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表紙写真について
表紙の写真は、富士山頂近くから見た富士山測候所です。富士山測候所は近くに他の山がない独立峰の山頂にあり、地表の影響を受けることなく大気の観測を行えるという特徴を有しています。当財団は、このような特徴を有する富士山測候所を研究拠点として活用するための調査研究を認定NPO法人富士山測候所を活用する会と協力して進めてまいりました(本誌4頁参照)
(写真提供:認定NPO法人富士山測候所を活用する会・山頂班)  


昨年1月のブログに入れましたが、何時も助成金や受託研究でお世話になっている一般財団法人新技術振興渡辺記念会(以下渡辺記念会)の広報誌の表紙に、私たちNPOの関係する旧富士山測候所の写真が再び採用されました。

その上、今回は基金の成果報告の中で本NPOが受託した「富士山頂に於ける通年観測の実用化と登山者への火山噴火警告のためのシステム構築に関する研究」を取り上げて頂いています。なかでも、背中に背負って歩きながらSO2ガスを測定するシステムの構築や、低消費電力センサーによる越冬観測などに関する首都大学東京の加藤准教授の仕事が、非常にわかりやすい文章で紹介されています。

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 携帯型測器を背負って富士山登山道を移動中の加藤俊吾理事

まず、調査結果として、夏季2か月しか商用電源が使えない富士山頂で独立電源関開発に関するこれまでのNPO の研究成果と現状が紹介され、ついで、省エネルギーで火山性のSO2ガスを検出できるシステムの構築については、電気化学ガスセンサーによるSO2測定により低消費電力で測定できるようにしました。その結果として、2018年9月から2019年6月の富士山頂のSO2濃度が示されています。

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(上)2018年9月から2019年6月の低消費電力SO2ガスセンサーによる越冬観測結果
(下)箱根・大涌谷での火山ガス測定例 (2018年10月29日)


本NPOのスタート時から常に受託研究や助成金でサポートしていただいている渡辺記念会ですが、今回、このような形でも応援していただけることを心から感謝して、益々良い成果をださなければと思います。

(広報委員会)