2022年の日本列島およびその周辺における地震活動について
2022年は、全体として日本列島およびその周辺における地震活動は、それほど活発とは言えず、平均的な活動であったと言えるようです。
2022年に発生した最大の地震は3月16日に福島沖で発生したマグニチュード7.4の地震でした。この地震で宮城県や福島県の一部で震度6強の揺れを観測しました。ちなみに2022年にマグニチュード7を超える地震はこの1回だけという状況でした。
この地震により、死者3人、負傷者247人、さらに5万棟近くの住家が被害を受けました。特に東北新幹線は東京発仙台行きの「やまびこ223号」(17両編成)が、福島-白石蔵王間で17両のうち16両が脱線しました。さらに、高架橋の損傷や電化柱の傾斜、橋脚の崩落などの大きな被害が発生しました。このため、運休が長期間に及ぶ可能性もあるとされましたが、予想より順調に復旧が進み、地震からおよそ一ヶ月後の4月14日に全線運転が再開されました。ただ、通常ダイヤに戻ったのは5月13日となりました。
次の図は2022年に発生したマグニチュード5以上のすべての地震です。一年間で188個が発生しました。福島沖や宮城沖で少しまとまった活動があった事と、台湾周辺でかなり活発な活動がありました。また台湾付近を除いたマグニチュード6以上の地震は12回発生しました。
2022年の富士山周辺の地震活動
2022年は富士山を中心とした中部地方・関東地方の地震活動はかなり落ち着いた状態だったと判断できます。富士山近傍では、山梨県東部に”地震の巣”と呼ばれている地域があるのですが、2022年の活動は低調でした。地震学的には富士山は安定した状態と言えると考えています。
2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
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2022年は内陸(陸域)での地震発生が少なかったと言えると思います。能登半島では、2021年から群発地震活動の様相を示している事と、北海道・稚内近郊で8月に北海道北部としては、やや規模の大きな内陸地震が発生した事が特徴的でした。
ちなみに2021年4月から、気象庁は東北沖の地震活動については、「東日本大震災(地震名は東北地方太平洋沖地震)の余震」という表現を使わない事を決定しました。実際には東北地方太平洋沖地震クラスの地震が発生しますと、余震活動は地震学的には100年ぐらいは平気で続くのですが、厳密な余震かどうかという判断が難しい事と、社会的にも地震から10年以上経過し、人間の感覚として「余震」という言葉がなじまなくなってきたと考えられるためです。
「2022年はそれほど活発的とは言えず」と最初に述べましたが、それでは2021年はどうだったのでしょうか。実は2021年も台湾付近を除いたマグニチュード6以上の地震は12回と、2022年と同数でした。地震活動そのものの特徴については、また機会を改めてこのブログで紹介していきたいと考えています。
2022年の富士山周辺の地震活動
2022年は富士山を中心とした中部地方・関東地方の地震活動はかなり落ち着いた状態だったと判断できます。富士山近傍では、山梨県東部に”地震の巣”と呼ばれている地域があるのですが、2022年の活動は低調でした。地震学的には富士山は安定した状態と言えると考えています。
(文責:長尾年恭)
長尾年恭理事による投稿ブログをシリーズでお送りしております。
次回は「地震の揺れ方」について目から鱗の解説です。ご期待ください。
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(広報委員会)
2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。
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富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。
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