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 会場は奈良春日野フォーラム甍という非常に好立地の国際会議場

本ブログの読者も多くはご存知だと思いますが、 我々NPOの最大の研究グループ分野は大気化学であり、昨年はNPOメンバーが主体となってACPM(山岳大気化学・物理学国際会議)が御殿場で開かれました。

一方、他の主要グループとして、NPOには大気電気グループがあり三浦和彦NPO事務局長(東京理科大学教授)は、日本大気電気学会の会長を歴任するなど、富士山頂での大気電気研究は活発になされています。

国際大気電気学会は、ほぼ4年に1回行われ、今回で16回の歴史ある国際会議であり、世界各地の多くの大気電気研究者が この学会を楽しみに研究を日々進めています。 参加者は230名にもなる大きな国際会議です。

今年の会議は、約20年ぶりに日本で開催ということもあり日本大気電気学会の主要メンバーは、組織委員として会議を運営いたしました。 今回の会議の場所は、奈良の東大寺と春日大社の脇にある奈良春日野フォーラム甍という非常に好立地の国際会議場でした。

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 初日のレジストレーションとウェルカムセッション

初日は、レジストレーションとウェルカムレセプションということで国外から、多くの参加者がレジストレーションを行い、平行して、日本大気電気学会が主催で、一般市民向けの講座を行いました。この一般向けの市民講座は年1回、日本大気電気学会が開催しておりますが今回は、多くのゲストがいるということで国際大気電気学会に合わせて開催されました。

 夕方からのウェルカムレセプションでは、梅雨の最中にもかかわらず運良くこの日だけ晴天となり、甍の庭園にて、談義を楽しむことができました。 初日はこれだけですが、2日目からは8時45分会議がスタートということで この日のレセプションは、みなさん名残惜しみつつ退散されました。

 会議は国際大気電気学会の会長、岐阜大学王教授のスピーチから始まり、 全地球電気回路・大気電場セッションから始まりました。

山岳に関係のある発表は、本ブログでも登場したことのあるイスラエルのヨワブ・ヤイール教授のヘルモン山での大気電場観測でした。 前回の彼の発表では、ダストストーム中の大気電場変動でしたが、今回は地吹雪時の大気電場変動の発表でした。

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 イスラエルのヨワブ・ヤイール教授のヘルモン山での大気電場観測

奇しくも、富士山頂でも大気電場観測をしている学芸大チームの発表は、 彼と同じような内容でしたが、測定場所が南極昭和基地での地吹雪大気電場変動の発表であったため、 彼からは富士山の冬での大気電場変動のデータはないの?という質問も。(読者も想像できると思いますが、越冬時において測候所の外に計測機器を置いて測定することは極めて難しいのでこれは実現は夢の夢です)

本国際大気電気学会では、最近の地球惑星科学系の学会のトレンド、つまりオーラルの発表を絞り、ポスター発表を増やす方向に習って多くの発表は、ポスター発表になっています。そのため、ポスター発表は大賑わいでした。

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 大賑わいのポスター発表会場

このように会議はスタートから大きく盛り上がりました。 組織委員をやった立場からは、苦労の連続、トラブル続出であり多くの業務を、現職の大学教員等で行なっていたため、 一つ一つを処理するのに苦労しましたが、このスタートによって一気に気持ちが昂りました。その後、会議は4日間続きます。


(その2に続く)

(学術科学委員)