半身像
記事の最後に載った大河内副理事長の近影

2月16日のGLOBERIDEオフィシャルサイトに大河内博副理事長のマイクロプラスチック研究の記事が掲載されました。
内容は、マイクロプラスチックについての基礎から、現在の研究までよく調べて丁寧に書かれており、インタビューを受けた大河内副理事長のお墨付きです。
※ グローブライド株式会社は、フィッシング・ゴルフ・ラケットスポーツ・サイクルスポーツをグローバルに展開するライフタイムスポーツカンパニーです。(旧社名:ダイワ精工)

記事に沿ってご簡単に紹介しますが、詳しくはGLOBERIDEの記事をご覧ください:まず
海に浮遊するプラスチック容器が海を汚染している実態から、「海が終着点」だと思ってたものが、実はプラスチックは紫外線や波で粉砕され、マイクロプラスチックとなり、海から大気中に放出されている
ことを「大気マイクロプラスチック研究」の研究に取り組んでいる大河内教授から学びます。

MFRS
 富士山観測所 画像・資料提供:大河内博 教授

実は大気中のマイクロプラスチックの研究はまだ始まったばかりです。
海水の飛沫がどうやって年間14万トンも大気に放出されるのでしょうか?
海以外にも、タイヤの粉塵、農作業に使うマイクロカプセルな度からも来ることが指摘されています。

MPs

上の図は、地球をめぐるマイクロプラスチックの基本的な図です。
マイクロプラスチックの定義は0.3-5ミリメートルのもの、これはどこから来たのでしょう?
大気中の調査ではどうなるでしょう?

大気では、主にPM2.5といわれる2.5マイクロメートル以下のサイズを対象とします。
そこで大河内先生は2021年から環境省のプロジェクト「大気中マイクロプラスチックの実態解明と健康影響評価」研究を率い日本全国や東南アジア、さらに北極でも、世界に先駆けて調査研究中です

PM2.5と関係があるとすると、人体影響が心配です。
この研究もはじまったばかりですが、世界的に、ヒトの肺、血液や母乳、胎盤、便などから見つかっており、つまり、マイクロプラスチックが体の中に入っていることは、すでに明らかなのです。

PM2.5は肺の奥まで
大気マイクロプラスチックはどうやって肺に入り込むのでしょう?
人間の呼吸は1日に約2万回です。そのため、大気から摂取する量は
食べ物や飲み物から摂取する量よりも、実は遥かに多いのです。
大気中マイクロプラスチック問題は3つの点に注目して考えなければなりません。
呼吸による接種には、①大きさ、②形状 ③含まれる化学物質、の3点に注目する必要があります。

人体にどのような影響を及ぼすかは分かっていないので、現時点で過剰に心配する必要はないでしょう。ただ、健康被害が明確になってからの対策では遅いと思っています。
大気中マイクロプラスチックの研究は今すぐ全地球的に取り組まねばならない課題なのです。

大河内副理事長の最近の研究の中で、石川県能登半島で行なっている調査からは、能登半島の方が東京の都市部よりも大気中マイクロプラスチックの濃度が高かったことがわかりました。これは大陸から偏西風に乗ってやってくる大陸由来の越境汚染と日本海由来の海洋マイクロプラスチックの影響だと見られます。また、こちらのブログでも既にご紹介したように、富士山頂の積雪からマイクロプラスチックが検出されています。

私たちは、プラスチックの排出と環境問題にもっと真剣に向き合わなければ、地球を循環する大気中マイクロプラスチックの量は増えていくばかりです。

図大気汚染

「地球環境の改善に役立つ研究を日本から発信したい」と意気込みを熱く語り、大気中マイクロプラスチック研究において、世界をリードする大河内先生の今後の研究に期待したい。

と、この記事は締めくくられています。
大気マイクロプラスチックについての入門書としてもお勧めの「GLOBERIDE」を是非ご覧ください。 

(広報委員会)

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「第16回成果報告会」が、3月18日(土)に開催されます。

富士山頂で行われている夏期観測の成果を広く一般の方に知っていただきたく、毎年、成果報告会を開催しています。この機会に、本NPOの研究活動についてご理解を深めて頂ければ幸いです。
今回の成果報告会は、会場(中野サンプラザ会議室)とZoomによるハイブリッド形式で開催します。

聴講参加ご希望の方は、下記URLの「第16回成果報告会 聴講参加申込フォーム」よりお申し込みください。

第16回成果報告会 聴講参加申込フォームはこちら
※聴講参加に申込頂いた方には「第16回成果報告会 講演予稿集」をお送りします。
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認定NPO法人富士山測候所を活用する会とは

2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。

また富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。

しかしながら、資金面に関しては、公的補助もなく研究利用費だけで運営しております。

そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へつなぐ研究の手助けをどうぞよろしくお願いいたします。

本NPOは、認定NPO法人(認定NPO法人は全NPOの2%しかない)です。
ご寄付に関しては、控除もありますので詳しくはウェブサイトなどでご確認ください。