事務局に送られた賞状
「気象文化大賞」は 「気象の減災・自助・共助、経済的利用、環境問題などへの対応における実用的な気象研究・活動について、新たなる研究・活動を行おうと計画している、『個人』および『団体』のこれからの発展を願い『気象文化大賞』として表彰し、研究・活動について助成をする」 というものになります。
昨年畠山史郎理事長が「富士山頂から地球環境問題の最先端を発信する」で受賞したのに引き続き今年もいただけたのは皆様のご支援のお陰です。
今回助成をうけるテーマは「火山噴火に備えた富士山での大気観測」というタイトルです。 日本列島には数多くの火山が存在しており、富士山も噴火が懸念されている火山の一つです。2014年の御嶽山の急な予期せぬ噴火においては多くの登山者が犠牲になりましたが、より多くの登山者が訪れる富士山が噴火した場合には、甚大な被害が生じることが予想されます。そのため、突然の噴火による被害を少しでも軽減するために、富士山(山頂の富士山特別地域気象観測所および山麓の太郎坊)において火山性ガスの常時モニタリングのために、微量ガス全般を測定することは大切です。そのため SO2と同時に、COおよびO3の測定データをリアルタイムで発信するシステム構築の研究を行い、災害対策に生かすことを目的としています。 夏季は富士山頂でも商用電源が利用でき、大型の大気観測測定器での火山性ガスの測定結果をリアルタイム配信を行います。
山頂で測定してホームページにリアルタイムで載せているデータ
しかしながら、夏季以外では商用電源が利用できません。そこで、小型小電力の測定器とバッテリーを用いて富士山頂での測定結果を行い、SONYセミコンダクターソリューションズが開発したELTRESを用いてリアルタイムで測定データを通信して、無人越冬観測を行うようにします。 現在、実験室にてELTRESでのデータ通信のテスト中です(写真)。 ****
実験室で通信テスト中のELTRES
(学術科学副委員長・加藤俊吾)
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