小野澤玲奈アナ(当時)と筆者(左)
私達のNPO法人は研究者・教育関係者・企業等が集まっている団体であり、旧富士山測候所を用いた研究インフラを希望者に提供することをミッションとしていますが、今年から新たに「富士山環境センター」を立ち上げました。蓄積されたリソース・知見を活かし、自ら研究・教育をする団体にステップアップし、さらに社会に貢献して行こうというものです。
私達のNPO法人は研究者・教育関係者・企業等が集まっている団体であり、旧富士山測候所を用いた研究インフラを希望者に提供することをミッションとしていますが、今年から新たに「富士山環境センター」を立ち上げました。蓄積されたリソース・知見を活かし、自ら研究・教育をする団体にステップアップし、さらに社会に貢献して行こうというものです。
われわれのように公的補助なしで運営を行う団体にとっては、いかにしてその活動を世間に知っていただくかということは、組織の維持・活性化をはかるうえで極めて重要です。われわれもSNSやブログなどでも日々の活動をフォローして発信することを心がけていますが、メディアに取り上げていただく取材記事は、それとは比較にならないインパクトをもっているため、取材には全面的に協力させていただいています。
しかしながら、取材の場所が活動の最前線の標高4千㍍近い富士山頂となれば、物事は簡単ではありません。不順な天候、撮影機材の運搬、高山病など、多くの課題を抱えているため事前に入念な打ち合わせが必要となります。通常の取材と比べ何倍も手がかかる取材をしてくださったメディアの方々には、感謝してもしきれない思いです。
これまで受けた取材の中でも特に印象に残っているのが、2017年夏、富士山頂で撮影された静岡第一テレビ『News Every しずおか』の特集番組です。このときに取材にあたられたのが小野澤玲奈アナウンサー(当時)でした。
小野澤さんは、今年の3月一杯まで静岡第一テレビで8年間アナウンサーをしておられました。彼女は用意された原稿を読みニュースを伝えていくアナウンサーとは一線を画すところがあり、いかに発信すべきかをゼロから作り上げるディレクターでもあり、ジャーナリストでもあります。
この番組の取材依頼のアポをしてきた小野澤さんは、研究グループの科学的背景も勉強したいということで、グループの取りまとめをしているわたしが静岡に出張している合間に出張先まで訪ねてこられ、なんと90分間ものレクチャーを受けました。
出張先での取材。リケジョでもある小野澤さんからは鋭い質問が(画質が悪いのは研究仲間のカメラ設定ミスのためお許しを)
その後すぐに、小野澤さんは休日を使って富士宮新7合目までの登山練習と高所順応を自ら行ったそうです。当日は取材クルーとともに山頂に出向き、山頂で2日間取材をして下さいました。
このときの取材クルーは、小野澤さんの想いを活かしきるディレクター、アスリート並の体力を持つカメラマン、そして当日は照明を担当されていたマルチな技術力のあるスタッフで構成。撮影中もこれらのスタッフから容赦ない質問が飛び交い、わたしにも「最高の取材をしよう」というスタッフの方々の意気込みがひしひしと伝わってきました。
その後すぐに、小野澤さんは休日を使って富士宮新7合目までの登山練習と高所順応を自ら行ったそうです。当日は取材クルーとともに山頂に出向き、山頂で2日間取材をして下さいました。
このときの取材クルーは、小野澤さんの想いを活かしきるディレクター、アスリート並の体力を持つカメラマン、そして当日は照明を担当されていたマルチな技術力のあるスタッフで構成。撮影中もこれらのスタッフから容赦ない質問が飛び交い、わたしにも「最高の取材をしよう」というスタッフの方々の意気込みがひしひしと伝わってきました。
NPOが山頂に設置しているライブカメラに写っていた取材シーン
山頂にもかかわらずギリギリまでこだわり抜いた撮影。取材直後の編集作業においても、わたしはたまたま当時バリ島に滞在して国際学会の真っ最中でしたが、確認のための国際電話が何度もかかってきました。
出来上がった映像は、静岡県民なら誰もが知っている夕方のニュース番組『News Every しずおか』の中で特集番組として放映されました。当初1回の予定であったこの特集は、1回では伝えたいことが伝えきれなかったとのことで2日に分けて放送されました。その練りに練られた内容は、いまでもわれわれの富士山頂での研究を伝えてくれる貴重な映像資料ともいえるものです。
小野澤さんが静岡第一テレビのアナウンサーとしての最後の日、その思いがブログの記事として書かれておりました。その中に「富士山頂での最先端の研究を取材したこと」をとり上げてくださり、感謝の気持ちを伝えたく今回の筆をとった次第です。
4月から報道部の記者に異動。報道をゼロからスタートさせ完走させてしまう小野澤さんならば、水を得た魚のようにさらに本領を発揮され、社会を変えていく発信をしていくに違いありません。
レクチャー後の研究仲間とランチを食べにいったら偶然!?小野澤さんとお店でばったり; 当時の小野澤アナウンサーブログには、番組放映前だったためこの写真は掲載できなかったとのことで、ここにて掲載(を許していただきたいと思います)。
学術科学委員長・鴨川仁
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