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            Professor Syukuro Manabe

2021年のノーベル物理学賞が真鍋淑郎(90歳)、クラウス・ハッセルマン(90歳)、ジョルジュ・パリ―シ(73歳)の3氏に決まったというニュースが、10月5日の夜、世界を駆け巡りました。

”「平和賞」じゃなくて「物理学賞」ですよね。”
というのが最初の感想でした。
IPCCとアル・ゴアがノーベル平和賞を受けたのが2007年です。
それ以来、気象学分野の研究者にとって、
「ノーベル物理学賞の対象にならない研究分野」というトラウマが
あったのではないかと感じていました。

NHK NEWS WEB によると
気象庁気象研究所で地球温暖化の将来予測について研究している山中吾郎全球大気海洋研究部長は「真鍋さんが1960年代に世界に先駆けて提唱した大気と海洋を結合した数値モデルは、今の気候変動の予測に欠かせないもので、季節予報やエルニーニョ現象の予測など、気象庁の日常業務の中でも当たり前のように使われています。地球温暖化研究の世界で知らない人はいない伝説的な人なので、受賞はとてもうれしい」と話しています。

このように、気象学の基礎研究が世界の科学者のなかで、
「ノーベル物理学賞」の対象になったことは、
気象学を目指す若い研究者にとって素晴らしいことだと思います。

なお言葉の問題ですが、
「気象」はある時点での大気の状態や大気中の現象という意味で、
気象要素(温度、湿度、気圧、降水量、日射量など)で示します。
「気候」とはある地域に特有な天候の傾向を表現したもので
平均的なものになり
す。
ちなみに、日本の気象庁は「平年値(気候値)」として
過去30年の気象要素の平均値(現在は1991年から2020年の
平均値)を表示しています。
気象学は「気象」も「気候」も扱います。

気象学に近い分野の本NPOの研究者にとっても、
決して夢ではない世界が広がったと言えるのではないでしょうか?
本当に素晴らしいニュースです。


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2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
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(広報委員会)