日本時間の4月10日夜、カムチャッカ半島のシベルチ(Shiveluch)火山が大規模な噴火を起こしました。噴煙の高さは海抜20キロにも達したとの報告もあります。
カムチャッカ火山噴火対策チーム(KVERT)は、航空交通への脅威が高まったと発表しました。同チームは、「大規模な火山灰雲」が火山の西側を漂っており、高さ15キロメートルまでに達するような爆発がいつでも発生する可能性があるとして、コードレッドの「航空に関する火山観測所通知」を発表しました。
航空機への影響は今の所報告されていませんが、カムチャツカ半島東側は頻繁に飛行機が通る航空路のため、これまでも世界で何例か火山灰を吸い込んでエンジンが停止する事故が発生しています。特に今は、ウクライナ問題でロシア上空の飛行が不可能なため、年配の方にはなつかしいアラスカ・アンカレッジ経由でヨーロッパへ向かう便も増えています。風向きによっては、この航空路に影響が出る事も考えられます。
また、ロシアの国営メディアなどは専門家の話として、火山灰が成層圏まで達した場合、太陽からの日射量が減り、地球規模の気温の低下を引き起こす可能性を指摘しています。
4月11日のシベルチ火山の状況, KVERTより入手
大噴火前の1月10日の状況
筆者はこれまでカムチャッカ半島を地震予知研究や気候変動研究のため、複数回訪問した事があります。カムチャッカは火山の宝庫であり、29の活火山が存在します。そのため、毎日のように新しい小爆発や噴気、高温雪崩が観測されています。
ロシア科学アカデミーの研究組織について、筆者は大きな感銘を受けました。というのは、例えば火山ガスや地下水のサンプリングを彼らは毎週行っているのですが、そのための車両や雪上車が完備されています。また観測や観光における主な移動手段はヘリコプターです。これには軍がかなり協力しているとの事でした。
我々が実際に使用したヘリコプター(筆者撮影)
我々が実際に使用した観測用車両(2001年筆者撮影)
驚くべきは技官の多さで、カムチャッカでは研究者1名に対し、6名の技官が配置されているとの事
日本では全く考えられない状況で、この多くの技官により、各種野外観測が維持されている
実はアリューシャン列島沿いに飛行すれば、アメリカからも近いために、カムチャッカ政府はかなり観光施設の建設に力を入れているのです。
富士山においても、やはり冬季にいかに観測を維持するかが、各種環境モニタリングや火山監視にとって大きな問題です。
間欠泉地帯における観光用ロッジなど
富士山においても、やはり冬季にいかに観測を維持するかが、各種環境モニタリングや火山監視にとって大きな問題です。
(文責:長尾年恭)
(広報委員会)
2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
そこで、皆様からご支援、会員になっていただき未来へ
2004年に無人化され、いずれ取り壊しの運命にあった旧富士山測候所。
富士山測候所を活用する会は、この施設を国から借り受け研究・教育の拠点にしようという構想で、2005年に大気化学や高所医学などの研究者が主体となって立ち上げたNPO法人です。
また
富士山頂という厳しい環境の中、その修理費・維持費や、運営費など
年間3000万円という莫大なコストが掛かるのです。
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