記事の中に示された図
2021年10月13日の静岡新聞朝刊に楠城一嘉理事の日本地震学会(10月14日)発表に関する記事が載りました。
気象庁の10倍「観測体制充実に」とのことです。すなわち
富士山直下で2012-2020年の9年間に19,000回の低周波地震(注)を検知し、これは気象庁が観測した1,119回の約10倍に登ったという研究結果です。
楠城准教授らは
神奈川県温泉地学研究所が箱根山の低周波地震の観測に活用しているマッチドフィルタ(MF)法を用いて、
富士山に設置された32ヵ所の地震計で上の期間中に観測されたさまざまの地震波形の中から、
低周波地震を検出しました。
気象庁が雑音が混じるなどとして切り捨てた微小な低周波地震も拾うことに成功した結果です。
2021年10月14(木)-16日(土)の日本地震学会(オンライン)の、プログラムによると
10月14日「地震活動とその物理」セッションでポスター発表:
「富士山直下で起きる低周波地震の研究の序報:Matched Filter法を用いた地震カタ ログの作成とカタログの性能評価」 *楠城 一嘉1,2,3、行竹 洋平4 (1:静岡県立大学、2:統計数理研究所、3:静岡大学、4:東京 大学)
静岡県立大学・グローバル地域センターが、ふじのくに地域・大学コンソーシアムなどと共同研究を行っています(研究グループ)。
今後は、富士山で低周波地震が活発化した2000年にさかのぼって調査する方針とのこと。
”MF法を使えば、2000年ごろ活性化した低周波地震の特徴が見えてくるかもしれない。長期的な富士山の観測体制につなげたい。”との楠城理事の談話が載っています。
注:低周波地震は深部のマグマ活動の指標として注目されている。
富士山噴火の予知ににつながる重要な研究の一角と考えられ、今後の成果が期待されます。
2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。
また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かかるのです。
しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。
そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いたします。
(広報委員会)
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