スプライトの写真(2013年7月22日)
世界的な学術誌Atmosphereに上の論文が掲載されました。
NPOメンバー、鈴木智幸博士、鴨川仁専務理事、藤原博伸研究員らが連名で、
富士山頂で観測されたスプライトに関する論文です。
以下に鈴木博士による簡単な説明をご紹介します。
・論文の簡単な説明
雷雲の電気的な活動に伴う放電現象は、雷雲内及び落雷のみならず雷雲上空でも発生しており、総称して高高度放電発光現象と呼ばれている。富士山山頂は、見通しがよく、下層雲よりも高い位置にあるため、高高度放電発光現象とその原因となる雷雲内の放電発光及び雷雲そのものを横から撮影できるという利点を有している。富士山山頂での光学観測は2012年から開始し、2013年7月22日に富士山山頂から初めて、高高度放電発光現象の一つである、雷雲内の大きな正電荷の中和に伴い発生する巨大な高高度放電発光現象のスプライトが6事例撮影された。そのうち5事例は、宮城県の太平洋岸で発生した大きな正極性落雷に伴い発生し、この正極性落雷は巨大な雷雲の層状エコー域下で発生したことが分かった。層状性エコー頂が対流性エコー頂から切り離された以降もスプラトが発生していた。幸運なことにこの層状性エコー域直下では気象庁のウインドプロファイラが稼働しており、スプライトの原因となった層状性エコー域のウインドプロファイラの観測から、層状性エコー域内では弱い下降流が卓越しており、層状雲下部では、エコー強度が強まっていた。このことから、層状雲内部に蓄積していたと思われる正電荷は、層状性エコー内で生成されていた可能性が示唆された。一方、1事例のスプライトは福島県の巨大な雷雲の対流域付近で発生した正極性落雷により発生しており、富士山山頂から撮影された動画から、少なくとも150msの連続電流に伴う雷放電発光が見られ、この雷放電によりスプライトが発生していたことが分かった。
富士山頂で観測する鈴木博士
(広報委員会)
2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。
また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。
しかしながら、資金面に関しては、
公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。
そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
つなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。
本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので などでご確認ください。
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