発送された会報17,パンフ、要覧
いずれ本ホームページにも掲載いたしますが、年の初めの心構えとして
宿利正史NPO会長の巻頭言を皆様にお送りします。
会長 宿利正史皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
また、常日頃から当会の活動に対しまして格別のご理解とご支援を賜っておりますことにつきまして、厚く御礼申し上げます。
さて、昨年世界は、COVID-19が未だ終息を見ない中、2月にロシアがウクライナに武力侵攻するという暴挙を目の当たりにすることとなりました。同時に世界は、グローバルサプライチェーンの中でエネルギーや食糧を如何にして安定的に確保するかという切実な課題に直面することになりました。
このような激動する世界情勢の中で、当会は昨年、COVID-19に適切に対処しつつ、着実に活動を実施し、成果につなげることができました。
まず夏期観測については、万全の準備を整えた上で、7⽉1⽇から9⽉9⽇まで71⽇間にわたり、延べ約500⼈が参加し、25のプロジェクトを無事終了することができました。事前の2週間の体温測定、 PCR 検査、パーティションの設置、消毒、換気の徹底などに取り組んだ⼭頂班、御殿場班を始め、裏⽅の努力が報われて無事故で観測を終えることができたことは、特筆に値すると思います。
科学界では、雷放電・雷雲から放射線が発生することが大きな話題になっておりますが、今年の富士山頂における夏期観測で、カリフォルニア大学サンタクルーズ校と静岡県立大学が高機能の機器を使い、落雷からの放射線の検知に成功しました。今回の成功は、放射線の発生機構の解明につながる貴重なデータとなるものです。
また、⼤河内副理事⻑グループが、大気中マイクロプラスチックを含む雲⽔、エアロゾルの観測結果などを9月の⼤気環境学会年会で多数発表し、ポスター発表部門で若手優秀発表賞を受賞しました。
2022年度のこのような活動の実施にあたっては、新技術振興渡辺記念会、⽇本郵便年賀寄付⾦配分事業、WNI気象⽂化創造センター、JT「SDGs貢献プロジェクト」、富士山後世継承事業費補助金、東京仕事財団のテレワーク促進助成金等、多くの機関からの助成・補助等のご支援をいただいておりますことを特記し、感謝申し上げたいと思います。
以上昨年の当会の活動についてその一端をご紹介いたしましたが、今年もさらに工夫と努力を重ねて優れた成果につなげていきたいと考えています。不透明・不安定な時代においてこそ、グローバルな、普遍的なテーマに関する科学研究・調査の積み重ねが重要であると考えます。
まさに、こんな時代だからこそ、本NPOの科学研究・調査の大切さを喧伝してゆきたいと思います。
(広報委員会)
2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
ご寄付に関しては、控除もありますので などでご確認ください。
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