大学助教、増田純夫・事務局職員。

最後になりましたが、会場の設営や受付にあたっていただいた東京理科大学三浦研究室の学生の皆さまには大変お世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。